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【第154回】 Einstein 送信時間最適化(STO)の評価について

この記事で私が考えてみたいのが、Einstein 送信時間最適化(STO)はどのような仕組みで購読者に対しての評価を行っているか?ということです。

これから私が説明する内容は、公式の見解ではないので、もしかしたら間違いがあるかもしれませんが、現時点での私の理解としてお伝えします。


まず、Einstein 送信時間最適化の評価は 1 週間に一度のみ行われます。この評価とは、Commercial の送信分類で送信されたメールが分析の対象になっていて、メールアドレスごと(❌️ 購読者キーごと)に過去 90 日分のエンゲージメントデータを分析して、その分析の結果を「購読者キー」に戻すことになります。Einstein Engagement Scoring もそうですが、Einstein は基本的にメールアドレスごとにデータを分析する仕組みになっているようです。

週に 1 度の評価のタイミングとはいつなのか?という質問に対しては、以下のように Einstein 送信時間最適化(STO)のダッシュボードでその日程が確認できます。

そして「購読者キー」に戻された分析結果に関しても、Einstein 送信時間最適化(STO)のダッシュボードで、小窓に「購読者キー」を入力することでそれぞれの分析結果を確認することができます。

<重要>
この分析がなされる前提として、その購読者に過去 90 日以内の「開封」または「クリック」のエンゲージメントデータがあることが必要になります。よって、評価が行われる 1 週間に 1 度のタイミングで、過去 90 日以内のエンゲージメントデータが 1 つもない「購読者キー」は評価がされません。

※ この『過去 90 日間以内に「開封」または「クリック」したデータ』があるのかないのかをどこで確認できるか?に関しては、以下のように、すべての購読者の「プロパティ」の「履歴」タブを開くことで確認できます

そして、先ほども述べました通り、この Einstein 送信時間最適化の評価は「メールアドレス単位」で評価がなされます

つまり、週に 1 度の評価の時点ですべての購読者のメールアドレスに、同じメールアドレスが登録されている「購読者キー」であれば、基本的には、同じ結果が戻されるということです

ここで「基本的に」と書いたのは、一時的に「新しい購読者」を作り、その「購読者キー」に対して「活発なメールアドレス」を付与しても、それは対象にはなりません、という意味になります。その「新しい購読者」にも 1 つ以上のエンゲージメントデータ(開封またはクリック)が必要です


さて、これらのことを鑑みて、私の Einstein 送信時間最適化(STO)の評価のイメージをまとめます。

「過去 90 日以内のエンゲージメントデータ(開封またはクリック)を持っている購読者」に蓄積されているエンゲージメントデータを、メールアドレス単位で吸い上げて、そのメールアドレスごとに分析を行い、分析後の結果を「過去 90 日間以内のエンゲージメントデータを持っている購読者」に対して、メールアドレスを頼りにして戻してあげているというイメージです。


いかがでしたでしょうか?

この私の理解が完全に合っているかは、正直分からないのですが、大きくハズレてはいないのではないかと思っています。

それでは最後に、今回の検証がどのような事に繋がっていくのか?という点についてですが、例えば、以下のようなケースです。

ある購読者のメールアドレスが途中で変更されたが、その新しいメールアドレスに対して、過去のメールアドレスで取得してきたエンゲージメントデータとしての履歴は有効なのか?それとも一度リセットされてしまうのか?

これは結論から言いますと、過去のメールアドレスで得たエンゲージメントデータは「有効」であり、リセットはされません

なぜなら、メールアドレスを変更しても、すべての購読者のプロパティにおける 90 日間の「履歴」タブの「開封」または「クリック」のエンゲージメントデータは削除されないからです

つまり、途中で新しいメールアドレスに変更されたとしても、変更前の 90 日間に「開封」や「クリック」がある等、活発な活動していた顧客であれば(👈️ この条件付きです)、過去のメールアドレスを使って得られているエンゲージメントデータを活用して「分析」は行われ、新しいメールアドレスになったとしても「何らかの」分析結果は戻される = 引き続き Einstein 送信時間最適化(STO)は有効であるということですね。

ここで、なぜ「何らかの」の部分を強調したかと言えば、新しいメールアドレスを使って、これまでの条件とは異なる分析が改めて行われますので、これまでの分析の内容と大幅に異なる可能性があるためですね。

今回は以上です。


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