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eスポーツが我々の生活を豊かにする?!

■eスポーツについて

・eスポーツとは
 前提として、eスポーツについて知らない人は読んで欲しい。

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『eスポーツはエレクトロニック・スポーツの略称であり、電子機器を用いて行う娯楽、競技、スポーツ全般を指す言葉であり、コンピューターゲーム、ビデオゲームを使った対戦をスポーツ競技として捉える際の名称である。』japan esports union より

『市場規模も急成長しており、オランダの調査会社Newzooによれば、2018年には世界全体で約1000億円に達し、2021年には1800億円超に達するとされている。米国の証券会社ゴールドマン・サックスによる報告書では2022年に3000億円超に達するともされている。League of Legensの競技人口は9,000万人と言われ、テニスの競技人口1億人にも匹敵する。海外では、大きな規模の大会になると、1万人を超える観客が大きな会場を埋め尽くし、選手の一挙手一投足に熱狂するというのだ。』
今さら聞けない「eスポーツとは何か」? ゲームがオリンピック種目になり得るワケ より

さらに、2024年のパリで開かれるオリンピック・パラリンピックでもeスポーツが導入種目として検討されている。

・なぜeスポーツを取り上げるのか

従来のスポーツにはなかった視点をeスポーツから考察できるのではないか。ここではeスポーツからスポーツについて考えてみようと思う。
▼生涯スポーツについては前回の記事
https://note.com/nocarchi/n/n8c37c9ac6be5
人生100年時代といわれる中で、競うためではなく健康のための生涯スポーツなどが注目されるようになった。
さらにCOVIT-19の影響でプロスポーツの開幕が遅れたり、試合が無観客で開催され、今まで同じようにスポーツと関われなくなった。スポーツに対する考えは変化しようとしており、変化していかなければならないのではないだろうか。全く想像していなかった出来事が当たり前のように起きるのだと実感しているが、そういった非常事態にもeスポーツはスポーツとして楽しむことができるのではないだろうか。

■eスポーツがスポーツ業界に与える影響

スポーツ業界、eスポーツ業界の現状を整理した上でeスポーツが従来のスポーツに与える影響について考察する。

・スポーツ業界の現状

人生100年時代と言われる中でスポーツのあり方も変わってきたのではないろうか。ここではスポーツ業界全体の現状について生涯スポーツ / 若者のスポーツ / 投資先のスポーツの3つの視点から整理する。

・生涯スポーツ:人生100年時代のスポーツ
 人生100年時代と言われるようになり、健康増進や楽しむためのスポーツが注目されている。筋トレ、ランニング、フィットネス、と言った気軽にできるスポーツやボルダリング、サーフィンといったボーダーレスにできるスポーツが注目され、健康維持や楽しむためにスポーツが用いられていることがわかる。日本においてゲートボールが高齢者に人気のスポーツではあるが、逆に高齢者のスポーツとして位置付けられている。健康増進を目的とし、手軽にでき、性別や年齢関係なくボーダーレスに楽しむスポーツというのが求められている。

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・若者のスポーツ:若者の視聴率低下
 オリンピックの若者の視聴率低下が注目されている。オリンピック競技として、ここ数年でサーフィン、スポーツクライミング、スケートボードなどが新種目として注目され、若者の視聴率を上げるためにスポーツが用いられていることがわかる。オリンピックにおいて単なる人気や競技人口の多さだけではなく、若者に興味を持ってもらうという視点のスポーツが求められている。

・投資先のスポーツ
 企業が投資する投資先としてのスポーツが注目されている。球場や選手につける広告、球場の名前の所有権などが注目され、投資先としてスポーツが用いられていることがわかる。強いチームほど注目を浴びるため投資先として選ばれたり、その他にも地元チームを応援するための投資先として選ばれる。球団やチームには、競技としての強さや継続的に応援してもらうファンの獲得など投資してもらうための理由が求められている。

・eスポーツの現状
その市場を急成長させてきいるeスポーツだが、ここではeスポーツ業界全体の現状について
ボーダーレスと手軽さ / 若者のスポーツ / リスクの少なさの3つの視点から整理する。

・ボーダーレスと気軽さ
eスポーツは従来のスポーツほど身体性に依存しないため、理論的には老若男女がボーダーレスに行うことができる。また機器さえあればどこでもできるという手軽さもある。もちろんeスポーツ全てが健康増進につながるとは思えない。指先だけを動かすものは生涯スポーツの枠組みには含まれないだろう。しかし、VRを用いて体を動かすeスポーツも続々と出てきており、75際のプロゲーマーすら存在している。従来のスポーツにはなかった場所を選ばない手軽さと、ボーダーレスさがeスポーツには備わっている。※eスポーツの種類についてはページ下記に掲載

・若者のスポーツ
eスポーツは導入されて歴史が浅いこともあり、競技の平均年齢が20代と非常に低い。オリンピックを自宅で視聴する年齢も上がってきており、ICO(国際オリンピック委員会)は若者の視聴者数が低下することに対して、それを食い止めるための対策している現状がある。そもそもの競技平均年齢が低いeスポーツをオリンピック競技として導入しようとしている現状にはこのような背景がある。従来のスポーツにはない競技平均年齢の低さがeスポーツには備わっている。

・リスクの少なさ
eスポーツは選手が怪我をするリスクが低い。従来スポーツよりも身体性への依存度が低いeスポーツは選手が怪我をすると言ったリスクがとても低い。従来スポーツであれば、主要選手の怪我によってチームの戦力ダウンにもつながるケースが多々みられる。しかしeスポーツは怪我のリスクが低いため、スポーツに投資するような企業の投資リスクも軽減できる。従来スポーツにはない投資のギャンブル性の少なさがeスポーツには備わっている。

■eスポーツがスポーツ業界へ大きなインパクトを与える

①老若男女が楽しめるボーダーレスさと気軽さ②若い競技者年齢③選手の怪我が少ない、の3つの理由からeスポーツがスポーツ業界へ大きなインパクトを与えるのではないだろうか。年齢に関係なく楽しめる、気軽さ、若年層のファン獲得、少ない投資リスクなど従来のスポーツに求められていたスポーツとしての機能がeスポーツに備わっていると言える。

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■eスポーツの未来


 eスポーツは種目の新しさ、場所を選ばないスポーツとして、従来スポーツとは全く異なる形で我々を豊かにしてくれるかもしれない。eスポーツは従来スポーツと異なり、様々な種目が次々に出てくる可能性がある。ファンを飽きさせないために、どんどん魅力のある選手が出てくることでファンを継続させてきたのが従来スポーツだとすれば、eスポーツはどんどん新しい種目が追加されることで継続的なファンを獲得していく全く新しいスポーツなのかもしれない。
 また従来スポーツであれば、競技するための「まとまった場所」が必要だった。都心のデパートの屋上や河川敷、郊外まで行かなければスポーツをすることすらができなかった。しかしeスポーツは場所を選ばない。自宅でも普通にスポーツができたり、あるとき突然渋谷のスクランブル交差点にスタジアムが登場するかもしれない。今まで味気なかった場所や空間がeスポーツによって変化し、我々の生活を豊かにする未来は意外と近いのかもしれない。


※eスポーツの種類
『FPS/TPS:シューティングゲーム。一人称視点のもの(FPS)と第三者視点のもの(TPS)に分類される。4~5人のチーム戦で殲滅戦や陣取り戦を行うものが多い。Call of dutyシリーズなど。
MOBA:4~5人のチーム戦で戦略やプレイングを駆使しながら相手陣地の制圧を目指すゲーム。世界で最も盛り上がっているジャンルであり、高額賞金の大会も多い。League of Legens、Dota2など。
RTS:軍隊などの指揮官になって戦略・戦術を競い合うゲーム。MOBAと似ているが、MOBAと異なる点として1:1であることが多い。StarCraft2など。
格闘ゲーム:一人で一人のキャラクターを操作する。日本人が最も活躍しているジャンルのひとつ。ストリートファイターや、大乱闘スマッシュブラザーズなど。
スポーツ:リアルスポーツをそのままビデオゲームにしたもの。一人で複数の選手を操作するものが多い。FIFA、ウイニングイレブン、実況パワフルプロ野球など。
DCG:デジタルカードゲーム。一人でも気軽にプレイでき、オンライン対戦も充実していることから、特に日本国内で盛り上がっているジャンルのひとつ。Shadowverse、HearthStoneなど。
パズルゲーム:ルールが明快で誰もが楽しめる。ぷよぷよ、テトリスなどがeスポーツ種目として採用されている。』

参考文献
・japan esports unon eスポーツとは
・今さら聞けない「eスポーツとは何か」? ゲームがオリンピック種目になり得るワケ
・16歳で1億越え? 75歳のプロゲーマー?! eスポーツ選手の平均年齢って?

(文責:西)

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