話すのは苦手だけど誰かに話したい

書くことは好きだけど話すのは苦手だ。

書くことは好きだけど上手ではない。何かスキルを持っているわけではないし、書く練習もしたことがない。でもゆっくり考えて、試行錯誤しながら表した文章は、何より納得して相手へ伝えることができる。

話すのは苦手だ。考えていることはあるけれど、それをパッと組み立てて話すことができない。時間をかけないと自分が何を伝えたいのか整理することができない。でも話す時はそんな時間がないから、どうも苦手だ。

そして自信がない。自分が咄嗟に口から出した言葉で誰かを傷つけやしないか、矛盾したことを言ってしまわないか。だからいつも、声を出すのを躊躇ってしまう。

でも、

でもいつもなぜか、誰かに話したくなる。今日友だちの誕生日を祝ったこととか、帰り道にネコが喧嘩してたこととか、朝ニュース番組を盛り上げていた事件について思ってることとか、自分がいつもどんなことを考えて生きているのか、とか。

ずっと聞いてもらいたかった。

ただうまく言えないけど、

話せば話すほど、自分がどんどん吸い取られてしまうような感覚になることがある。
自分が殻になっていくような、空になっていくような。

あれはなんなんだろうな。

じゃあ黙ってたほうがいいか〜って思う。
自分はこんな人だとか、こんなこと考えてるんだとか、そんな簡単に言葉で表したくないんだな。
そんな簡単な人間じゃないんだー！って。
もしかしたらめんどくさい人間なのかもしれないけど、でもそんな簡単に自分を言語化したくない。
簡単に言語化できたら、本当の気持ちがわからなくて涙を流す人なんていない。

また今日も話しすぎた。

それでもまた私の話を聞いてくれる人が、自分を理解してくれる人なのかな。
言いたいことが溢れて溢れてしょうがないけど、ゆっくりゆっくり、自分の中身が吸い取られないように、誰かに伝えたい。

私の溢れ出した声を聞いてくれて、ありがとう。