詩 「月」

平面的な月の下
立体的な坂の上

蟷螂の翅のような
右足と砂漠の風の
ような左足の歩み

道は狭く暗い
空は温く丸い
街は重く硬い

月明かりの
届かぬ夜は
やわらかく
あたたかく
あいらしく

月から逃げるように歩む

足跡の歩幅は
少しずつ
広がっていく

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