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おとおとの なんも言えねぇの話

仕事に対しての姿勢や情熱は人それぞれ。

どうもこんにちは。
部下にバレずに横着しながら店長をやる男。
おとおとです。

さて今週は、
巨大大手書店と巨大フードコートに挟まれ細々と営業しているちっちゃなうちのお店と
その隣でそれはそれはでっかく営業をしている大手本屋さんのお話。

ある日おとおとが出勤するとおとおとの顔が映画『MASK』でジム・キャリー演じる主人公がビックリした時のワンシーンのように口から骸骨が出てきてかつかつしだすほどびっくりした。

うちのお店の看板を遮るように「大長編ドラえもん 愛蔵版」の看板が鎮座していた。
僕らの店の前の通路はどのお店のスペースってのは決まっていないがうちの店が本屋の看板で隠れるとなっちゃこれは完全なマナー違反だ。
これは本屋に一言言ったらなきゃ。
藤本先生は草葉の陰で人の店(雇われ店長だけど)を妨害してまで大長編ドラえもんを宣伝してもらいたいだろうか。

しかし待て。
これはなにかの偶然が重なった結果、
本屋の店員さんが意図せずこういうことになってしまったのかもしれない。
だってほら、本屋の店員さんって悪い人いなそうじゃん。

と思い、今回は本屋にクレームを入れずにすこーし大長編ドラえもんを横にずらして平和的に解決させた。

しかし数日後。

またいつものようにおとおとが出勤すると
右側のオスのシーサーのように開いた口が塞がらなくなった。
僕の目の前にはあの大長編ドラえもんが前回よりうちの店の看板をしっかり隠し、その横には新たに『実写版 鋼の錬金術師』のパネルが置かれていた。

これはいかん。
いかんぞー!!
さすがに頭にきた。
俺をついに怒らせたな。
やられたらやり返す。
倍返しだ!!

今すぐ鋼の錬金術師パネルを真っ二つにしてレジの体重58kgくらいの細兄ちゃんに投げつけたろう。
これをやったらないとつい昨日まですれ違いざま爽やかに挨拶をしてくれる店員さんと明日から変わらず挨拶できない。
やられたらやり返す。
倍返..…
いや待て。
先程も書いたが僕は雇われの身。
一応、許可取りがサラリーマンのマナーだ。
いくら腹が立っていたとしても単独行動は会社に迷惑をかけるだけだ。
社長にLINE連絡した。

『社長。お疲れ様です。かくかくしかじかの為、本屋やっちゃっていいっすか。もう自分我慢の限界っす。』(注:実際にはもっと普通の書き方で送ってます)

問題となっている看板の写真と共にLINEを送るとものの1分で返信。

「だめだ。」

え??ウソでしょ!?

僕はすかさず

『なんですか!!こんな悪を野放しにしといたらダメでしょう!!やったりましょ!!自分鉄砲玉となって本屋に切り込んでいきますよ!!』(本当はもっと丁寧な言葉で送った。)

「おとおと君。おまえはお隣の本屋の運営会社がどこか知っているかね?」

『運営会社?ちょっと分からないです。そんなことより抗議の準備を!!!』

「本屋の運営会社はこのビルのオーナー会社の子会社だ。」

え............…。

「そして、さらにいま君が働いているテナントの契約更改は来年だ。なので今はいかなる摩擦も避けなくてはならない。」

『..........…』

「おとおとくん。テナントが契約更改できなかったら、君が今働いている店舗は閉店するぞ。口を慎みなさい。」

「は、はい..…も…う..…し.…わけ..…ございま....…せん。」

まるで半沢直樹に逆に倍返しだされてしまったライバル社員のようにゆっくり謝罪をしました。

いっその事、看板の大長編ドラえもんをうちの店舗で販売しようかしら。

以上。おとおとの「堺のつもりが香川だったの話」でした。
また来週。


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