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クリエイティブになるための読書(62週目)

心身ともに調子がいい時は、明日はこれを読もう! 明後日はこれ! とちょっと先の体調や作品の重さによる心の負担を気にせずに、読む本を決めておける。しかし、今週は先週に続き、その日に読めそうな本を手に取った週。ページ数のボリューム的には、まぁまぁがんばった。


クリエイティブになるための読書「毎日、物語1つ、詩を1つ、論考を1つ」を継続中。基本は平日のみ。はじめた頃は無料の青空文庫と、読み放題のKindle Unlimitedから読んでいた。その後、もっぱら図書館で借りていたのだが、2023年末に引っ越しをして、部屋の整理が追い付かず、借りてきた本が売ってしまう本の中に埋もれては困る、と帰省の際に自分の部屋にあった本棚から持ってきて、消化中。時々、古書店で手に入れた本を混ぜながら。

当日、読む作品を選んでから読み終わるまで30分弱。最短で10分、最長でも1時間弱。毎日続けることなので、できるだけ時間はかけない。

感想

時々、触れる「詩経」。詩経の中でも特に有名な『桃夭(とうよう)』。万葉集にも、劇、義太夫など、ことほぐことを目的とした詩や曲がある。これも娘さんが嫁ぐことを謳ったもの。歌、詩のはじめからあるものなので、大事に噛み締めて、声に出して三回読んだ。

評論

環状島というメタファーにこだわり過ぎで、そのメタファーじゃなくてもよくない? と思う記述も多いけれど、解きほぐせない事象にどうアプローチするか? という点において、『環状島=トラウマの地政学』が参考になっている。

物語

静岡県知事が辞職の心境を問われた時、細川ガラシャの辞世を持ち出したことがあった。そのせいもあって、細川ガラシャのことが最近、頭にあったので、本棚の隅にあった司馬遼太郎が目に留まった。細川ガラシャの半生の「胡桃に酒」。朝鮮の役は、秀吉がガラシャの夫の忠興を朝鮮にやる間に、女房狩するために起こしたとさえ噂されたほどの美貌の持ち主。大河ドラマでは、過去、島田陽子さん、長谷川京子さん、橋本マナミさんなどが演じられている。直近は、教養深いところからの配役だろうか、芦田愛菜さんが演じられていた。悋気の強い面が強調されすぎた忠興だったが、実際にそういう面もあったとすれば、それはとても悲しく、父明智光秀が亡くなったことと合わせて、つらいつらい後半生だっただろう。

小説としては、初めて接している村上春樹、いいじゃないか!

実績

太字は、気になったもの、気に入ったもの

2024/5/20(月)
・【詩】五月の歌/目ざめよ、フリーデリケ/野の小バラ(ゲーテ詩集 髙橋健二訳)
・【評論】連結ベースの世界観/日米会話合戦(「大前研一の新・国富論」)大前研一
・【物語】胡桃に酒(「故郷忘じがたく候」)司馬遼太郎

2024/5/21(火)
・【詩】頭脳の塔(吉増剛造詩集)

・【評論】複数の環状島(「環状島=トラウマの地政学」)宮地尚子
・【物語】悟浄出世(中島敦)

2024/5/22(水)
・【詩】ロズモンド/ラインの夜/鐘(アポリネール詩集 堀口大學訳)
・【評論】[解説]『ガリア戦記』について(「ガリア戦記」)中倉玄喜
・【物語】ゲルマニー人との戦い(「ガリア戦記」)ユリウス・カエサル

2024/5/23(木)
・【詩】桃夭(周南)(「詩経・楚辞 ビギナーズ・クラシックス 中国の古典」)牧角 悦子
・【評論】デザインパターン(「パターン、Wiki、XP」)江渡浩一郎
・【物語】独立器官(「女のいない男たち」)村上春樹

2024/5/24(金)
・【詩】しろたへ(昭和十五年―十八年)佐藤佐太郎
・【評論】信仰と社会層分化(「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」)マックス・ヴェーバー著・大塚久雄訳
【物語】満潮(「マンディアルグ短篇集 黒い美術館」)マンディアルグ・生田耕作訳

2024/5/25(土)
・【詩】山/冬が来た(高村光太郎)
・【エッセイ】湘南忘却街道(「東京カレー食べつくしガイド104/380店」)小野員裕
・【物語】みんないってしまう(「みんないってしまう」)山本文緒

これまで読んだリスト

(同じことをしてみたい人のために。本を選ぶ参考にどうぞ)

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