詩 「霞」

街の片隅で
動けなくなった彼は
君を探していた

空は穏やかで
風は緩やかで
月は和やかで
とても静かな夜だった

君の足音を追って
君の残香を辿って
君の後ろ姿を見た

追う程に
近づく程に
彼と君の間に
とても濃い霞が掛かった

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