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【第131回】 Marketing Cloud Growth Edition を発表

このニュースは昨日突如発表されましたので、私もまだすべての情報を把握できていませんが、現在までに分かっている情報だけで、一旦記事にします。間違った内容もあるかもしれませんのでご了承ください。私の記事は Salesforce 公式ではありません。また、すでにデモ動画やヘルプページなども上がっていますので、各自、内容をご確認頂ければと思います。

👉  デモ動画:http://sfdc.co/rz3xP
👉  インプリガイド:http://sfdc.co/GLy99
👉  ヘルプページ:http://sfdc.co/bNGhE4

2024 年 2 月 20 日、Salesforce は Marketing Cloud ファミリーとして、Marketing Cloud Growth Edition という全く新しいマーケティングツールを発表しました。このツールは、今ある Marketing Cloud Engagement(旧 ExactTarget)プラットフォーム上で動くものではなく、完全に Salesforce CRM プラットフォーム上で動くものであり、Salesforce が新たに打ち出す「次世代型のマーケティングツール」という印象でしょうか。

よって、Marketing Cloud ファミリーとして位置付けされますが、Marketing Cloud Engagement とは関係がありません。そして Marketing Cloud Account Engagement(旧 Pardot)とも関係ありません。ただ、この記事のバナーを見て頂ければ分かりますが、中小企業(SMB, Small to Medium Business)や B2B の企業向けのマーケティングツールと打ち出されていますので、Marketing Cloud Account Engagement とは少し競合するかもしれませんね。


■ 機能概要

さて、このツールの機能としての売りは Data Cloud を活用してセグメントを作れるという、Data Cloud 駆動のマーケティングオートメーションであり、さらには、昨今で話題の生成 AI 機能をふんだんに取り入れたマーケティングエンジンであるという点かと思います。

すでに、動画が公開されているので見てみましょう。2 種あります。

この動画を見て、Marketing Cloud Engagement と比較するとどうなるかな?と考えますと、以下のような対比になるかと思います。

・Data Cloud ⇔ Automation Studio
・Salesforce CMS ⇔ Content Builder
・Campaign ⇔ Email Studio
・Flow Builder ⇔ Journey Builder

この対比が間違っていたら申し訳ないですが、Data Cloud はセグメントを切るという意味で Automation Studio の SQL アクティビティやフィルターアクティビティのような存在であり、定期的にそのセグメントを最新の状態へ更新しますので、Automation Studio 的な存在としました。

Salesforce CMS はメールやフォームなどで使用する画像を管理しますので、Content Builder であり、Campaign の立ち居振る舞いが分かりづらいのですが、おそらくメッセージテンプレートの管理がされるものと思われるので、Email Studio なのかなと。ちなみに、メールの他、SMS やフォームの送信も可能そうです。一方で、このツールにアプリプッシュや LINE などが登場するのはまだ先になりそうです。特に LINE に関しては、海外では WhatsApp 優勢のため、優先順位が低くなるのではないかと思われます。

そして、Flow Builder が Journey Builder というのが最もイメージしやすいと思いますが、判断分岐アクティビティや待機アクティビティなどが、Flow Builder においても、そのまま使用できそうなイメージが動画でも再現されています。また、Einstein Send Time Optimization(送信時間最適化)の機能も使用できるみたいですね。


■ 所感

私が、この Marketing Cloud Growth Edition の発表で一番感じたことは、いよいよ Marketing Cloud Engagement の時代は終りを迎え、Marketing Cloud が CRM プラットフォーム上に移る時代が来るんだなということでした。やはり Marketing Cloud Engagement は、Salesforce 製品の中では、異質な存在であり、非常に扱いづらいものとなっています。一般の人が扱えるデモ環境のようなものもなければ、Trailhead でもハンズオンがありません。これを CRM プラットフォーム上に移して、皆さんが平等に扱えるようになることがベストですよね。

よって、何が言いたいかというと、すべてのマーケターはこのツールを真剣に取り組む必要があるということです。おそらく 2、3 年後には Marketing Cloud Engagement を追い越して、開発が進んで行くと思います。今は、まだ何となく使えないツールかもしれませんが、しっかりと機能についてキャッチアップして行く必要がありそうです。


■ 販売時期や価格

さて、Marketing Cloud Growth Edition は日本ですぐ使えるようになるかは不明です。これから、セールスフォースジャパンが、日本向けの販売価格を決めて、正式に販売を開始するまでは使用できないかと思われます。よって、一旦は、海外の情報を中心に情報をキャッチアップして行くしかないという形になります。私の方でも、また何か更新があればお知らせします。

Marketing Cloud Growth Edition は、まず米国とカナダで利用可能になり、2024 年末には EMEA(ヨーロッパ、中東、アフリカ)に拡大し、その後、さらに多くの地域に拡大する予定とのことでした。日本は未定ですね。

海外での価格は 18,000 米ドル / 組織のようです。これはあくまで基本価格で、これに変動的な価格が加わり、Data Cloud のデータ量に応じた金額や、メールや SMS の配信数によってかかる金額が乗ってくるイメージかと思います。Marketing Cloud Engagement の Pro Edition が 15,000 米ドル / 組織 なので、それよりは少し高い感じですね。ただ、額面上、同じような金額なので、現在 Pro Edition を使っている企業や CRM 製品の方が使い慣れているという中小企業(SMB, Small to Medium Business)の場合は、このツールが日本で販売開始されたら、こちらに変更してみても良いのかもしれません。フローなどに慣れていれば、使い勝手としては Marketing Cloud Growth Edition の方が良いと思います


では、今回の記事は一旦ここまでとさせて頂きます。また更新があれば追加で記載して行きます。

今回は以上です。


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