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#続・学習者起点 忘却する「わかった」を防げ

忘却する「わかった」

 多くの教師は、生徒にとって「わかる授業」を進めるために教材研究をしているだろう。
 授業中の「なるほど」「わかった」などの生徒の反応、「○○についてよくわかった」などの生徒のワークシートなどの文章で、日々の生徒の理解度を測っているのではないだろうか。
 しかし、授業後に日数が経ち、「わかった」知識を活用する授業やテストになると、授業中の「なるほど」「わかった」という、あの瞬間は、過去のものとなり、活用ができない、テストで期待する点がとれないことが多々ある。
 これを、忘却曲線を例に、自宅での家庭学習をしっかりと取り組んでいないからと原因を忘却に押し込めてる場合があるのではないだろうか。

 そもそも、あの授業中の「なるほど」「わかった」の生徒の反応。生徒は本当の意味で「わかった」のだろうか。

理解するとは何か

「わかる授業」をどのような視点で教師は測ったらよいのだろうか。
ここで、「理解の6側面」(著書:G. WigginsとJ. McTighe)を参考にすると

 「理解の6側面」のうち初等中等教育で活用ができる、以下の1側面を中学校で、授業実践をした。

(1)論理的に説明できること
   (a)原因との関係性(Why So?)
   (b)結果との関係性(So What?)
   (c)方法との関係性(How?)
   などある。以下、実践で(b)に取り組む。

So What?だから何?

 ここから、授業実践の記録である。中学1年生「力のつあり合いの条件」を実験によって見つける授業において、綱引きをしているイラスト(授業では実際の映像)を提示し、力がはたらいているのに綱が静止している状態を「力のつり合い」のといい、その条件を理科の視点で見つける学習課題に取り組んだ。

illustAC

 (1)論理的な予想

 力の3要素を既習事項として引き合いに、つり合いの条件を文章で表現する。(細かい点を言えば作用点を取り上げることで、解りづらくしている)

@NoguLabo

 本当は、ここから実験に進む予定だったが、発表をさせると表の上段の各班の記述で作用点など論理的に説明できていない。
 このまま実験をしても、しっかりとした予想となっていないので、実験の意味合いが薄れると感じ、方向転換をした。

illustAC

 (2)So What?論理的に

 言葉で予想したことをモデルで表現する。下記の画像は、言葉とモデルをいったりきたりしながら、最終的に生徒が仕上げたものである。グループで対話をし、思考しながら進めた。

@NoguLabo

 (3)言葉とモデル

 言葉をモデルで表す。モデルを言葉で表す。いったりきたりする活動で論理的な予想にたどりつけた。

自分のものする「わかった」へ

 学習者起点の学びで、生徒の理解を促すためには、論理的な説明の活動が大切である。その活動方法として、言葉モデルいったりきたりし、自分なりに論理性を持たせる活動が有効な手段のひつである。

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