『シン・ゴジラ』の台本から盛り上がるシーンを分析する
ちょっと未来。ちょっとした動画を作成するために、台本を作る練習をしたいと思っている。着手しやすさから考えると、盛り上げたい見せ場が先にあって、そこから逆算するほうが作りやすそうな気がする。まずは、ピークにしたいシーンをどんな風に台本に表現すればよいか、調べるところから始めたい。
『シン・ゴジラ』
息子ともども、ゴジラが推しの私としては、ゴジラの盛り上げシーンをまず参考にしたい。幸い『シン・ゴジラ』の台本が手元にある。『ジ・アート・オブ・シン・ゴジラ』の付録についていた台本で確認してみる。
【ゴジラ登場シーン】
ゴジラで盛り上がるシーンで言えば、絶対に登場シーンだろう。
『シン・ゴジラ』では、鎌倉に再上陸した、成体のゴジラが初登場するシーンで、『伊福部昭 SF交響ファンタジー第1番 』とともに始まる。
【ヤシオリ作戦開始】
また、ゴジラの後半の盛り上がりは、一度活動を停止したゴジラが再度、活動を開始するのに合わせた作戦「ヤシオリ作戦」のスタートだろう。宇宙大戦争マーチが血を滾らせる!
盛り上がるシーンの作り方
盛り上がるシーンだけ見ると、完成イメージは監督の頭にあるけれど、台本上、文字だけでは、完成した『シン・ゴジラ』までイメージできない。カメラアングルの指定もない。でも、キャラクター(ゴジラ)の様子は、文字でも理解できる程度には書いてある。
(うごめく長大な尻尾。発熱状態が落ち着いたのか、体表から湧き上がる水蒸気がほぼ消えている。/足元から全身が巨大な爆発炎に包まれていくゴジラ。目覚めるゴジラ、咆哮を上げる。)
音楽のスタートは明確。
やっぱり、盛り上がるシーンは、そのシーンに至るまでに、どうやって観客の気持ちをかき立てられるかだろう。ゴジラの登場で言えば、「もう出るか?」「そろそろか?」という期待を煽る必要がある。『シン・ゴジラ』では、ゴジラが成体で再登場する前、官僚たちによるさまざまな対策案の検討があって、もうこれ以上手の尽くしようがない、という悲壮感を伴う静かなシーンを挟んで、(つ、ついに来たー)という流れになっている。
ヤシオリ作戦前には、主人公の政治家、矢口の悲壮な決意、自衛隊の準備と覚悟を描いて、より、ヤシオリ作戦のスタート時とのギャップがある。
盛り上がるシーンの前には、必ず、静かなシーンを置いている。
さらにその前には、日本国民の動揺や各国、国内の準備シーンで、ある程度、ワクワク感を持ってきている。
小さいテンションの上げ下げから、大きな上げ下げまで、段々と振幅を大きくしながら、ピークに持ってきている。
盛り上げたいシーン、その前の静かなシーン、このギャップを大きく作る。そして、その振幅がある程度、受け入れられるように、その前に、もうちょっと小さい振幅を作る。
まずは、その辺を意識して書いてみようと思う。
いい歌を詠むため、歌の肥やしにいたします。 「スキ」「フォロー」「サポート」時のお礼メッセージでも一部、歌を詠んでいます。