詩 「透明」

白昼夢の鴉は
無色透明の羽毛を纏い
内臓や血流
あるいはひとつ一つの細胞まで
顕微鏡のような
高い解像度で見える

津波のような羽ばたき
地鳴りのような鳴き声
吹雪のような冷たい眼

決して群れない
孤独な飛翔が
灰色の曇り空とアスファルトの間を
見事に支配する

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