百人一首復習ノート・おかわり(一一、一二)
普段、現代語で短歌を詠んでいるのであって、文語に親しみたいわけでも、文語で短歌を詠みたいわけでもない。そうはいっても、永く日本人の体に染みついたリズムで、教養ある人が一度は親しんだ(無理やり覚えさせられた)歌に接することは、短歌に向き合うためには必要なことかもしれない。
教養としてではなく、あくまで自分の作歌のタネとして、作歌のテクニックという実利を期待して、「百人一首復習ノート」として、百人一首の歌の意味と解釈に触れた。
二周目は、和歌の後ろに広がる世界、短歌の持つイメージ、詩作の楽しみに触れてみようかと思っている。
一つのnoteには、2首ずつ取り上げる。2首ずつ取り上げる理由は、百人一首がペアが50組あるという作りだから。どうせなら意味のあるペアの形で触れるようにしたい。歌をまとめて取り上げる作業は、連作を作るアイデアにもなるかもしれない。
百人一首復習ノート(一一、一二)
一一.参議篁(さんぎたかむら)
わたの原 八十島かけて こぎ出でぬと
人には告げよ 海人のつり舟
(わたのはら やそじまかけて こぎいでぬと
ひとにはつげよ あまのつりぶね)
現代語詠み直し
現代語訳(新作詩)
ちはやふる百人一首勉強ノート
感想
「大海原」「問いかけ」「釣り舟」あたりが歌の構成要素。東さんも、タヒさんも、小野篁の印象をつけてはない様子。元歌のほうが、多義を含んでバランスいいという。
一二.僧正遍昭(そうじょうへんじょう)
天つ風 雲のかよひ路 ふきとぢよ
乙女の姿 しばしとどめむ
(あまつかぜ くものかよいじ ふきとじよ
おとめのすがた しばしとどめん)
現代語詠み直し
現代語訳(新作詩)
ちはやふる百人一首勉強ノート
感想
「雲の通り道」「舞う乙女を見ていたい」が歌の構成要素。東さんは「とどめよ!」、タヒさんは、「乙女の美しさ」を中心に。元歌が両方の意味をもって、三十一音で存在してるのがすごいな。
※引用図書の紹介
歌人・東直子さんが、現代の短歌として、百人一首を詠み直したもの。
次は、詩人・最果タヒさんが、百人一首を詩として作り直したもの。
競技かるたのマンガ『ちはやふる』の作者・末次由紀さんが、マンガを描くにあたり、取材したメモを再構成したもの。東直子さん、最果タヒさんが詩情を感じたところが、どういった背景や人物像に立脚したものかを確認するために使おうと思う。
いい歌を詠むため、歌の肥やしにいたします。 「スキ」「フォロー」「サポート」時のお礼メッセージでも一部、歌を詠んでいます。