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短歌活動

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詠んだ歌、歌に関すること
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#toron

嘘なのか嘘じゃないのかわからない表現への戸惑い

toron*さんという方の短歌が好きだ。 自分の生活のはっきりした感触がないと短歌にできない自分とは違って、飛躍した想像や、こんなこと考える人がいるなら、人ってこうも感じそうだよね、という歌に驚かされる。 昨年の誕生日にもらった歌集『イマジナシオン』も大事に読んだ。 好きな歌もたくさんあった。 でも、一首だけ、受け止められない歌があった。その歌のせいで「なんだ全部嘘なのか」と思って一回、歌集を置いた。 たぶん評判もいいであろうこの歌だ。 システム開発の経験がある人な

『イマジナシオン』のPartⅣ,Ⅴで好きだった短歌

2022年12月の誕生日にもらった歌集『イマジナシオン』 一気に読むのがもったいなくて、少しずつ読む… はずだったが、つい読み終わってしまった。仕事する場所の近くにずっと置いていたのでしょうがない。 noteタイトルは、「Ⅳ,Ⅴで好きな歌」としているが、このnoteではⅣからは取っていない。Ⅳ章は、他の章とだいぶ雰囲気が違った。句またがりの歌、定型から外れたものもあって、さらに、誰目線かわからないものが多かった。最後に書いてあった山田航さんの解説を読むと、最初から連作とし

『イマジナシオン』のPartⅡ,Ⅲで好きだった短歌

2022年12月の誕生日にもらった歌集『イマジナシオン』 一気に読むのがもったいなくて、少しずつ読んでいる。Ⅰ~Ⅴにパートが分かれていて、Ⅱ、Ⅲまで読んだところ。気になった歌をちょっとメモ。 そう、こういう普段語らない死生観のようなことに、実は、人によってまちまちなことがある。死が土と結びついていれば、死は下降していくイメージだろうし、天に召されるものならば、上昇するものかもしれない。一緒に暮らしている相手、後に別れたであろう相手との違いの一つとして詠まれた歌。笑い、感動

『イマジナシオン』のPartⅠで好きだった短歌

2022年12月の誕生日にもらった歌集『イマジナシオン』 一気に読むのがもったいなくて、少しずつ読んでいる。Ⅰ~Ⅴにパートが分かれていて、今、PartⅠを読んだところだ。 気になった歌はいろいろあるけど、3つだけ書き留めておく。 いいなと思ったのは、たまねぎを切って目に染みた瞬間だけじゃなく、その前の出来事を想像してしまったことだ。泣こうと思ってたまねぎを買ったのかもしれないし、泣く理由がたまねぎを買う前にあったのだ。泣いている今、たまねぎを買った時、その前の出来事、と