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データ活用のために勉強した本_2021

一昨年も去年も書いてみた、この1年で読んだ本の紹介シリーズ3回目。
今年は読書以外のインプットをいろいろしていたので少なめですが、よければ見ていってください。

1. アフターコロナのマーケティング戦略 最重要ポイント40

もう1年くらい前になるのでどんな内容かうろ覚えだったけど、Kindleに残しておいたハイライトを眺めてみたら、毎日のように仕事やセミナーで唱えている言葉が満載だった。名著。
最重要ポイント40となっているだけあり、マーケティングの中の広い範囲に言及が及んでいる。個人的にはデータ、つまり市場や消費者の変化の捉え方がけっこう刺さっていて、データは点より線、線より面、そして立体で捉えていくことで、物事が解像度高く見えてくるし、予想がつくので備えられる、ということの重要性は強く推していきたい。


2. STARTUP―アイデアから利益を生みだす組織マネジメント

結論、小説でした。ある男の人が立ち上げたスタートアップで失敗してから立て直しを図るまでの物語。微妙に示唆的な内容はあるものの、小説部分が正直冗長で頭に入ってこない。not for me.


3. 人は悪魔に熱狂する 悪と欲望の行動経済学

JX通信社の松本さんの著書。今年は行動経済学を学ぶぞ、と勢い込んで入門書的な期待を込めて購入。自分は行動経済学自体はよくわからなかったが、マーケティングにおける事例とともに、それがなぜ流行ったのか、行動経済学観点で解説してくれるため納得度高い。
後半はギャンブラーの誤謬、同調バイアスなどよく聞く単語と事例解説もしてくれるので、普通に基礎知識としてみんな読むと良い。


4. キャズム Ver.2 増補改訂版 新商品をブレイクさせる「超」マーケティング理論

 間違いなく今年のNo.1本。役に立ちまくった。ちょうど自分がSaaSビジネスの事業戦略を担当することになったということもあって、ほぼ100%参考にさせてもらった。
この本を読んで以降頻繁に使うようになった言葉が「橋頭堡」。市場に対して、どこから攻め込んで、そこをいかに足場にしてまた次の市場に攻め込むのか、そういったことを強く意識するようになったし、そのための一つ一つのステップを常に意識しながらプロダクトやお客さんを見るようになった。
超絶おすすめ。


5. マーケティングリサーチとデータ分析の基本

あらためて、自分たちの活動ってマーケティングリサーチの一部だよなーと思ったので基礎を復習しようと思って購入。
基本的流れは、マーケティングリサーチとは、定量と定性、調査の仕方、仮説思考、みたいなTHE基本、といった内容。個人的に面白かったのは後半の事例の部分で、検索データを活用した消費者理解についてヤフーの人が事例を寄稿してた。
その中の一節、
”従来型のマーケティングリサーチが消費者に「聞く」手法であるのに対して、検索データによる消費者把握は消費者を「見る」手法”
は良い表現だなあと感心。使おう。


6. 事例で学ぶ BtoBマーケティングの戦略と実践

前述の本と同じく、そういや今自分がやっている業務っていわゆるBtoBマーケティングだよなーと思って、ちゃんと勉強したことなかったので購入。
特に事例にもとづく考え方が多く掲載されている一冊で、認知獲得、リード獲得、受注獲得に至るまでの様々な手法を整理してくれているので、自社においてここまではできている、ここはできていない、といった感じで自己評価にも役立つ。また、参考数値が多く出てくるのも特徴的で(本当かどうかはさておき)CTRはこのくらいが一般的、みたいな事例も多く出てくるので基準がなくて悩んでるようなタイミングの人には良いと思う。


7. UX戦略 ―ユーザー体験から考えるプロダクト作り

初めてのオライリー。表紙はセグロジャッカルという動物だそうです。Kindle版はないんだーと思って紙で買ってしまったけど、公式でPDFで買った方が使い勝手良さそうですね。。
友達の証券アナリストが勉強になったとお勧めするので読んでみた。が、結論としてはプロダクト開発やリーンスタートアップとかを勉強している人にとってはおさらいみたいな感じだなという感想。仮説構築、調査による検証、プロトタイプづくり、また検証といった流れを順に網羅的に解説しているので、プロダクト開発をしたい、しなきゃいけない、となった際に最初に読むべき一冊としてはよいかもしれない。


8. イノベーションと企業家精神【エッセンシャル版】

読む本がなくて悩んでいた時に、やっぱり勉強するならドラッカーだよなと思ってなんとなく購入。ドラッカーさん、マネジメントのイメージが強かったのでこういう新規事業に関する本も出してたとは思わなかった。さすがです。
この本のテーマ自体は「イノベーションをマネジメントすること」。マネジメントの大家であるドラッカーさんらしく、イノベーションも思い付きや偶然でなくマネジメントすべきものである、という視点でその考え方や方法論が紹介されている。
結論としてはこれはかなりの良著。このタイミングで読んでおいてよかった一冊。戦略というのは外部の不確実性をコントロールし、内部のコントロール可能なものに置き換えていくもの、という表現もあると思うが、まさにイノベーションに関しても同様の考え方が可能であると学べた。
名言が多すぎてピックアップするのも悩むが、
”マネジメントの目は機会に集中させなければならない。”
”成功した企業家は、競争相手よりも先に自らの手で製品やプロセスを陳腐化させていかなければならない。”
あたりは声に出して読んでおきたい。


あらためて見てみるとたった8冊。。めっちゃ少なかったですね。
一方で昨年末から会社、事業を移ったこともあって、SaaS、スタートアップ、プロダクトマーケティングといった本を読み漁ってますね。
領域が変わると本当に勉強することばかりで、すべてが自分の成長の糧になっているようでよいです。

ちなみに、今年は読書もせずに何をやっていたかというと、
・Tableau Data Saber試験に合格
・ダイエット(9kg減)
・会社の人と飲む(2回)
という形で、こちらは年始に立てた目標をすべて達成できてよかったです。

ヤフーに転職して早一年が立ったわけですが、結論としては転職してすごくよかったですね。日本最大級のデータを持つ会社でデータビジネスの新規事業ができるということと、その企業のポジションでしか味わえない課題や悩みを知り、考えていくことは自分の経験としてもとても有意義なものですし、その事業が生み出す提供価値はこれからの日本社会にとってとても有意義なものになるだろうと実感しながら働けています。

今年も一年お疲れ様でした。
来年はもっともっと「事に向かい」、自分も事業も加速していきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。


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