百人一首復習ノート:現代語訳、英訳、解釈とその感想(八五、八六)
普段、現代語で短歌を詠んでいるのであって、文語に親しみたいわけでも、文語で短歌を詠みたいわけでもない。けど、永く日本人の体に染みついたリズムで、教養ある人が一度は親しんだ(無理やり覚えさせられた)歌に接することには、意味があることかもしれない。
教養としてではなく、自分の作歌の養分と作歌のテクニックという実利を期待して、いまさらながら百人一首を復習してみようと思う。情報は、手元にあった百人一首の本三冊から(『百人一首がよくわかる(橋本治)』『英語で読む百人一首(ピーター・J・マクミラン)』『百人一首 (平凡社カラー新書)(馬場 あき子)』)。
だいたい週一回、まとめている。一つのnoteには、2首ずつ取り上げる。2首ずつ取り上げる理由は、百人一首が、二人ずつのペアが50組あるという作りだから。どうせなら意味のあるペアの形でインプットしたい。歌をまとめて取り上げる作業は、連作を作るアイデアにもなるかもしれない。
八五.俊恵法師(しゅんえほうし)
夜もすがら もの思ふころは 明けやらで
閨のひまさへ つれなかりけり
(よもすがら ものおもうころは あけやらで
ねやのひまさえ つれなかりけり)
現代語訳
英訳
解釈
感想
離婚する前、離婚してしばらくは、こういう気持ちも強かった。でも、閨の暇を埋めたら、埋めたで、別の労苦が待っているのよね、人生…。
八六.西行法師(さいぎょうほうし)
嘆けとて 月やはものを 思はする
かこち顔なる わが涙かな
(なげけとて つきやわものを おもわする
かこちがおなる わがなみだかな)
現代語訳
英訳
解釈
感想
死ぬときは、西行の「願はくは花の下にて春死なむ その望月の如月のころ」を書きつけようと思っていた。中学の時、自分の座ってた椅子の裏に彫刻刀で、彫りつけた。あの椅子はどうなったろう。
※引用図書の紹介
『百人一首がよくわかる』
国語の教科書にあるような、文法的に正しい訳ではなく、短歌の長さ程度の軽妙な日本語訳と、短い解説書。
『英語で読む百人一首』
百人一首の英訳。古語や現代語訳より、歌の情景が浮かぶものも多い。
『百人一首 (平凡社カラー新書)』
馬場あき子先生の著作。ただし、教養としての解説であって、歌の解釈は短め。
いい歌を詠むため、歌の肥やしにいたします。 「スキ」「フォロー」「サポート」時のお礼メッセージでも一部、歌を詠んでいます。