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マーケティング施策の神話を解体! 『ブランディングの科学』読書メモ(~8章)

普段、本の感想は、全てのページを読んだ後に書くことが多いです。

でも、今日は、こんな形で共有をしていただいたので、まだ読みかけですが、私も途中までの感想や学びのメモを残しておこうと思います。

いつもの読書会では、決めた読書時間にそれぞれ好きな本を読んで、読書時間の後、オンラインでお互い読んだ本の内容を共有します。今日は、お互いの時間が合わなかったため、上記のようにまとめていただきました。

『ブランディングの科学』を読んでいます

私も、今読んでいる『ブランディングの科学』について、これまで読んだ内容をまとめたいと思います。今は、全体13章のうち、8章の途中まで読んでいます。

最初のほうは、当たり前のことを、説明しているだけで、式や、割り算の説明くらい、当然の話しかなかった印象ですが、読んでいるうちにだんだんと、「あー、確か」に、と思う箇所が増えてきました

本全体のメッセージは、こうです。

現在のマーケティング施策の主流は、

 STP(Segmentation, Targeting, Positioning)理論でブランドの立ち位置を決めた後、CRM(顧客管理)を使って、その限定したターゲットのロイヤルティを極限まで高め、高効率なマーケティング施策を展開し、ROIを高め、特定顧客からの高評価を獲得する… みたいなことが言われています。

これって正しいの? その根拠は? 成功事例は? その施策で売上はどう変わるの? ということを確かめるというスタンス、要はこれまでのマーケティングの常識は間違ってるよ、という主張の本です。

極端な言い方として、マーケティングの担当者は過去の言い伝えに頼って、中世の医師たちと同じことをしている(悪い血を抜くといって、命の危険にさらしているだけ)とまで言っています。マーケティングに無駄な時間とお金を費やしている、特に、広告は無駄が多いと。

・新規顧客開拓より、既存顧客維持が安い
・消費者がそのブランドを選ぶには理由がある
・ブランドの差別化大事

よく言われるこんなことは本当のことでしょうか?


以下、メモです。


顧客について

結局、既存客の離反はコントロールできないことが多い。実際に、ブランドが成長する時には、新規顧客の獲得が伸びている時。

囲い込みたいヘビーユーザーも、実は、コントロールできない。ヘビーユーザーが、売上の多くをもたらしていることは確かだけれど、ほとんどのユーザーは超ライトユーザー。例えば、コカ・コーラの例だと、毎食、飲む人は、中毒みたいなもので、超ヘビーユーザーは、そもそもマーケティングのコントロール外。

で、購入回数の平均値には、ヘビーユーザーが含まれているので、大多数は、ライトユーザーだし、購入頻度だけ見ると、思っている以上に、頻度は低いユーザーが売上を作っている。

20%のユーザーが80%の売上を上げているという法則もあるが、調査期間によって、ヘビーユーザーになっているだけで、翌年は、ライトユーザーになるかもしれない。実際には、20:80ほど偏りはなくて、例えば、半分弱がちょっとしたヘビーユーザーで、半分強がライトユーザーということもある。

だから、ブランドが成長するには、新規ライトユーザーの取り込みが大事だし、本来、コントロールできるかどうかわからないユーザーに対し、ロイヤリティプログラムをするよりライトユーザー向けの施策をやったほうがいい。

ターゲティングの罠

マーケターは、カテゴリーを狭くするとターゲティングできるエリアを見つけたと考えるが、それはニセモノの安心感。誰も自分たちの製品が市場の17位と思いたくないから、ターゲットを狭くして、そこで1位を取りたがる。

ハミガキを例にすると、子供用、ホワイトニング用、抗菌用、プラークコントロール用などあるが、販路も宣伝媒体も価格もほぼ変わらない。

マーケターは、ブランドをニッチな市場に押し込むのではなく、広くリーチするための手段を常に探し求めるべき。

ブランドが選ばれる理由

競合との製品の違いはそんなにないことが多い。ブランドAの購入者がブランドAを思う気持ちは、ブランドBの購入者がブランドBを思う気持ちと同じ。

ロイヤルティが高いお客様がいることは確かだし、熱狂的に支持されるブランドも存在するけど(Apple 、ハーレーダビッドソン)、ほとんどの場合、そうじゃない。

ブランドに特定のイメージを連想していたのはわずか3%。成功したブランドほど個性的な連想は持たず、ブランドに対する選好度が高いほど、そうでない消費者より、連想は個性に欠けていた。

ブランドの個性の強さは、競合相手が少ない時だけ現れる。

これまでのまとめ

マーケティングで実施する調査が正しいわけではない。

 ・収集期間によってヘビーユーザーは変わる
 ・同じ人でも次の回には回答が変わる。
  結果、全体で同じ割合になっているだけで、同じ設問への回答の反復率は実は高くない。

ブランドへの満足度、ロイヤルティはどんな製品にもそんなにない。ライトユーザー向けの施策を重視しよう。

感じたこと

BtoBのソリューションのような、長期かつ、決定に複数の人間が絡むものは、事情が異なるかもしれませんが、確かに、購入のきっかけや再購入の理由は、売る側が考えるほど決定的ではないかもしれませんね。

ターゲティングは簡単じゃないし、それが正しいかもわからない。ライトユーザーの購入頻度を簡単に上げれればいいけど、それが簡単じゃないことは、ECの仕事をしていた時、嫌というほど感じてました。

じゃあどうすればいいの? ライトユーザー向けの施策はどうすればいいの? という説明を、これから先の章に期待したいところです。


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