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キャリアのピークを意識したあなた!『人生後半の戦略書』を読もう

40-50代に訪れる能力やキャリアの落ち込みに対して、第二のキャリアに移らないと人生の幸福感が激落ちするよ! 大変だよ!! というメッセージを届けてくれる本『人生後半の戦略書』を読んだ。

成功した人に向けたメッセージのようだが、実際には、誰にでも必要となる第二のキャリアのこと、活用すべきスキル、第二のキャリアに移るために世俗的な欲望から離れること、欲望から離れるための考え方、などが書かれている。

個人的には、納得できていないことも書いてある。現在、私は48歳。5年くらい前に、システムエンジニアの仕事を離れ、マーケティング活動の一環で、記事を作る仕事に変わった(他に、イベントの企画・運営、マーケティング戦略にも絡む)。確かに、能力の変化はあるし、得意な領域の変化はあるが、それがクリエイティブな仕事をできなくなるということではないよね? と、感じること。あとは、個人として、まだ、金銭や名声や立場を求める気持ちが離れてないから、最終的に、次のフェーズに移る覚悟ができていないところではある。

後半、宗教的な活動について書かれた章があって、それも現在の私には遠い話なので、その辺をよきように取り除いて、今の自分に参考になる箇所だけ抜粋した読書メモを置いておく。
(一部を抜粋して、Amazonレビューにアップしています)

ピークは必ずやってくる

職業のピークは、現代社会では、高齢化してきている。最先端の仕事をするのに必要な知識量が増大したせい。それでも科学者で47歳、物理学者だと50歳に実績のピークが訪れるとされている。10億ドル以上の出資を受けた起業家の創業年齢:20歳~34歳だ。クリエイティブな職種のピークは、仕事を経験し出して20年目に訪れる。

例えば、能力の落ち込み例として、ながら作業ができなくなる。記憶から引き出すことが遅くなる。いろんな落ち込みの結果として、30代後半から50歳代前半に来るキャリアの落ち込みは必ず来る。だから、新しいキャリアへの向き合い方が必要というのが本の最初の主張。

そして、50-70代に大きな幸福感を得た人は、例外なくキャリアチェンジした人。

成功や欲望への執着と向き合う

キャリアを考える時、邪魔になるのが、成功や欲望への執着。

過去の成功の大きさと、成功への執着が人を不幸にする。大きな成功をしてない人からすると、成功したんだからいいじゃん、と思ってしまうが、人は、昔の栄光を楽しむだけで生活できるようにはできていない。同じような、それ以上の成功を望む(スキルが落ちていくのに)。まず、同じ路線上に、大きな成功は落ちていないので、成功に固執しない。求める先が違うので、金銭的には、第一のキャリアほどは見返りがないが、そこを目指しても幸福感は得られない。

※第二のキャリアへの乗り換えを阻害するもの

・仕事と成功への依存心
・世俗的な見返りへの執着
・落ち込みに対する恐怖

欲しいものを求め続けるのは依存症とも言える。そして、社会的な立場で誰かと比較することは、自分の自己肯定感を下げるだけ。人は損失回避してしまう(最初から持たない、手放しておいたほうが楽?)。不満という病から抜け出さなければ、世俗的な見返りを追い求め続けることになる。

キャリアに見返りを求めるなら、達成するたびに、次の見返りが欲しくなる。新たな仕事についたこと自体が見返り。それ以上を求めない。

衝動があるのだから衝動に従えば幸福になれるはずと考えるかもしれない。これは母なる自然にもてあそばれてるだけ。母なる自然は、あなたの幸不幸まで考えていない。


・自分だけの人生の目的を見つける

執着・欲望と向き合う質問

・死ぬまで足し算を続けることが幸福な人生を手に入れる方法だろうか?
・満足=欲しいものを手に入れること?
・失敗=持っていることが減ること?

どんなスキルを活かすのか?

現在の自分を作った仕事を続けていても未来はない。新しいスキルを身に付ける必要がある。

・若い人より得意じゃスキル習得もある。外国語の習得
・他人のアイデアを解釈すること。本人よりもわかりやすく説明ができる

人には2つの知能がある。
・流動性知能:推論、柔軟な思考、目新しい問題の解決力
・結晶性知能:過去に蓄えた知識を活用する

流動性知能は低下するが、結晶性知能は強まっている。

例:革新中心→指導中心にキャリアを変える。

古代ローマのキケロがいう年を取ってからの生き方
①奉仕に専念
②強みは知恵。学習と思考から生まれた世界観で、他者を幸福にする
③相談を受けること

重要なのは人間関係

・年をとってからの幸福感に大きく関与するのは、健康よりも人間関係
・親友、パートナーとの関係を大事にする(仕事上のつながりだけのゴルフ友だちでなく)
・主従関係ではなく、相互関係。相手の欲しいものを理解して渡す
・大切な人に手に入れてもらいたいものを書き出す。本の例では、息子に対して、「誠実、思いやり、信頼」。では、自分はそれらに投資できているか?

⇒友人と食事する際、くだらない話をしていた食事から、生きる目的(重要なこと)なんかを話すようにする。それで離れていく人もいるけれど、それをすることで有意義なつながりができる。

人間関係を作るために、弱さをさらけ出す

・弱さを見せるとつけこまれると思っていないか? 弱さをさらして付き合える相手を見つける
・弱さをさらけ出したから、ある出会いもある(不遇な生まれや環境、をさらして勇気づけられたという人も出て来る)
・看護師が自己開示して患者が治療に積極的になる。リーダーが弱みを見せて信頼を得る

第二のキャリアは新たなチャンス

・チャンス(引き潮)を目の前にしてしてはいけないこと:釣り糸を垂らさないこと
・喪失やネガティブな出来事を通じて人は成長する
・過去の重大な出来事は、発生当時望まれなかったとしても、時間が経てば、全体としてプラスに評価される
・人生の意義を見だすには、一時的に不幸になるような、苦労の多いつらい体験が必要

モダン・エルダー・アカデミー(MEA)の質問

人生の次の段階で……

続ける活動は何?
進化させやり方を変える活動は?
やめる活動は?
新しく学ぶ活動は?

次の段階を始めるために……

新しい自分に進化するために、来週何をする?
来月何をする?
6か月以内に何をする?
1年後、それらの行動の結果として現れる最初の成果は何?

・自由になるには崖下に「飛ぶ」しかない
・考えないで飛べ!

感想

現時点で欲得から離れられていないけれど、そこに執着を見せることが不幸になるかもしれないということは、今、これを書いている時点で、すごく身に沁みている。今までの人生より、「深い人間関係を大事にすべきこと」「苦しい出来事を受け入れることが人生」ということも、まさに今、苦しい時期を迎えていて、すごくわかる(頭ではわかっている…)。本当は、投げ出して、全部捨ててしまいたいという衝動を感じつつも…。まさに、今、人生が引き潮で、ここに釣り糸を垂らせば、入れ食いになることが釣り人にはわかっている。そんな時期が到来しているのかもしれない。今、釣り糸を垂らさなくていつ垂らす? ちょうどいい時期に読んだのかもしれない。

いい歌を詠むため、歌の肥やしにいたします。 「スキ」「フォロー」「サポート」時のお礼メッセージでも一部、歌を詠んでいます。