百人一首復習ノート:現代語訳、英訳、解釈とその感想(四三、四四)
普段、現代語で短歌を詠んでいるのであって、文語に親しみたいわけでも、文語で短歌を詠みたいわけでもない。けど、永く日本人の体に染みついたリズムで、教養ある人が一度は親しんだ(無理やり覚えさせられた)歌に接することには、意味があることかもしれない。
教養としてではなく、自分の作歌の養分と作歌のテクニックという実利を期待して、いまさらながら百人一首を復習してみようと思う。情報は、手元にあった百人一首の本三冊から(『百人一首がよくわかる(橋本治)』『英語で読む百人一首(ピーター・J・マクミラン)』『百人一首 (平凡社カラー新書)(馬場 あき子)』)。
だいたい週一回、まとめている。一つのnoteには、2首ずつ取り上げる。2首ずつ取り上げる理由は、百人一首が、二人ずつのペアが50組あるという作りだから。どうせなら意味のあるペアの形でインプットしたい。歌をまとめて取り上げる作業は、連作を作るアイデアにもなるかもしれない。
四三.権中納言敦忠(ごんちゅうなごんあつただ)
逢ひ見ての 後の心に くらぶれば
昔はものを 思はざりけり
(あいみての のちのこころに くらぶれば
むかしはものを おもわざりけり)
現代語訳
英訳
grasped / græspt(米国英語)/graspの過去形、または過去分詞。(…を)(手で)ぎゅっとつかむ、 しっかりと握る
解釈
感想
これも次の歌も、こんなストレートなことを詠んでたとは。まぁ、そうだよね、実際に知ってしまったから、我慢できなくなってしまうんですよね。
四四.中納言朝忠(ちゅうなごんあさただ)
逢ふことの たえてしなくは なかなかに
人をも身をも 恨みざらまし
(あうことの たえてしなくは なかなかに
ひとをもみをも うらみざらまし)
現代語訳
英訳
re・sent / rɪzént/〈…に〉腹を立てる,憤る,憤慨する
cold to me / 私に冷たい・そっけない
or the way / あるいは
解釈
感想
なるほど、業平のほうがまだ奥ゆかしい。
性的なことも詠むのは、時代もあるし、今のオープンな世にあっても、受け取り側で感じ方が違う。性的な話もネタも好きなので、詠めるといいな。
※引用図書の紹介
『百人一首がよくわかる』
国語の教科書にあるような、文法的に正しい訳ではなく、短歌の長さ程度の軽妙な日本語訳と、短い解説書。
『英語で読む百人一首』
百人一首の英訳。古語や現代語訳より、歌の情景が浮かぶものも多い。
『百人一首 (平凡社カラー新書)』
馬場あき子先生の著作。ただし、教養としての解説であって、歌の解釈は短め。
いい歌を詠むため、歌の肥やしにいたします。 「スキ」「フォロー」「サポート」時のお礼メッセージでも一部、歌を詠んでいます。