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山手線沿線膝栗毛 十編:護国寺~巣鴨の巻 2019.7.13

今日もY氏とのふたり旅。
曇り空の下、護国寺駅からスタート。

まずは目の前の護国寺へ。

荘厳な山門、からの本堂までのアプローチの長さがそんじょそこらの寺とは違うぞと思わせる。
護国寺を知らなかったY氏もスケールの大きさに驚いている様子。
仁王像も年季が入っていてかっこいい…ん、阿像のほうはちょっと目が離れていて怖いな…

本堂まで上がると骨董市が開催中でなんか賑わっている。
本堂は1697年に造られたそう。そんなに古いとは思わなんだ。
しかし骨董市の店や車があるから、まわりに何があるのかよくわからなかった。

このお寺へ来た目的は、ジョサイア・コンドルと大山倍達の墓参り。
なので裏手にある墓地へ行き案内板を探す。
途中、台座を猿が支えている世にも珍しい庚申塔を見つける。
この形式は唯一無二じゃないだろうか。出会わずに後で知ったら大後悔するとこだった…あぶねえ。

今の時期のお寺は蚊が多い…虫除けスプレーを持ってきたので散布。

案内板がないから目的のお墓がなかなか見つからない。敷地は広大。
スマホでお墓の場所を調べてみるも詳しい場所までわからない…こうなったら最後の手段、ぐるっと回って偶然見つけるしかない。
見つからなかったらそれまでの出たとこ勝負に出る。
墓地の奥の方まで行くとジョサイア・コンドルのお墓があった。
これは洋式(もしくはたまごっち)というのだろうか、とにかくかっこいいお墓。
なんとか見つけられたことにホッとしてお参り。

お次は大山倍達。
これも出たとこ勝負で適当に歩くとあった。
こちらは大きい墓石。
花が添えられていなかったのはちょっと寂しい。

無事見つけられて満足してお寺を跡にしようとしたら、入口付近に富士塚があったことを思い出す。
この音羽富士は都内で唯一のお寺にある富士塚だそう。
このときは疑問に思わなかったけど、そういえばそうだな。
頂上までのアプローチは長い。しかし頂上からの展望は残念。

護国寺に満足し、大塚方面へ歩く。
川の跡っぽい道を歩いてゆくと段々標高も上がってくる。

大塚駅近くにサンモール大塚商店街があるので行ってみる。
銀だこの立ち飲み屋があったり、昔ながらの八百屋など、なかなか面白そうな商店街の中に結構立派な天祖神社がある。
境内をぐるっと見て回ってみると、天然記念物のさざれ石があった。
どのへんが天然記念物なのかはよくわからんけど、まあその威光はありがたや。

ここらで雨が降ってくる…予報はずっと曇りで傘マークなかったのに…
傘持ってこなかったのでそのまま歩く弥次喜多。小雨だからなんとかなるだろう。

都電荒川線を超えるとJRの大塚駅があらわれる。
駅ビルは新しめで思ったよりも都会的でビビる。
しかし、北口に出てから線路沿いに歩いていくと、すぐにラブホテル街。

空蝉(うつせみ)橋は名前がかっこいいんで寄ってみた。
今はなんも趣のない橋だけど、橋のプレートの字体がやけにかっこいい。
なんとなしに橋の上から線路を眺めてみると、目の前に遠くだけどスカイツリーが見えてなかなか景観がよいではないか。
空蝉橋の由来を調べてみると、明治天皇が近くの稲荷神社でセミの抜け殻を大量に見つけたのが由来だとか!
蝉の空で空蝉か…

空蝉橋通りを北上し、都電の線路沿いの路地みたいな道を歩く。
都電は生活感が出てて雰囲気いいんだよなあ。膝栗毛ではまだ一度も乗ってないけど。

そして巣鴨地蔵通り商店街の看板が現れ、その隣に猿田彦大神巣鴨庚申堂がある。
地蔵通りはこの後に行くのでスルーし、今日の本丸といっていい巣鴨庚申堂へ。
街道沿いなので茶屋があったりと昔から賑わっていた場所のようで500年以上前からあるそうだ。
しかし境内には歴史的な物はない。本堂の中に庚申塔が祀られているそうだが、中は見れない。
参拝客は他に来ているんだけど、狭くて見どころもなく正直ガッカリスポット…庚申塔フリークとしてはここはずっと前から来たいと思っていたところで、なにげに山手線沿線膝栗毛のクライマックスだったんだけどなぁ…

気を取り直してお次は西方寺。
ちょっとコースからは離れているんだけれど、招き猫発祥の地のひとつだそう。そして古い猫の像があるようだ。
ここもお寺の奥が墓地になっていて探してみるも、猫の像がない…ベンチに座ってスマホでググるもやっぱり詳細な位置はわからない。
しかもベンチに座っていると大量の蚊がまとわりついてくる…慌てて虫除けスプレー散布するもY氏は刺されたようだ。
蚊が多くて長居はできないのでさっさと猫の像を探すも全然見つからない…なのであきらめた。
わざわざ遠回りして来たんだけど、収穫は蚊に刺されただけという敗北感。

小雨の中、傘もささずに白山通りを歩く。

次もお寺で墓参り2連発。
東京都中央卸売市場豊島市場の手前を左折すると遠くにお寺の山門が見えて参道のようになっている。
両脇は市場関係の倉庫なんで殺風景なんだけど。

目の前にお寺があったんで何の疑問も持たずに慈眼寺だと思い込んだ弥次喜多だが、実際は本妙寺。
慈眼寺には芥川龍之介のお墓がある。
ここ本妙寺は丁寧に著名人のお墓の案内板がある。当然芥川龍之介の名前がない。
まあこの時点で普通は間違いに気づくんだろうけど、疲労で頭が回らない弥次喜多は墓地をウロウロ。
とりあえず案内がある遠山金四郎と囲碁の偉い人と明暦の大火の供養塔を墓参り。
(当然ながら)芥川龍之介のお墓が見つからずに諦めて染井霊園へ行く。
その道中、慈眼寺への案内板が!
この時点でさっきのところが本妙寺だと気づく…

まあでも来た道戻るんじゃなくて、この道の先に慈眼寺があるので結果オーライということで、やっと慈眼寺へイン。
慈眼寺の墓地は他に谷崎潤一郎のお墓がある。
ここの敷地はそんなに広くないので迷わずふたつ見つける。
でも谷崎潤一郎のお墓は柵があって中に入れない仕様。他人のお参りを拒否している。
この人、川本三郎の本で読んだんだけど、関西へ疎開して関東の食文化をディスってたのであんまいい印象がない。
てか、お墓は東京なのね。
芥川龍之介のお墓はちゃんとお参り。

そして隣りにある染井霊園へ。

ここは松浦武四郎と岡倉天心。他にも色んな人が眠っているけど、まあこのふたりに絞る。
しかしここの敷地は広大で探すのは困難。しかも近場に案内板がない。
適当にうろついて案内板を見つけるも、松浦武四郎は来た道を戻る羽目に。
やっぱり迷いながらもなんとか松浦武四郎のお墓を見つけて参る。
しかし岡倉天心はちょっと探したけど、探し疲れて思考停止状態…なので見つからないから諦めた。
本日の行程はまだまだ先はある。

染井吉野桜の里公園で休憩。
ココらへんが桜の染井吉野の発祥の地。公園の隣で染井吉野の苗木が養生されていた。
公園内にはとくに染井吉野の碑などはなくいたって普通の公園。
依然として小雨が降り続くなか、屋根のあるベンチで一休み。

公園の隣りにある染井稲荷神社へ。
ここはまあ特筆すべきものがない普通の神社。
事務所?が中二階になっていたのはちと気になったが。

お次は丹羽家屋敷跡広場という大層な名前の広場。
江戸から明治まで活躍した植木職人の丹羽さんの門と蔵が残されている。
立派な門だけ見て満足してしまい蔵を見るの忘れた。てか雨なので動きが制限されている…

そしてやっとこさとさ、巣鴨地蔵通り商店街へ行く。
白山通りへ再び出ると、とげぬき地蔵のある高岩寺の裏手がある。
そこから入るとさすがに17時過ぎなので人はまばらだが、人気スポット?の洗い観音の前には人の行列が。
とげぬき地蔵ではなく観音様?とイマイチ理解していないんだが、結構人が並んでいたので並ぶのはあきらめて本堂に参拝だけする。
境内は休憩スペースとしても使われているようで、壁とかがなくずいぶんとオープンな雰囲気。ちょっとした広場的なかんじ。
お寺は敷居の高いところもあるので入りやすさはダントツなんじゃないだろうか。

Y氏はこの時期は半袖短パンスタイル。この日は墓地をいっぱい行ったので結構刺されていた。
だもんで、かゆみ止めを所望していたので、この商店街で薬局を探す。
おばあちゃんの原宿なんで薬局なんていっぱいあるだろうと思っていたんだけど、思っていた以上に薬局があった。原宿のクレープ屋かタピオカドリンク屋くらいある。
なんとかかゆみ止めをゲットしたY氏。
僕は虫よけの効果か、全然蚊に刺されなかった。

テレビで塩大福が紹介されていたんだけど、実際目の前にするも食欲わかず、しかも他にお客がいたので結局買わずスルー。巣鴨名物の赤パンツも当然買わずに商店街をぶらっとしてUターン。
入口近くにある真性寺でお地蔵さんと松尾芭蕉の俳句碑を見て巣鴨駅でゴール。

雨のせいか、10kmしか歩いていないのに結構疲れてしまった…
そしてお墓関係は必ず何らかの理由で迷うのであった…。

<本日の行程:10km>


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