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国道十四号膝栗毛 九編:検見川~西千葉の巻 2016.12.4

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今日はY氏寝坊の為、30分遅れのスタート。
時間的には大丈夫なんだけど、この時期は日が落ちるのが早いのでそこがちょっと問題だ。

まずは新検見川駅からスタート。ここは初めて来たけど、ちょっと面白い地形をしていた。
駅前は高台にあって、そこから14号へ下って行くのかと思いきや、すぐさま上りがあり、また下る…しかも下って行く車がすぐ見えなくなるくらいの急勾配。2段階くらいにわたって上下し、14号へ出る。
前回の京成検見川駅は平地にあったので、ここらへんがこんなに高低差のある土地だとは思わなかったな。
しかし、面白いな~なんて言いながら歩いていたら、検見川の送信所へ立ち寄ることをスッカリ忘れてスルーしてしまった…

ドゥービーブラザーズのアルバム『キャプテンアンドミー』のジャケットのような高架下を通り、あまり歩いている人がいない14号をひたすら歩く。ここ界隈(右手側の埋立地)は団地が多いんだけど、この通りを見る限りは完全な車社会だ。道すがらにある店も潰れているところが多いし、なにより人が歩くよりも車を優先して道が作られている…と川本三郎氏の受け売りなことをつぶやいてみる。でも歩道橋から見る殺風景な景色も僕らには新鮮で気持ちよかった。
途中不気味な門構えの病院を訝しげに思いながら通り過ぎ、そんなこんなで右手に旧日本勧業銀行本店、現トヨペットが見えてくる。割とこの通りのランドマーク的なところ。でも別に行くわけでもなく通りの反対側から眺めて更にしばらく行くと最初の目的地、稲毛浅間神社に到着。通りの向いにある鳥居は昔は海の中にあったといわれている。でも今はここからじゃ海の気配すら感じない。

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雰囲気のある二の鳥居と境内を上った先にある本殿は思ったよりもこぢんまりとしていた。
まずはお参りをし、境内をぐるっとひと回り。後々になって気づいたけど、浅間神社なのに富士塚なかったよね…探すの忘れていたけれど。

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続いて神社に隣接されている愛新覚羅溥傑仮寓を見学。
文字だけ見たらなんのことやらわからないだろうけど、中国の清朝最後の皇帝の弟、愛新覚羅溥傑(あいしんかくらふけつ)が新婚時代、昭和12年に半年だけ住んだ家が保存公開されている。
ちょうどこの週に、BSの番組で嫁さんで日本人の浩(ひろ)の生涯を綴った歴史番組を見たので予備知識はバッチリだ。
激動の人生を歩む前の平穏な新婚時代をこの地で過ごしたふたり。その事を知るとまたこの家も、庭先に見える柿の木も感慨深い…と思って近くで見たら柿ではなく、みかんだった…。
家は作りといい庭の感じといい、数ヶ月前に訪れた松戸の戸定邸ぽかった。

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お次は電気ブランで有名な浅草神谷バーや、日本のワイン王といわれた明治の実業家、神谷伝兵衛の別荘だった、千葉市民ギャラリーいなげへ。
こちらは大正7年に建てられたおしゃれな洋館。でも2階部分は和室だった。テラスとかもあったけど、結局この和室が一番落ち着いたんじゃないかなと。
しかし、建物に入る直前にY氏がどこからか音楽が聞こえるとか言い出したので、ついに疲れすぎて幻聴が聞こえたのかとぞっとしたけど、中に入るとジャズ(鉄琴がメインだったので、ミルト・ジャクソンで間違いないと思う)が流れていたので安心した。
隣の建物がギャラリーになってるみたいなんだけど、何もやってなさそう(そして入りづらそう)だったのでスルーした。
稲毛はかつて14号沿いが海だったし、千葉県初の海水浴場があったりして東京に近い保養地だったからこういった建物は結構あったようだ。

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そしてここから日没タイム。
暗いながらも遠くにブロッコリー的な森が見える。前回もいった住宅街の高台に木が茂っているところは神社の可能性が高い法則、今回の黒砂浅間神社にも見事立証された。
ここも浅間神社だし富士塚があるらしいんだけど見つからない…石碑が色々建っているんだけど、真っ暗で文字がまともに読めず。
しかしここでまさかの庚申塔発見。しかも鶏がいる完璧バージョン。暗いけど無理やり動画を撮った。
富士塚はなかったけど、とりあえず収穫があったので満足し、今日のゴール西千葉駅前にへ向かう。

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14号をてくてく歩き、信号で一時停止。そしてまたひたすら歩く…が、一向に西千葉駅への案内板が出てこない。
以前から通るたびに気になっている、コスプレが飾ってあるアダルトショップを過ぎたあたりから感覚的にこれは千葉駅に近づいてるのではと感じる。んでY氏に地図チェックさせたらやっぱり西千葉への曲がり角はとっくに通り過ぎていた。
折り返して元来た道を歩くけど、かなりの距離を通り過ぎたらしくそこからの道のりはかなり疲れた。
肝心の駅に入る道はさっき信号で止まったところだった…でも駅への案内板はない。そりゃあここはスルーするわ、僕らは悪くない。

やっとたどり着いた西千葉の南口はなんだかおしゃれな雑貨屋やイタリアンレストランとかが並んだところだった。道が異様に広くここはかつて参道だったに違いないと踏んだんだけど、後日調べてみたら違うっぽい。古地図とか見ても結局答えは出なかったんだけど、もしかして軍関係かな?
駅自体は新検見川もそうだけど、千葉駅近くとは思えないくらい小さく寂しげなところだ。
駅前の稲荷神社へお参りし、なんとか無事に今日の行程を終えた。

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<本日の行程:9km>
次回は14号最終地点、感動のゴールです。

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