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民俗学漫談

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民俗学についてのお話をまとめています。
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#人類学

【民俗学漫談】ファッション

人間が服を着る理由『人間はなぜ服を着るのか』という話は、服飾系の学校に行けば最初に教えられる話かと思います。 まず、寒さや日差しを防ぐため。けが予防も含めて、身を守るためですね。 次に羞恥心から。裸族以外は、これもあります。 さらに、飾り立てるため。これがいわゆるファッションでしょうか。必要というより、欲しいからということになりますか。 これ以外にも、『曖昧にしか感じられない自分のイメージ、像を、身体感覚を通して感じるため』、つまりは、将来、技術が進歩して、全く着てい

【民俗学漫談】文字というテクノロジー

思想をわがものに日本美術の本をめくっていて、どうも趣味に合うのは、長谷川等伯から始まって、琳派、蕪村に芦雪や若冲できわまる感じがしました。それ以前の仏教美術や以後の浮世絵も素晴らしいとは思うんですが。 それ以前の物にはなかったものがあるんですよね。 落ち着き? バランス? 色合い? 構図? 大胆さ? 迷いのなさ? なんでしょうか。 で、なんで、そのころになって、美術が違うものになってきたのかと思ったんですよ。 それは、思想と言いいますか、精神面での変化があったのでは

【民俗学漫談】虚構の発生

自分の経験していないことでも、平気で語れます。人は。 人間の脳って、フィクション向きですよね。ファンタジー向きですよね。 ノンフィクションじゃないですよ。 うつろとうつつのスライダー 経験を語るってことは、記憶をもとにしてやるはずの物ですが、その記憶があいまいときてる。 それで、だいたい、虚実ないまぜになります。 虚構と現実の合間、ですよ。 うつろとうつつを行ったり来たりですよ。 要は、パーセンテージですよ。 一方にうつろが、もう一方にうつつがあります。 語