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この春を振り返る 2022年

2022年の春はどんな天候だったでしょうか?気象庁のまとめをもとに振り返ってみたいと思います。

気温・降水量・日照時間の全体的な傾向は以下の図の通りです。

気温

全国的に高くなりました。沖縄・奄美以外のほぼすべての地域で平年より1℃以上,特に北海道では平年+1.5℃以上とかなりの高いレベルとなっています。
今年の桜開花日について以前まとめたのですが,平年より早い地域はありませんでした。この高温が影響しているものと思います。

平均で見ると高い原因としては,特に3月~4月で高い側への振り幅が非常に大きく平年値+5℃以上を記録した日も結構ありました。これは2ヶ月くらい季節が進んでしまうレベルです。一方下がる方はゴールデンウイークごろに大きな変動がありました。農業暦的には3月~4月の高温で作業前倒しや,生育順調だったところでの急激な寒の戻りであったため,寒害が出た地域もあったようです。

降水量

降水量は関東・東海の太平洋側と九州南部の一部を除いては平年よりも少ない地域が多くなりました。
特に少ないのは北海道と西日本の太平洋側。うちの畑(福岡県北九州市)でも雨量は平年の55%程度と少なく,ある程度雨が欲しい植え付けのタイミングを計るのにちょっと苦労しました。(うちの畑この春の降水量は下図の通り。ちなみにこの気象データはオンラインで公開しているので,皆さんで監視してください(笑)https://noh-en-kisho.tech/sample/

日照時間

日照時間は離島以外のほとんどの地域で平年より多くなりました。気象官署での春の日照時間の記録を見ると,統計開始以来最長の3位までに入る箇所もあり,それのほとんどが日本海側の都市でした。
近年気温は温暖化傾向もあり記録更新が相次いでいるの一方で,日照時間は結構古い記録が残っているのですが,それを更新するほどの日照時間の長さが今年はあったということになります。

まとめ

以上をまとめてみると,今年の春は降水量がやや少ないのが気になるものの,日照に恵まれ,気温が高い春ということになり,農産物生産的にはプラス方向へと働きそうです。
以前記事にしましたが,その年の豊作は春の気温が大きなファクターとなっている(もう一つのファクターは台風の上陸数)ので,まずは豊作への第一段階クリアといったところでしょうか。

降水量が少ないのが「やや気になる」としたのは,特に少ないのが北海道だからです。他の地域とはケタ違いに大規模な営農を行っている北海道の主力生産時期は夏でありこの先の野菜マーケットに大きな影響を及ぼすからです。準備期間である春が干ばつ気味ということでこの先の生育にどのような影響があるか注目したいところです。


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