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深夜番組の思い出

80年代半ばに『8時だョ!全員集合』の放送が終わり、バブルの最中の80年代の末に『オレたちひょうきん族』が終わり、そうしてバブルがはじけた90年代、巨大で華やかなものから、シンプルなもの、風刺のきいたもの、より個人的なものへと志向が向きはじめた90年代、私は、深夜番組ばかり見ていた気がする。

すぐに思い浮かべるものでも、やっぱり猫が好き、音楽の招待、文學ト云フ事、カノッサの屈辱などを毎回見ていました。

やっぱり猫が好き

もたいまさこ、室井滋、小林聡美が3姉妹に扮(ふん)してのホームドラマ。

3人以外に登場人物はいない。猫だけ。場面も一部屋、居間だけで進行する。3人の間とセリフが絶妙で、私は子供のころからドラマをほとんど見なかったのですが、これは毎回見ていました。脚本として三谷幸喜さんも参加されていました。

 カノッサの屈辱

タイトルは歴史上の出来事からとっていますが、内容は日本の当時の経済的な勢力図の説明を様々な歴史上の出来事を土台にして、おもしろく構成したものです。マーケティングの勉強にもなります。

例えば、デパートやハンバーガーショップの競争を大航海時代や革命史などを土台にして説明するのでわかりやすかったです。

レトロなイラストと聞きやすいナレーション、教授役の仲谷昇がいい味を出していました。

どの回か忘れましたが、不二家の進出を現す場面で『女王ペコ』といって、顔だけペコちゃんで首から下が、エリザベス女王になっていたのは笑いました。

音楽の招待

フジテレビの近藤サトアナウンサーが毎度、妖艶な雰囲気を醸し出して、司会をしながら、音楽の専門用語をクラッシックから歌謡曲、ロックまで例に挙げて、名曲の『秘密』を解き明かす番組。

音楽用語など、まるで分らない私でも、おもしろく、毎度、音楽に詳しくなった気がした30分間でした。

ちなみに、私は、NECのばざーるでござーるのイベントで、近藤サトさんを間近で見たことがあります。司会をなさっていました。

文學ト云フ事

近代文学の名作を解説し、その予告編と題した、プロモーションムービーを放映していました。

当時のわたしは、文学に疎(うと)かったのですが、美しく仕上げた映像に毎度感銘を受けていました。

また、番組のエンディング曲として、原田知世の『T'en va pas』というフレンチポップのカバーが流れていました。

当時、素朴であり透き通るような歌声に聞き入っていました。この曲はいまだにふとききたくなるくらい好きでした。

こうした番組なら、いまなら作ってYoutubeなどで発表できそうですね。


どうも、フジテレビばかりになってしまいました。

当時、フジテレビの深夜番組の始まる前に、『今からJOCXTV-2がはじまるよ』と言う感じで、5秒ほどの映像が流れていました。

それは白黒の映像でしたが、釣られたピアノがひもがほどけるにつれ落下する映像に、ピアノの音がかぶさっているもので、それもまたかっこいいと思ってみていました。

脳の形成期にろくに勉強もせず、深夜番組ばかり見ていた私は、どのような大人になったのでしょうか。


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