見出し画像

クリエイティブになるための読書(17週目)

今週は、目に留まる作品に多く出会えた。仕事も、作歌もはかどらない週だったけど、それだけはよかった。


クリエイティブになるための読書「毎日、物語1つ、詩を1つ、論考を1つ」を継続中。基本は平日のみ。はじめた頃は、無料の青空文庫と、読み放題のKindle Unlimitedから選んでいたが、最近は、もっぱら図書館で借りている。返却日が近づいてきたら、ググって調べた短編小説、短編作家、評論家を図書館の図書検索に入れて該当があれば予約する。詩/評論/物語のカテゴリでそれぞれ2作品あるいは3作品を予約する。その他、図書館にめぼしい本があれば、予約した本と合わせて借りている。

当日、読む作品を選んでから読み終わるまで30分弱。最短で10分、最長でも1時間弱。毎日続けることなので、できるだけ時間はかけない。

感想

ルイス・キャロルの詩に見られる(同じセリフを言った後に)「二度言った」、「一週は一応七日と見なしておく」といった表現がおもしろい。奇妙奇天烈な世界のようでいて、「あなたの知る世界ですよ」ということを教えてくれる表現。結果として、奇天烈な事象に対して余計に困惑してしまうあの感じ。この手法(当たり前すぎるルールと奇妙なことを並べて書く)は、どこかで使おう。

前にも図書館で借りて、少し読んだ最果タヒさんの詩。ようやく少し気になる詩に出会えた。図書館に返す前に、また気になる作品に出会えたらいいな。心に留まるのは、読む時の気分にもよるので、ただただ、いい出会いがありますように、と祈るばかり。もともとずっと前に、テレビか何かで見かけて気になっていた人なので、タヒさん自体が合わないということはないと思う。

評論

以前から読もう読もうと思って近くにあった「ガンとたたかった十年間 死を見つめる心」を読み始めた。以前、自殺予防に関わろうと思った時から、あまり他の人は考えない、死生観という観点が頭から去らなかった。死に向かう心の持ちようと、希死念慮の関係を掘り下げたくて、ずいぶん前から手元にある。自殺予防の話は抜きにして、加齢や周りの人の大病の話から、身近な話となった「死」について知りたくなって、興味深く読んでいる。自殺予防については、先週から『「死にたい」に現場で向き合う』も読んでいる。一度、自分が取り組めそうな場所を見失ったので、改めて、自殺予防ということに対して自分ができそうな場所を探しているところ。

写真への関心をもっと自分に引き寄せたくて、アラーキーの「すべての女は美しい」を借りてきた。風景よりも関心の強い、女性のことから入ろうと思ったのだけれど… 写真の関心は掻き立てられないようだ。ただ、感情と表現と対象物の関係について、写真家の一人の考え方というものは感じている。

物語

先週から読んでいた眉村卓さんの短編がいい。今後、短編を書いたりすることがあるだろうと思うが、その練習にnoteに少し物語調のものを増やそうかと考えていた。「照りかげりの旅」という短編がその参考にちょうどよかった。今週借りてきた、村上春樹訳のレイモンド・カーヴァーと、サキ短編集は、普通に現代の作品として楽しい。「学生の妻」がよかった。居間にいて、時を過ごす感じが、夜中に時を過ごす感じをよく表現していた。来週も楽しむ予定。

実績

太字は、特に気になったもの、気に入ったもの

2023/7/10(月)
・【詩】テルモピュライなるスパルタ人の墓銘に/テルモピュライなる碑銘に/ペルシア戦役の死者に(ギリシャ・ラテン詩)名詩集(筑摩世界文学大系)
・【評論】わが生死観(「死を見つめる心」)岸本英夫
・【物語】照りかげりの旅(「眉村卓コレクション異世界篇」)眉村卓

2023/7/11(火)
・【詩】スナーク狩り 第一章 上陸/第二章 ベルマンの演説(ルイス・キャロル)名詩集(筑摩世界文学大系)
・【評論】緩和ケアの現場から 新城拓也(「死にたい」に現場で向き合う)松本俊彦
・【物語】紙入れ/羽衣の松(「志ん生艶ばなし」)古今亭志ん生

2023/7/12(水)
・【詩】果物ナイフの詩/座礁船の詩/恋人たち/決壊(「恋人たちはせーので光る」)最果タヒ
・【評論】いい女は“天女”である(「すべての女は美しい」)荒木経惟
・【物語】二十日鼠(サキ短編集(中村能三 訳)

2023/7/13(木)
・【詩】神よ、願わくば読者が~/読者よ、この作品の始めに~/マルドロールが、幸福に~(マルドロールの歌)ロートレアモン「世界名詩集15」
・【評論】カントの諸概念(「自然・コレージュ・ド・フランス講義ノート」)M.メルロ=ポンティ
・【物語】でぶ/隣人(「頼むから静かにしてくれⅠ」) レイモンド・カーヴァー(村上春樹訳)

2023/7/14(金)
・【詩】ハルレム/石工(夜のガスパール幻想詩)ベルトラン「世界名詩集15」
・【評論】いい女の“フェロモン”(「すべての女は美しい」)荒木経惟
・【物語】平和的玩具(サキ短編集(中村能三 訳)

2023/7/15(土)※次の月曜が休みのため、予定のない土曜の朝に。
・【詩】果物の詩/7月/氷河期/嵐山の詩/0時の水(「恋人たちはせーので光る」)最果タヒ
・【評論】別れのとき(「死を見つめる心」)岸本英夫
・【物語】学生の妻(「頼むから静かにしてくれⅠ」)レイモンド・カーヴァー(村上春樹訳)

これまで読んだリスト

(誰かが同じことをする時、本を選ぶ参考にどうぞ)


いい歌を詠むため、歌の肥やしにいたします。 「スキ」「フォロー」「サポート」時のお礼メッセージでも一部、歌を詠んでいます。