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おとおとの ライブをやった話

おいお前たち。
うちのお兄ちゃんの投稿にスキがつかないもんだからおとおとの投稿の時間が悪かったって言いがかり付けられているんだぞ!!
あたしのことは嫌いでもお兄ちゃんの投稿にはスキをつけてあげてください(古い)

さて今週はライブに行った話に引き続き、ライブをやった話。
スキが付かない話だけど懲りずにライブの話です。
いつだかに話したかもですがおとおとは音楽好きが高じて高校を卒業した後、楽器もなにもほぼできないのに音楽の専門学校に入学しました。
そこで2年間ちゃらんぽらんとミュージシャンの卵に混ざって学生生活を送ったもんだからお友達がみんな楽器弾き。
だもんで30歳を過ぎたあたりのいつもの仲間の飲み会で「草バンドやろうぜ」となる。

何年かに1回はそんな話が出ては消え、消えては出てをしていたけどどうやら三十路という節目が彼らを本気にさせているみたいだ。
凄いね。三十路。
まあやりたいならやりゃいいじゃん。

ぼく?

いやぼくは大学生のカップルみたいに卒業とともに解散しましたし、ラストライブでしっかりラッソンフォユーが流れる中、フェンダー社の黒いおにぎりピックを地面にそっと置いたのでさらさらやる気はなし。

スタジオにも楽器を持っていかず缶ビールを6本買ってみんなの演奏を肴に酒盛りをしていました。

しかし三十路というのは厄介なものでコピ曲をみんなで合わせたら当時の熱が戻ってきたのか、ある時友達のひとりが曲を作ってくると言いだしました。
曲なんてそんな簡単にできるもんじゃないし当然オイラも作れない。
しかしそこは音楽専門学校卒。
優秀な生徒はパパパッと作って持ってきてしまう。
スタジオでそれをみんなで合わせた日にゃ手応えを感じてしまい、その先はライブをやろうぜとなる。
三十路とは実に行動力があるのだろう。

ちょっと楽しそうだけどおとおとは卒業時に「普通のハタチに戻ります」という名言を吐いて惜しまれつつも引退しちゃったしなぁ。

よし。んじゃあおとおとはオープニングのMC(前説)をやろう。
みんな楽しくバンドをやりなさい。
火のついた友達連中は着々と準備を進めていきます。
おとおとはその練習にもしっかり毎回ビールを飲みながら参加していた。

すると本番数日前になってお友達のひとりが
「おとちゃんもせっかくだから1曲くらい弾けば?」
と言ってきた。
だーかーらおとおとはアンコールで「まだまだ伝説になんかなんねーぞ」の名言とともにON MY BEATで解散してるから.…
と言いつつも押しに負けて1曲弾くことに。

実家の棚からベースを引っ張り出して練習する。
あら意外と弾けるもんだ。
こんな感じなら本番当日のリハーサルまでみんなと合わせられないけど家で完璧だからいけるだろう。

おとおとは30分くらいで練習したらもう完璧とやめてしまった。
さて本番どうなったでしょう。

安請け合いなんてするもんじゃないね.…

おとおとはしっかり頭が真っ白になって、客席をみながらたっているだけの人になる。
全く指が動かないの。

あれ?この曲のここってどうやって弾くんだっけ?

あれ?そもそもベースってどうやって弾くんだっけ?

あれ?というかボクは今なんでここにたっているんだっけ?

あれ?ボクって誰だったけ?

あれ?あれ?


あれ?隣に誰かいるよ?

あれ?ボクこの人知ってるよ?

あれ?友達の高井くんだよ?

あれ?高井くんなにかを弾きながらこっちを見ているよ?

あれ?こわーいこわーい顔をしてこっちを見ているよ?

あれ?…

ボク.…いま.…ライブ中だぁぁぁぁ!!!

ぱっと我に返るとギター&作詞作曲の高井くんが鬼みたいな顔でこっちみている。
舞台袖で見てるPAアシスタントさんは僕のベースから音が出ていないの機材トラブルなのかと思ってアンプをちょこちょこいじり始めている。

当の本人は、自分に向かって光るスポットライトで全ての景色が飛び、お客さんも見えなくなってモンゴルの大草原でひとりで突っ立っている羊飼い状態になっていた。
結局その1曲は変な感じなりつつもドラムとギターとボーカルがしっかりやってくれたのでそれなりに曲にはなってたみたい。
ベース改め、睨み担当の僕もしっかり客席に睨みをきかせ事なきを得た(得たのか?)

それ以来僕は、ベースが入ったハードケースを1度も開けられていないんだ。

以上。おとおとの幽霊が出てこないすごい怖い話でした。
また来週。

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