あにの 子供の頃の勘違いの話
どうも。おとおと話していた、父作の柚子胡椒。うまいんですよこれ。
どうやって作っているのかは知りませんが、この柚子胡椒をちょっとご飯に載せて、そこに鰹節と醤油を少々振りかけるだけで、無限にご飯を食べることができる。まさに飯泥棒。
それだけに、どうしても許せないことがあります。
この冬の分、我が家はうちもらってないんですけど! なんでや!
週末、雪が積もっていなければ実家に柚子胡椒泥棒に向かおうと思います。さっそくキャッツカード投げ込んでおかないと。
さて、皆様、平日のお昼のテレビ番組といったらなんでしょう。そうですね。笑っていいともですね。
あに少年が幼少期のお昼ももちろん森田一義アワー笑っていいともでした。(その後に放送している小堺一機のいただきますも好きでした。いただきます劇場で、立ったまま布団をかけるように持ち上げて寝る演技をするところが大好きで、よく真似をしたものですが、今回はいいともの話です)
皆様、笑っていいともはもちろんご存知ですよね。
お笑いBIG3(最近この呼び方聞かないですね)の一角、森田一義ことタモリが総合司会を務め、1982年の放送開始から2014年の最終回まで31年半、平日お昼の顔を勤め上げた、同一司会者により最も多く放送された生バラエティー番組としてギネス記録にも認定された(ウィキペディアより)おばけ番組です。もう終わってから9年も経つんですね。しみじみ。
物心ついた頃からお昼はいいとも。小学校に上がってからも風邪で休んだりするとお昼はいいとも。日曜は増刊号。ついでに言えば浪人時代や大学生時代授業が午後しかない時なんかも決まっていいともでした。
小学生時代、先生の機嫌が良かったのか、給食の時間にテレビを付けてみようということになった時、いいとも派と昼時日本列島派に分かれたのはいい思い出です。渋い小学生がいたもんだな。
番組後半のアイドルやタレントがクイズやゲームに挑戦するコーナーも楽しいのですが、やはり、いいともの最大の特徴といえばといえばテレフォンショッキングでしょう。
今更説明する必要はないかとは思いますが、毎日芸能人が日替わりでゲストとして出演し、タモさんとトーク。終わったら友達にいきなり電話を掛けて翌日のオファーをとり、翌日はその友人がまた次の友人に……という、芸能人の友達を数珠つなぎにするという企画。よくこんなコーナーが30年以上も続いたなぁと思います。
でも、あに少年はこのコーナーがあまり好きではありませんでした。
今でも芸能人とかタレントに疎いあにですが、幼少時もそれは変わらずでした。なのでたまに他の番組で見るようなアイドルが出てきたりすれば嬉しいのですが、基本的には知らないおじさん(俳優?)とかおねーさん(歌手?)が出演するこのコーナー。親戚のおじさんたちが話しているのを聞いているのと同じような気持ちで、未就学児のハートを全然つかんでくれません。
それよりなにより、あに少年には一つ不安がありました。
「ボクがあそこに呼ばれたら、何を話せばいいんだろう。ちゃんとお話することはできるのだろうか……!」
小学校に上る前のあに少年にとって世界は、父と母とおとおとと、じいちゃんとばあちゃんと、すこしの友達とその家族、あとは少々の街ですれ違う人やお店の人だけで構成されていました。
そしていいともは毎日放送。毎週5人ずつ日替わりで友達の輪がひろがっていくということ。これは、いつかは自分の番がきてしまう……!
しかし幼いながらも賢いあに少年はここで気が付きます。
いいとものゲストはほとんどが大人です。そして次の電話をかけるのは、その人の友達であるということ。
つまり子どもの友達しかいないあに少年に電話がかかってくる可能性は極めて低いということに。
いや、まてよ
万が一母に電話がかかってきて出演することになった場合……
次の人として、息子である自分を選ぶということは考えられまいか!
母はあに少年のことをいつもかっこよくて賢いと言っています。
つまり、テレビに出る資格は十分!!
あに少年、生まれて以来の大のピンチです!(生後数年)
ガチで友達に連絡を入れて次の日の出演オファーを取るというこのシステムがある以上、母に出演依頼が来る可能性は極めて高い。しかもこれまでの観測では、電話がかかってきて断った人はいない(実際は何人かいるとかいないとか)。しかも父は家を開けがちなので(長期出張のたびにあに少年に顔を忘れられる)母が出演中、家にはあに少年と幼いおとおとの二人しか残されていないわけで。電話がかかってきたらボクが電話を取らなくてはならない。つまり電話がきた時点でアウト!
しかし幼いながらも賢いあに少年は考えました(2回目)。
予め出演NGを伝えておくことで、あに少年には出演の意思がないことを伝えておけば、母が家の電話に出演依頼の電話を掛けてくることはないのではなかろうか!
もちろん次の出演者に突然電話をしてアポを取るというガチシステムで運営されているコーナーにおいて、予め自分が出演を断るということ自体がすでに明確なルール違反であることは間違いありません。
しかし、背に腹は変えられません。だってテレビに出て、タモさんとちゃんと受け答えできなかったら、ご近所友達のフーちゃんやサッちゃんに笑われてしまいますから!
決心を決めたあに少年は、さっそく台所仕事をしている母のところへ赴きます。
「おかーしゃん……お願いがあります………」
「あにくん? ……どうしたの?」
息子のただならぬ決意を秘めた顔に気がついたのでしょう。母の目にはいつにない真剣さが伺えます。
「あのね……あにね、お願いがあるの。もしね、おかーしゃんがいいともに出てもね……あににはね、電話しないでほしいの………!」
「ああ、ないない」
あに少年の決意、たった6文字の返事で終了しました。
その後、祖母の友達の息子がテレフォンショッキングに出演したり、後半のコーナーにその奥様が出演することはありましたが、もちろん祖母にオファーが来るはずもなく、あにに出演依頼がくることもないまま2014年3月31日、森田一義アワー笑っていいともは31年半の歴史に幕を閉じました。
あには未だに人前で話をするのが苦手です。
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