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民俗学漫談

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民俗学についてのお話をまとめています。
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#民族学

【民俗学漫談】学校の成立

学校という制度の先鋭化が一つの物に集中させる学校で、同じ考え、同じ価値観を押し付けて行ったら、皆同じ考えになるでしょう。 言わずもがなで、それが第一にあります。 それよりも深いのは、「仲間外れ」を怖れる心理をあの場が植えつけているからです。 学校で、仲間外れになれば、即、不適応者として相手にされませんし、原則として学校は、「手引き」がないので、困った時に、自分で解決するしかない。 教師は、権限を持っている以上、相談相手にならない場合がありますし、教師を教師として信頼し

【民俗学漫談】年神とサンタクロース

時間的なよみがえり神社に参拝することは、魂のよみがえりを意味しますが、その空間的なよみがえりの場とともに、時間的なよみがえりの時があります。 そう、正月です。 大晦日から正月に変わるときは、世界が生まれ変わる時なんですよ。 だから、みんな、ドキドキするんですね。 大晦日を境にして、別の世界が始まるという感覚です。 神社でも、夜中の12時きっかりに太鼓をならして、新年祈祷の儀を執り行います。ラジオつけておくんですよ。で、時報とともに、始めるという。 欧米でも、12時

【民俗学漫談】マレビト

今回は、思い出話をします。 中野新橋の駅から十分少々歩いたところに「川島商店街」という商店街があります。長さが一キロくらいですかね。端の方は、大江戸線の西新宿五丁目駅の方も近い。いったいいつごろかあるのか調べたことはありませんが、私のこどもの頃は今よりもにぎやかでした。 わたしは、そこの商店街で育ったんですけどね、昔は、商店街の「売り出し日」と言うのがあって、毎月、6のつく日でしたか。スーパーの特売日みたいなものですよね。 昔の商店街は、一つの共同体でしたから、個別の店

【民俗学漫談】蕩尽のバリエーション*ハロウィン

蕩尽とは蕩尽(とうじん)。民俗学のキーワードの一つです。むしろ民族学かもしれません。 浪費の事なんですが、浪費だと、無駄遣いという意味ですね。ほしいままに費やす。ちょっと弱い。浪費家なんていう言葉もあるくらいで、まだ、日常や人間の域を出ない。 蕩尽だと、これはもう湯水のごとく使い果たす、と言う意味で、明日の事を考えていません。動物的です。秩序を人間を飛び出す行為です。 まあ、動物は蕩尽をしませんが。 明日の事を考えないというのは、みんなあまり経験がないかもしれませんが