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【第14回】 Spring '23 リリース 注目の新機能 Marketing Cloud ハイライト

先日 Salesforce 主催の WEB セミナー「Spring '23 リリース 注目の新機能 Marketing Cloud ハイライト」に参加しましたので、今回はその内容で記事を書いてみたいと思います。Marketing Cloud に関してはマイナーアップデートが多かった印象です。それでは、順に見て行きましょう。


■ Journey Builder 関連

① 履歴タブへのグラフの追加

履歴タブ内が、単なるテキストベースの履歴だけではなく、円グラフや棒グラフなどのグラフ表示が追加されるようになりました。この履歴タブを、普段使用している方にとっては、便利になりましたね。ちなみに、この履歴タブでは、30 日間分の履歴しか見れないのが、残念な所です。改修が、さらに進み、少なくとも半年間程度は履歴が見れると Journey Builder はさらに便利になりますね。

② ジャーニーの検証時におけるワーニングの種類増

ジャーニーの検証実行時に、パフォーマンスに影響があるような設定が含まれている場合に、ワーニング(警告)が出ますが、表示されるワーニングの種類が増えましたよ、という内容です。ワーニングが出る場合の代表例としては、

・14 分以下の待機時間を設定した場合
・判断分岐を 2 つ設定並べて設定した場合

などがあります。このワーニングに関しては、無視してアクティブ化できます。何百万人へ送信する場合は、ちょっとは気にした方が良いですが、数万人に送るレベルであれば、無視で問題ないでしょう。ちなみに、どんなワーニングが増えたかに関しては、セミナーで喋っていた方も分からないと仰っていましたので、内容不明です。

③ ジャーニーの操作に関連するヘルプページへのリンク

Journey Builder 上の様々な場所へ、その操作に関連するヘルプページへのリンクが出るようになりました。これは初学者には便利かもですね。

④ ジャーニーパスの折りたたみ機能

キャンバス上のパスを折りたたむことができるようになりました。巨大なジャーニーを扱っている人には、重宝しそうな機能ですね。個人的にはあまり使わないかな〜という印象です。

⑤ Batch API パイロット版

今回のハイライト版の WEB セミナーでは発表されなかったのですが、パートナー版の WEB セミナーの方では、バルク送信できる API が、パイロット版ですが、発表されていましたので、一応記載します。あくまで、パイロット版ですので正規リリースされるかすら不明です。もし、現在使用してみたい場合は担当のアカウントマネージャーまで連絡が必要とのことです。まだ、誰もが使える形にはなっていません。

これまで Marketing Cloud の API は 1 リクエストにつき、1 名だけをジャーニーに挿入することが可能でした。このパイロット版では、まずは、1 リクエストにつき 100 名分から試して行く計画とのことでした

また Batch Event API は、Event API を発展させたもので、コンタクトイベントのシングルとバッチの両方をサポートします。

Batch Event APIの記述例

{
  "eventDefinitionKey": "2FA_order_accounts",
  "members": [
    {
      "contactKey": "recipient1",
      "data": {
        "RequestAttribute_1": "value_1",
        "RequestAttribute_2": "value_2"
      }
    },
    {
      "contactKey": "recipient2",
      "data": {
        "RequestAttribute_1": "value_3",
        "RequestAttribute_2": "value_4"
      }
    }
  ]
}

ちなみにトランザクションメールである場合は、Transactional Messaging API という API がすでにリリースされています。こちらでは複数名の挿入が可能です。参考までに。


■ Package Manager 関連

Package Manager とは、複数のビジネスユニット環境で作業している場合に、あるビジネスユニットから、他のビジネスユニットへ、ジャーニーやオートメーションや画像コンテンツの移行ができる機能です。

① Package Manager の移行対象が拡張

移行できる対象が増えましたというお話です。

・ジャーニービルダーのテンプレートも対象になった
・アプリ内メッセージも対象になった
・共有データエクステンションも対象になった
・同期済みデータエクステンションのバグ改修が行われて信頼性が上がった

② 展開中にプログレスバーが表示

展開の進捗状況をプログレスバーでリアルタイムに表示できるようになりました。現在、どんな展開状況かという進捗が把握できます。

③ ContentBlockByName 関数のサポート

AMPscript の ContentBlockByName 関数で参照されるコンテンツが、パッケージング時に自動的に含まれるようになりました。


■ Automation Studio 関連

① Google Cloud Storage とのファイル連携

Google Cloud Storage との連携が、正式なリリースとなり、Amazon S3, Azure Blob などと並んでファイルのインポートとエクスポートができるようになりました。

② 30 回失敗したオートメーションの強制停止

繰り返しエラーとなったオートメーションが特定の条件を満たす場合、自動的に停止されます。以前リリース発表会の時にも、この処理のお知らせがありましたが、いよいよ全環境に適用されます。具体的には下記の両方の条件を満たす時に、オートメーションが強制停止となります。

・30 回以上失敗する かつ
・過去 30 日間の失敗率が 100 %である

停止された場合は、Marketing Cloud からメールで通知されるとのことですので、ひとまず安心しました。本当に飛んでくるかは、まだ試せていません。


■ Einstein 関連

① グローバル機械学習モデル参加へのセルフサービス対応

グローバル機械学習モデルにオプトインするか、オプトアウトするかを、管理画面上からセルフコントロールできるようになりました。このグローバル機械学習モデルを使用するメリットは、グローバル機械学習モデルのデータを使って、最適なAI機能を使えるというものになります。

会社のポリシー上、どうしても NG でなければ、賢い人たちが、きっと賢いロジックで運用してくれているはずなので、変なバイアスを捨てて、素直に使ってみるというのがベストプラクティスかと思います。正直、このグローバル機械学習モデル自体も、ロジックが何ら開示されていないので、よく分からないですね。開示されてても分からない説ですが。笑


■ Contact Builder 関連

① データエクステンション・ストレージ詳細(ベータ版)

データエクステンションの名前、送信可能か?、保管ポリシーのオンオフ、レコード数、使用ストレージ、などの詳細がダウンロードできるようになる機能のようです。これにより不要なデータエクステンションを削除して、アカウントを最適化することができます。(こちらの機能は Summer 23' で正式にリリースされました。)


■ Analytics Builder 関連

① ビジュアライズ化されたピボットテーブル

Intelligence Reports for Engagement のピボットテーブルで、上記の通り、グラフが追加できるようになり、画面上で、よりパフォーマンスを調査しやすくなりました。

また、同画面の左カラムにて、ピボットテーブルの各種条件設定ができるようになりました。UI 面が格段にバージョンアップした印象で、データとのインタラクション効率が上がりましたね。

画面開いて見ましたが、これは、巨大なモニターが欲しくなりますね。ノートPCでは、正直、画面が狭過ぎて使いものになりません。笑

② メールのリンクエイリアスの使用解禁

これまでは条件内でリンクを指すとき、URL で指定をしていましたが、メールのリンクエイリアス(別名)が、使用できるようになりました。地味ですが、使えそうです。


■ Web Studio 関連

① モバイルプッシュページの作成の終了

これは、Spring '23 の終了ではなく、Summer '23 から、モバイルプッシュページの作成ができなくなるとのことです。この代替手段としては、CloudPages の「ランディングページ」作成機能が推奨されています。

今回は以上です。

ウェビナーの動画が公開(2023/3/24 追記)


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