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大きなヒットを狙おう。コンテンツを作る私が今日できること

ほぼ日さんで、超おもしろかった連載が終わった。その中の「第11回 3000万本」は、ヒットを出したことがない私には、とても重要な回でした。

なにもできないから
プロデューサーになった。
そんなわけないでしょう、宮本茂さん

ヒットは狙わないと出てこない

宮本
ぼく、新入社員セミナーで毎年しゃべるんですけど、
そのときにかならず言うことがあるんです。
任天堂はどんな会社かというと、
「ヒット商品に支えられる会社です」って。

糸井
おお。

宮本
3年から5年の間に1つ、
大ヒットがあったらなんとかなる。
そういう意味では、全社員が
「大ヒットを飛ばす」ってことだけを
日々考えてたら、なんとかなる。

宮本
それを考えつつ、ふだんの業務をする。
「大ヒットにつながるものがないか?」って、
みんなが虎視眈々と狙ってないと見落とすから、
それを見落とさないようにしましょう、って。

糸井
いいねぇ!
しかも、任天堂は具体的に大ヒット出してるから、
夢じゃなくて言えるから、おもしろいね。

宮本
そう、そう。
やっぱり狙ってるから出てくるので。

第11回 3000万本「なにもできないからプロデューサーになった。そんなわけないでしょう、宮本茂さん」

虎視眈々と、大ヒットを出すことを考える。まずはそれ。この考えが私にはなかった。どうも小さい数字を育てよう、という思考が張り付いている。小さいヒットの先に、ずっと先に大きなヒットがあるように錯覚をしていた。大きなヒットが作れれば、それをもとに、周りの人も潤うし、次の挑戦もできる。私もヒットを狙う。それも巨大なヒットを狙っていこう。

採算で考えない

宮本
そういうものをずっと扱ってるので、
もう、なんていうか、やるなら、
「思い切りバットを振りなさい!」って。

糸井
振りたまえ、と。

宮本
変化球に合わせようとかしたらダメです、って。

糸井
無難な儲けを手堅くとりにいくよりもね。

宮本
そうなんです。
これも微妙な話なので表現が難しいんですが、
「採算分岐点」ってあるでしょう?
だんだん企業らしくなってくると、
採算分岐を大事にするようになるんですけど、
その考え方がすごくぼくは苦手で。
たとえば、100万本売ると開発費がペイできるので、
それに対して5パーセントの宣伝費をかけましょう、
とかっていうじゃないですか。
それはそれで、もちろんわかります。
けど、200パーセントの宣伝費かけたら、
100倍売れるかもわからないじゃないですか。
だとするとその採算分岐点ってなに? って。

糸井
ああ(笑)。

宮本
仮に、採算分岐点をぎりぎり超えて、
赤字を出さないトントンで終わったとき、
何が残るかっていうと「疲れた」だけなんですよ。

第11回 3000万本「なにもできないからプロデューサーになった。そんなわけないでしょう、宮本茂さん」

会社としては、そういう数字も一応出すけれど、大きなヒットは、採算の先にはない。で、採算を考えることで、ハマる罠について、宮本さんのお話が続く。

アイデアを欲(採算)で調整しない

糸井
意外にそのシンプルなことが
忘れられがちなんですよね。
欲かく人は、ただ欲かいてるだけだし。

宮本
そうそう、ただの欲張りと
思われたら怖いなと思ってて。
欲かいてるわけじゃなくて、
いつもそう思ってないと、
「芽が出たときに見落とす」と思ってるんですよ。

糸井
ああー、せっかく大ヒットの可能性があるのに。

宮本
いろいろ準備をしているなかで、
「あれ?」「こいつは化けるかも?」って
アンテナに引っかかるものってあって、
そういうものって、すごく初期から感じるんですよ。
でも、それを、欲だけで考えてたり、
収益を安定させようとか思ってると見落とすんです。

糸井
そうですね、
欲だけだと、損しないこと先に考えますから。
どうしても採算分岐点的な発想になりますよね。

宮本
そうなんですよ。
それで化けるものを見落とすのが、
ぼく、いちばん危ないなと思ってて。
うちのいいところって、そういう芽を
うまく育ててきたところだと思うんですよ。

糸井
そのためには、みんなが、
3000万本の大ヒットを意識してないと。

宮本
そうなんですよ。

第11回 3000万本「なにもできないからプロデューサーになった。そんなわけないでしょう、宮本茂さん」

化けるかもしれないアイデアを収益を安定させるほうで考えると、これ以上のヒットは出ない。そこでアイデアの枝を勝手に切り落とさないようにしないと。

「大ヒットを出す!」「育ちそうなアイデアを求める収益額(欲)で考えない」をやっていこう。


そして、日常で考えることを、「今日のダーリン(2024年1月12日)」で糸井さんが書いていた。

コンテンツを作る人が日々やること

 たいていのこと、うまくなりたかったら
 「ひっきりなしにやっている」が、いちばんだと思うんだ。
 仕事として将棋してる人が、その合間に将棋の話をしてて、
 ひとりでひまつぶしに詰将棋を考えてる、みたいなこと。
 才能だとか、資質だとかについてはともかく、
 「ひっきりなしにやっている」人は、
 やってること自体をたのしんでいるから強くなる。 
 企画とかコンテンツに関わる人間だと、
 なにを「ひっきりなしにやっている」のがいいかといえば、
 「想像すること」なんじゃないだろうか。

今日のダーリン(2024年1月12日)

これが苦手。昔むかし、自分の想像に遊んでいた中高の時は、あまり披瀝することはなかったけれど、得意だと思っていた。大学生になって、本業の数学は怠けがちだったけど、祖父や父から引き継いだ、生来の勤勉さが少し出て来て、見た目上は少し勤勉になった。実際には、こまごましたことを続けるだけで、大きなテーマや仕事に集中するわけではなかった。

もっと想像することをしよう。「今日のダーリン」では、例として、街路樹の一本の木になったら、という話をされているが、その後に、こう書かれている。

 このくらいなんだっていいのだ、想像をするのだ。
 イマジンだぜ、無料だぜ、年中無休で24時間営業だぜ。
 「ひっきりなしにやっている」ことが、想像すること。
 「ほぼ日」の乗組員たちは、想像しているかなぁ。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
とにかく、視点をじぶんから離せ。あちこちに置いてみよう。

今日のダーリン(2024年1月12日)

視点をいろんなものに移そう。憑依してみよう。勤勉に、何か、日常的な取り組みを作るのはいいんだけれど、おもしろいコンテンツを作るには、ただインプットして、それを少しだけ整理したアウトプットに留めてちゃダメだよね。

まとめ

コンテンツを作るものとして、以下をやっていこう。

  • 大ヒットを出すと決める

  • 育ちそうなアイデアを求める収益額(欲)で考えない

  • 想像を日常にする。ひっきりなしにする

  • 視点をいろんなものに移す。憑依してみる。

仕事以外で、習慣化したい物語を書くことも、視点を他者(人やモノ)に移すことで、できるようになるかもしれない。

いい歌を詠むため、歌の肥やしにいたします。 「スキ」「フォロー」「サポート」時のお礼メッセージでも一部、歌を詠んでいます。