クリエイティブになるための読書(18週目)

主に、平日の晩に実施しているこの読書。晩に読めない時は、朝、始業前に読んだり、昼休みに読んだりもしているが、18週目にしてはじめて、寝落ちして着手できないことがあった。正直、小説を読みながら寝落ちして、起きて続きを読むことはあったけど、何を読むかも決めないうちに、寝落ちしたのは初めてだった。何とか続けたいので、連続して寝落ちして、習慣から外れないように気をつけたい。


クリエイティブになるための読書「毎日、物語1つ、詩を1つ、論考を1つ」を継続中。基本は平日のみ。はじめた頃は、無料の青空文庫と、読み放題のKindle Unlimitedから選んでいたが、最近は、もっぱら図書館で借りている。返却日が近づいてきたら、ググって調べた短編小説、短編作家、評論家を図書館の図書検索に入れて該当があれば予約する。詩/評論/物語のカテゴリでそれぞれ2作品あるいは3作品を予約する。その他、図書館にめぼしい本があれば、予約した本と合わせて借りている。

当日、読む作品を選んでから読み終わるまで30分弱。最短で10分、最長でも1時間弱。毎日続けることなので、できるだけ時間はかけない。

感想

漢詩はかっこいい。ほんとかっこいい。漢詩漢文の素養がある人が周りにいたわけではないけど、中学生の時から、漢詩を書き下した日本語の詩がとても好きだ。好きすぎて、こればかり入れてもよくないので、ほどほどにしておく。

波は撼がす岳陽城(なみはゆるがすがくようじょう)
孟浩然

八月 湖水平(こすいたい)らかに、
虚を涵(ひた)して太清(たいせい)に混(こん)ず。
気(き)は蒸(む)す 雲夢の沢(うんぼうのたく)、
波は撼がす 岳陽城。
済(わた)らんと欲するも舟楫無(しゅうしゅうな)く、
端居して聖明に恥ず。
坐(そぞ)ろに釣りを垂るる者を観て、
徒(いたず)らに魚(うお)を羨(うらや)むの情(じょう)有り。

大人の国語力がつく漢詩一〇〇選(角川SSC新書)

『アイヌ神謡集』がおもしろい。詩の括りにしてるけど、超短い物語でもある。世界観だけじゃなく、話の展開もおもしろい。同じように狩りや漁で採る動物なのに、動物によって人間との関係性が違う。おもしろい。

最近、アイヌに興味を持ちだしたのはやっぱりこれだろう。2022年連載終了に合わせて、無料で読めるキャンペーンがあった時に一気に読んだ。

引き続き、最果タヒさんの詩にも触れているところ。また何週かしたら借りてくるだろうと思う。

評論

アラーキーの『すべての女は美しい』。今読むとだいぶ炎上しそうな文章が多いけど、それでも被写体との恋愛関係って見方をすると、恋愛関係としてみると言わんとすることがわかることがある。恋愛関係という関係性だから、こういう女性がかわいい、って言われると、あぁそりゃそうだ、とも思う。写真について、あまり参考にならないなーと思いつつ、最後まで読んでしまったのは、クリエイティブな仕事をする人の自分論だったから。同じ主張を言葉を変えて何度も言ってるので、だいたいこの時(2000年頃)、アラーキーが考えていたことがわかったような気がした。最終章では、女性だけでなく、街の写真の話なんかもあった。東京を写す時、クールな街の写真を撮りたい人には、動くもの(ネコ)が入らない。ネコがファインダーに入ってきたらシャッターを切れない。でも、アラーキーは、動きがあったほうが体温があると考える。電車の中、赤ちゃんの素足のかわいらしさがいい、という話も興味深い。写真は、現実を切り取っているように見えるので、写真家本人がいいと思うものを写真家が選び取っていることを時々忘れそうになる。写真について考えたいのであれば、5章だけで読んでもいいかもしれない。

物語

先週から、村上春樹訳のレイモンド・カーヴァーと、サキ短編集(中村 能三訳)を読んでいる。これまで読むことが多かったショートショートのようなわかりやすいオチのついたものばかりじゃなく、長いストーリーを短く編集したようなもの、映画の予告のようなもの、短いだけの普通の物語もある。レイ・ブラッドベリが毎日読んだほうがいい短編というのは、こういうものを指してるんだろうと思う。シーンの描写、一文で不穏さを感じさせる表現などが転がっていた。一日の満足度をこれだけですごく上げてくれる。でも、1,000日間、この読書を続けるとすれば、先は長いし、バリエーションも欲しいので、ショートショートも楽しむし、先々週のように落語の噺も入れるだろう。

実績

太字は、特に気になったもの、気に入ったもの

2023/7/18(火)
・【詩】波は撼がす岳陽城(「大人の国語力がつく漢詩一〇〇選」)孟浩然
・【評論】いい女は“インテリジェンヌ”(「すべての女は美しい」)荒木経惟
・【物語】盲点(サキ短編集(中村能三 訳)

2023/7/19(水)
(寝落ちしました…、)

2023/7/20(木)
・【詩】小オキキリムイが自ら歌った謡「クツニサ クトンクトン」アイヌ神謡集
・【評論】私の心の宗教(「死を見つめる心」)岸本英夫
・【物語】人の考えつくこと(「頼むから静かにしてくれⅠ」)レイモンド・カーヴァー(村上春樹訳)

2023/7/21(金)
・【詩】誠実に女の子/人はうまれる/8月(「恋人たちはせーので光る」)最果タヒ
・【評論】いい女の“スウィート・スポット”(「すべての女は美しい」)荒木経惟
・【物語】60エーカー(「頼むから静かにしてくれⅠ」)レイモンド・カーヴァー(村上春樹訳)

2023/7/22(土)
・【詩】明るい街/関節の詩/バレンタインの詩(「恋人たちはせーので光る」)最果タヒ
・【評論】いい女は“センチメンタル”(「すべての女は美しい」)荒木経惟
・【物語】休養/マルメロの木 サキ短編集(中村能三 訳)

これまで読んだリスト

(誰かが同じことをする時、本を選ぶ参考にどうぞ)


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