百人一首復習ノート:現代語訳、英訳、解釈とその感想(九五、九六)
普段、現代語で短歌を詠んでいるのであって、文語に親しみたいわけでも、文語で短歌を詠みたいわけでもない。けど、永く日本人の体に染みついたリズムで、教養ある人が一度は親しんだ(無理やり覚えさせられた)歌に接することには、意味があることかもしれない。
教養としてではなく、自分の作歌の養分と作歌のテクニックという実利を期待して、いまさらながら百人一首を復習してみようと思う。情報は、手元にあった百人一首の本三冊から(『百人一首がよくわかる(橋本治)』『英語で読む百人一首(ピーター・J・マクミラン)』『百人一首 (平凡社カラー新書)(馬場 あき子)』)。
だいたい週一回、まとめている。一つのnoteには、2首ずつ取り上げる。2首ずつ取り上げる理由は、百人一首が、二人ずつのペアが50組あるという作りだから。どうせなら意味のあるペアの形でインプットしたい。歌をまとめて取り上げる作業は、連作を作るアイデアにもなるかもしれない。
九五.前大僧正慈円(さきのだいそうじょうじえん)
おほけなく うき世の民に おほふかな
わがたつ杣に すみぞめの袖
(おおけなく うきよのたみに おおうかな
わがたつそまに すみぞめのそで)
現代語訳
英訳
解釈
感想
こんな大層な宣言をするのは、当時でも、まして今では、はやらないだろう。でも、何かくだらないことを大仰に宣言するのは、あるかもしれない。俵万智さんあたりが詠んでそうな気がする(すぐ見つけられなかった…)
九六.入道前大乗大臣(にゅうどうさきのだいじょうだいじん)
花さそふ あらしの庭の 雪ならで
ふり行くものは わが身なりけり
(はなさそう あらしのにわの ゆきならで
ふりゆくものは わがみなりけり)
現代語訳
英訳
lured /lʊrd(米国英語)/ lureの過去形、または過去分詞。誘惑するもの、 魅惑、 魅力
strewn / ˈstrʊən(米国英語), stru:n(英国英語)/(…に)まき散らす、ばらまく、(…に)ばらまかれている
解釈
感想
降る雪を自分に例えるって、すごいな。古るにかけてるんだろうけど。何かひらがなにした時の動作がかぶるものがあれば、俺も、雨、風、雲、木、石、に例えてみようかな。もう使い古されてるだろうけど。詩を読むと今でも、そういう単語の持つイメージや、連想が生きている。
※引用図書の紹介
『百人一首がよくわかる』
国語の教科書にあるような、文法的に正しい訳ではなく、短歌の長さ程度の軽妙な日本語訳と、短い解説書。
『英語で読む百人一首』
百人一首の英訳。古語や現代語訳より、歌の情景が浮かぶものも多い。
『百人一首 (平凡社カラー新書)』
馬場あき子先生の著作。ただし、教養としての解説であって、歌の解釈は短め。
いい歌を詠むため、歌の肥やしにいたします。 「スキ」「フォロー」「サポート」時のお礼メッセージでも一部、歌を詠んでいます。