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どんぐりと背比べしても同じくらい背丈は低い

稲穂を揺らす風が吹いたら飛ばされるくらい身は細い

蝉の鳴き声とクリスマスソングに掻き消されるくらい声は小さい

その低い背を目一杯伸ばして
その細い身で精一杯踏ん張って
その小さい声で語りかけている


はっと気づいたときにはもういない

さっきまでいたはずなのにもういない

いつまでもいてほしいのにもういない

いてほしいと思ったときにはもういない


音と色と温度を連れ去って冬を呼ぶ

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