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日記【 狐のブーケトス 】

狐の嫁入りだ。

予報にはなかったのですぐに止むだろうと
畑に何故かあるパパイヤの木の下でやり過ごそうとしたが甘かった。
あれよあれよという間に
パタ…パタ、パタッバタバタバタバタ
畑の防草シートに雨がぶつかり、激しく鳴りはじめた。
ちょ待てよ、とイケメンよろしく空を仰いで家の軒先へ急ぐ。

昨今は、なんでもかんでも「ゲリラ豪雨」なんて言葉でくくられて、「夕立ち」が姿を消してしまったように感じる。
でも、今日のはまさに夕立だった。
低く垂れ込めた真っ黒な雲と遥か上空にある青空のコントラストが美しい。
土の匂いが立ちのぼり、雨が上がれば赤紫色の夕焼け、ヒグラシがチチチチチ…と鳴き始める。

ところで、冒頭の「狐の嫁入り」をご存知だろうか?
街に出てアンケートをとったら、どれだけの人が
「お天気雨」と答えるんだろうか。
私は田舎育ちだからこんな言葉を知っているだけで、
都会で「わー狐の嫁入りだー」なんて言ったら何か見えちゃってる人呼ばわりされてハブられて病んで引こもるのかもしれないので絶対に言わないでおこう。

調べて見て面白かったのが
他国にも「お天気雨」の二つ名があったこと。

例えば韓国では「虎の婿入り」
パキスタンなら「ジャッカルの嫁入り」
ジンバブエにおいては「猿の結婚式」
ギリシャの主張は「ゴリラの結婚式」
プエルトリコ的には「天使の結婚式」
トルコとしては「悪魔の結婚式」
ポーランド曰く「魔女がバターを作っている」
そしてイギリス、イタリア、ポルトガル、マレーシアは日本と同じく「狐の嫁入り」。
タイでは、誰かが亡くなったことを知らせる雨だったりする。

隣国から隣国へ、形を変えて伝承したのだろうか。それとも、ユングか言うところの集合的無意識が関係しているのか。
まぁ全部かわいくて正義なのでそれらはどうでもいい。

ポーランドはなんだろうね。
魔女がバターを作るなんて有り得ないんだろうか失敬な。
いや、でも魔女はバターを作らないか。
なんせ私だってバターを作らないのだから(?)。

タイの解釈は、なんだか儚さ、美しさを感じて好きだ。
雨を涙と捉えたのかもしれない。

私には、調べ物をすると楽しくなって脱線、横転してしまう嫌いがあるので気をつけなくては。

閑話休題

畑仕事は打ち切りとなり、大したことは出来なかった。
考えてみれば、花の首を刎ねる事しかしなかった。次は自分かと震えている花達が可哀想だが容赦なく刎ねる。これも次世代のためだ。許せ。

家に戻ってからしばらく、狐の祝言が続いた。
ブーケトスが終わったのは30分後くらいだったと思う。
末永くお幸せに。

 一時間半もかかる水やりをやる予定にうんざりしていたのだが、
ジャッカルやゴリラや天使や悪魔が結婚し、魔女がバターを作った為やらずに済んだ。
みんなグッジョブ!

それでは、縁もたけなわでは御座いますが、これにてお開きとさせて頂きます。
お気をつけてお帰りください。

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トップ画は、雨上がりに現れた大きな虹です。
大興奮だったなぁ。

ありがとうございました。
のがの







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