詩 「白」

だだっ広く拡がる
夏の曇空の様に
真っ白い紙の中で
探し物を探す眼だけが
滑らかに彷徨う

頭から少しずつ
白に溶け込むにつれて
探し物が何だったか
忘れてゆく

身体のほとんど全ては
白に溶け込んだが
眼だけはただひたすらに迷い
白の中を漂い流れる

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