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民俗学漫談

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民俗学についてのお話をまとめています。
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#祝祭

【民俗学漫談】映画

映画と祭映画ができてから、カーニバルの昂奮がなくなりました。 映画で昂奮するわけです。カーニバルよりも安全ですからね。 映画の形式は、演劇の舞台と同じですね。同じ構造を持っています。 演劇は、祭の再現ですから、映画もその構造を継承している以上は、昂奮させるわけですよ。 ただ、だんだん、映画が産業になり、見る側が消費者になってゆくにつれ、祭の昂奮とはかけ離れてゆきます。 映画は、演劇よりも、むしろ、テレビに影響を受け始めます。 ロングショットではなく、クロースアップ

【民俗学漫談】マレビト

今回は、思い出話をします。 中野新橋の駅から十分少々歩いたところに「川島商店街」という商店街があります。長さが一キロくらいですかね。端の方は、大江戸線の西新宿五丁目駅の方も近い。いったいいつごろかあるのか調べたことはありませんが、私のこどもの頃は今よりもにぎやかでした。 わたしは、そこの商店街で育ったんですけどね、昔は、商店街の「売り出し日」と言うのがあって、毎月、6のつく日でしたか。スーパーの特売日みたいなものですよね。 昔の商店街は、一つの共同体でしたから、個別の店

【民俗学漫談】蕩尽のバリエーション*ハロウィン

蕩尽とは蕩尽(とうじん)。民俗学のキーワードの一つです。むしろ民族学かもしれません。 浪費の事なんですが、浪費だと、無駄遣いという意味ですね。ほしいままに費やす。ちょっと弱い。浪費家なんていう言葉もあるくらいで、まだ、日常や人間の域を出ない。 蕩尽だと、これはもう湯水のごとく使い果たす、と言う意味で、明日の事を考えていません。動物的です。秩序を人間を飛び出す行為です。 まあ、動物は蕩尽をしませんが。 明日の事を考えないというのは、みんなあまり経験がないかもしれませんが