見出し画像

はじめての「はじめてのトランスジェンダー」その18  Q26 子どもに不可逆的な治療を行うことは不適切ではないでしょうか

こんにちは。
はじめての「はじめてのトランスジェンダー」その18です。

はじめてのトランスジェンダーというサイトがありますね。

こちらのサイトはトランスジェンダーについて知りたいという人に紹介されることが多いサイトです。
しかし、このサイトには非常に多くの問題点が指摘されていて、トランスジェンダーについてはじめて学ぶ人に対して非常に不誠実な内容となっています。
それをなるべく丁寧に説明していきたいと思います。

今回は Q26 子どもに不可逆的な治療を行うことは不適切ではないでしょうか について見ていきます。


1.二次性徴抑制療法の可逆性は疑問が持たれている

質問への回答の全文を見てみます。

「Q26 子どもに不可逆的な治療を行うことは不適切ではないでしょうか

15歳未満の子どもの選択肢である二次性徴抑制療法は可逆的な治療です。二次性徴抑制療法は、望まない身体変化を一時的に止めることで性別違和を持つ子どもの希死念慮や自傷行為をおさえ、成人後の自殺リスクについても大幅に低下させる可能性があると指摘されています。部分的に不可逆的な要素を含む性ホルモン療法については、日本精神神経学会によるガイドラインでは、18歳未満の者に開始する場合には2年以上ジェンダークリニックで経過を観察し特に必要を認めたものに限定することが定められています。」

「二次性徴抑制療法は可逆的な治療です」と明言しています。
しかし、これについて反対の結果を示すデータが次々と明らかになっています。
こちらのニューヨークタイムズの記事をご覧ください。

The drugs suppress estrogen and testosterone, hormones that help develop the reproductive system but also affect the bones, the brain and other parts of the body.

この薬は、生殖器系の発達を助けるホルモンであるエストロゲンとテストステロンを抑制し、骨や脳などにも影響を与えます。
(deepL翻訳)

生涯にわたる骨密度の低下や生殖能力の喪失の可能性が指摘されているのです。
本来あったはずの成長期の身長の伸びが無くなるという説も見ました。
そして、医師や学術者が二次性徴抑制療法の不可逆性に警鐘を鳴らしているのです。

そういうデータがあることを隠して、
「二次性徴抑制療法は可逆的な治療です」というのはあまりに無責任ではないでしょうか?

子ども達が「はじめてのトランスジェンダー」の記述を信じて二次性徴抑制療法を受け、
その結果として発達上不可逆な結果が生じてしまった時、
サイト運営者は責任を取れるのでしょうか?

取れるはずがありません。
彼ら彼女らの「思春期ブロッカーを投与しない第二次成長期」は
二度と帰ってこないのです。


2.精神的健康を改善しないという研究結果の存在

サイト運営者は「性別違和を持つ子どもの希死念慮や自傷行為をおさえ、成人後の自殺リスクについても大幅に低下させる可能性がある」と、
性別違和のある子どもの精神的健康を大幅に改善する薬であるかのように語っています。

しかし、これについても反対の結果を示すデータが存在します。
下記のBBCの記事を見てみて下さい。

イギリスの公立ジェンダークリニックであるタビストッククリニックで蓄積されたデータに基づき行われた研究によると

The published study showed that treatment with the blocker brought about no change in psychological function.

「今回発表された研究では、ブロッカーによる治療が心理的機能に変化をもたらさないことが示されました。」
(deepl翻訳)

タビストックはイギリスのジェンダー医療の中心的なクリニックでもあり臨床データな十分な数でしょう。

(しかも、その研究結果をトランスをやめた人から訴えられた裁判の判決後に発表したというのですから、タチが悪いですね。)

記事を読むと他に「改善する」という研究も「悪化する」という研究もあるようです。
一方的に改善するような言い方は読み手に対して、正確な情報を提供していませんね。

スウェーデン保健福祉委員会は、リスクが利益を上回るとして思春期ブロッカーやホルモンの投与を抑制するよう医師に呼びかけを行っています。



3.ジェンダー医療はそんなに慎重に行なわれていない

「日本精神神経学会によるガイドラインでは、18歳未満の者に開始する場合には2年以上ジェンダークリニックで経過を観察し特に必要を認めたものに限定することが定められています。」
という文面を見ると、
ジェンダー医療は十分に慎重に行われているように見えます。
しかし実態を見るとそうでもないことが見えてきます。

先程の研究で登場したタビストックジェンダークリニックに関する記事を見てみましょう。

タビストックジェンダークリニックは
 "unquestioning affirmative approach"
("疑う余地のない肯定的なアプローチ ")
other healthcare issues they had, such as being neurodivergent, "can sometimes be overlooked"
(神経障害者であるなど、患者が抱えていた他の医療問題が "時に見過ごされることがある")
等の問題を指摘され、閉鎖されました。

本来は性同一性障害ではない可能性があるにも関わらず、
性別違和を肯定するような診断が行われていたというのです。

それがイギリスの公立ジェンダークリニックで行われていたのです。

タビストックだけではありません。

こちらはアメリカのミズーリ州にある
Washington University St. Louis Children's Hospital
(ワシントン大学セントルイス子ども病院)で働いていたケースマネージャーによる告発です。

I was certain that the way the American medical system is treating these patients is the opposite of the promise we make to “do no harm.”

「アメリカの医療システムがこれらの患者を治療している方法は、「害を及ぼさない」という私たちの約束とは正反対であると確信していました」(google翻訳)
と語っています。

公立病院や大学病院でさえこうなのですから、
一般の町中のジェンダークリニックが慎重な診断を実践しているはずもありません。
子どもではありませんが、下記は日本で性同一性障害の診断を受けた女性の体験を語ったものです。

こちらを見るとむしろ早く不可逆な胸オペを受けるよう促されている印象すらあります。

実際には慎重な診断は必ずしも行なわれておらず、
本人が自分の性別に違和感があると言えば、
治療に進むよう促されている実態があるのです。


4.まとめ

以上のことから以下のことがいえます。

・二次性徴抑制療法の可逆性については不可逆であるという研究結果が存在するのを隠している。
・精神的健康を改善しないという研究結果が存在するのを隠している。
・ジェンダー医療が慎重に行われているかのように語っているが、実態としては慎重に行われず社会問題となっている。

Q26については以上です。

目次はこちら
はじめての「はじめてのトランスジェンダー」目次|ヘイトを許さない一市民🐸人権を相対化する改憲に反対|note

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?