歯みがき粉の注意書き、ちゃんと読んだ?
読む本もなくなったので「歯磨き粉」の注意書きをじっくり読みました。
去年のロックダウン中のことです。
契約書で都合の悪いことがはじっこにちっちゃく書いてあるみたいな感じ。
日陰の女みたいにひっそり「注意書き」がしるされているんですが
なんと「1日3回以上は磨かないように」と書いてある。
たまげた。
歯磨き粉ってそういうものだっけ!?
なぜ誰も教えてくれなかったのだ!お母さん、お父さん!
と慌てて家中の歯磨き粉をひっくり返してみたけど、他のメーカーのものには「2回以上磨くこと」と書いてある。メーカーによって違うらしい。
2回以上、3回以下。
あいだがせますぎます。
すんごい狭いビルとビルの間をか二みたいに進んでいくしかない。
去年は、外出が規制されて家にこもる中、気分転換とヒマに任せて「歯でも磨くかねー」と、ガムを噛むように歯磨きしていました。歯磨き粉の注意書きなんて生まれて初めて読みました。
きのう、歯医者に行ってきました。
オーストラリアでは歯科治療に国民保険のMedicareが適用されないため治療費は日本と比べて高額です。
(公立の歯医者は無料ですが、予約は2年待ちらしい)
詰め物がとれたので新しく入れてもらって250ドル(約2万円)。民間の保険で一部カバーされたので、出費は188ドル(約15000円)。
頭の中でどっかーんとキラウェア火山が噴火。
歯医者に行くたびに噴火です。毎度のことです。
支払いを済ませて、のろのろとお財布をしまい、虚ろな目で薄ら笑いを浮かべたまま、帰り道にあるスーパーに寄ります。
いつもは半額にならなきゃ買わないと固く決めているチョコビスケット『TimTam』を定価で3つ買ってやるのです。どうだ!
もう、10円安い卵を探して走り回ったって、何の意味もないよね?『TimTam』を定価の4ドルで買おうが、セールの2ドルで買おうが「火山に水」だよね?詰め物とれただけで15000円飛んでいくんだもんな!バカバカしい!というすさんだ気持ちを隠れ蓑にして欲望に餌を与えてやるのです。
思いっきり食べるがいい!
何を思ったか、歯磨き粉もポイっとかごに投げ入れます。かごの中がカオスです。
コロナ以降、日本でもオーストラリアでも、メディアで
「Revenge Spending(リベンジ消費)」
という言葉を目にするようになりました。
本来は
「コロナで消費する機会がなかったお金をここぞとばかりに使ってやる!」
という意味合いです。
私の場合は
「思わぬ出費に打撃を受け、その怒りにまかせてさらに出費を重ねる」
という、方向性がいまいち不明なリベンジです。
歯の話に戻ります。この前図鑑で見たけど、歯が一番多い動物は「かたつむり」だそうですね。歯が1万本以上あって大根おろしみたいな風になってるんだって。選べるとしたら、カタツムリに食べられるのは嫌だなー。
『8050問題』という言葉がありますね。初めてネットニュースの見出しで見たときは「歯」の話かと思いました。80歳になってもこれくらい歯がなくちゃ、ってホモサピエンスの枠を超えてるじゃん。さすが日本、ずいぶん目標を高く掲げるよなあ!と誇らしかった。
それは『8020運動』でした。そりゃそうだ。
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