人生で大切なことはみんな農業が教えてくれた 後編
さて前投稿 https://note.mu/nobutonaoya/n/na56f26d6af61の続編「人生で大切なことはみんな農業が教えてくれた 後編」です。
まだ前編を読んでないという方は前編を読んでからでもいいですし、読まずにこの後編だけを読んでいただいても大丈夫です。気軽に読んでいただき、何か気付きや学びがあったなら幸いです。
目次
1.戦い方は複数個持っておく
2.自分の努力ではどうしようもない事に左右されない
3.スタートはいつだって質より量
4.何をするかより誰とするか
5.無駄だと思うことが人生を豊かにする
3.スタートはいつだって質より量
新しく何か物事を始める時、「出来ない」「続けるのがめんどくさい」ということで辞めてしまう、いわゆる「三日坊主」を経験したことがある人は少なくないと思う。
僕もこれまでの人生で何度も三日坊主になったし、その度に自分が情けなくなる。その一方で自分が本当にやりたいことではなかったことではないからこんなものかと自分を納得させる。
筋トレや英語の勉強やギター、どんなことだってスタートから上手く出来ることなんて滅多にない。
僕は生まれて初めて農業を仕事として経験した。右も左もわからない中、見よう見まねでやった。やるしかなかった。
当然最初から上手く出来るわけがなく、何度も失敗を重ね農家のお父さんお母さん、一緒に働いたに沢山迷惑を掛けた。
「出来ない」ことは、悔しいし辛いし自信を失う。落ち込むし出来ない自分に腹が立つし何よりも役に立てていないことへの申し訳なさで一杯になる。
勝手に劣等感を抱き毎日が憂鬱になる。そんな中でも続けてやってみた。というより僕にはやるという選択肢しかなかった。分からないことは聞いて、どうすれば出来るようになるか考え、量をこなした。
すると少しずつだけど出来るようになった。出来ることが増えると単純に嬉しいし仕事が楽しくなる。そして人の役に立てていることが実感できるともっとお父さんとお母さんの役に立てるようになりたい力になりたいという意欲が湧いてきた。また出来なかったことが出来るようになったという事実は僕の自信となった。何よりも人の役に立てていることがとても幸せだった。
出来るようになるまでには時間をかかるし、辛いことも苦しいこともある。それは当然のことで、掛かる時間は違えど誰だって出来ない時期はある。その時期を乗り越えることが出来れば嬉しいこと楽しいことが増えて、自然と自信を持てる。
出来ない、続けるのがめんどくさいのは本当にやりたいことではないからだと早々に見切りをつけずに少しだけでいいからもがいてみる。
人生をかけてやりたいことは、運命的に出会うものではなくて最初はやりたいか分からないけれど続けてみることでやりたいことになっていくこともあると思うから。
4.何をするかより誰とするか
僕は農業を営む夫婦の農家のもとで働かせてもらっていた。自分と同じように働いている人が自分を含め4名いた。30代後半で住み込みの仕事をしながら生活している葉タバコ2度目の女性、30代前半でワーホリや海外放浪を経験してきたこちらも葉タバコ2度目の男性、新卒で働いていたけれど辞めて新たな挑戦を始めた初めて農業をする女性、この3人の方と一緒に仕事をしていた。農家のお父さんお母さんをはじめ、一緒に働いた人たちとの出会いはかけがえのない財産になった。
前章で量をこなし、出来ない時期の辛さや苦しさを乗り越えて出来るようになれば楽しくなる自信が持てるということを書いたが、ひとりで乗り越えるには難しい時もあると思う。そんな時は仲間をみつけると乗り越えられたりする。
実際に僕は一緒に働く人たちがいたからこそ2か月半やり切れた。
何度も言うが、最初のうちは沢山失敗をした。小さな失敗も大きな失敗も沢山した。その度に落ち込み自信を失いそうになった。
でも周りの人たちはそんな自分を受け容れてくれた。失敗しても笑ってカバーしてくれた。だから出来るようになるまで続けられたし何としてでも役に立てるようにと頑張れた。少しずつ出来ることが増え、周りの人たちの役に立てていることが何よりも幸せだなあと感じたのと同時に、近くの大切な人を守るため助けるため役に立つために、人は成長するのだと想った。「成長したい」が口癖の成長意欲の高い人は沢山いるけれど、成長することは一手段にしか過ぎないのだと思う。
この人を助けたい、あの人の力になりたいということを成し遂げるために僕らは成長するんだ。
何をするかより誰とするか。
好きなことや得意なことを仕事にしたとしても、同じ空間にいて心地よくない人や価値観が大きく異なる人と仕事をすると好きなことが嫌いになったり得意なことも力が発揮できなくなるかもしれない。逆に最初は好きではないこと得意ではないことも、一緒に辛いこと苦しいことを楽しんで乗り越えられる人とすれば好きなこと得意なことに変えられると思う。
僕自身ずっと「何をするか」「やりたいことがない」ということで悩んでいた。でもみんながみんなやりたいことをすぐに見つけられるわけがない。やりたいことと運命的な出会いを果たすことが出来る人はほんの一握りの人だけ。
ただそこで悲観することはなくて、やりたいことを見つけることは出来ないかもしれないけれどやりたいことを創っていくこと育んでいくことは出来る。一緒に楽しめる「誰か」がいれば人生をかけてやりたいことを自分で創造したり育んでいくことが出来る。
5.無駄だと思うことが人生を豊かにする
時間は大事にしよう、効率良く働こう、無駄は省こう、と効率の良さを求め効率の悪い無駄なことはとことん排除される時代になった。
なぜ効率の良さを求めるのか。効率が良いと、疲れない。身体的にも精神的にも疲労を軽減出来る。また時間を創出することが出来る。創った時間で他のことに時間を使えたり自分の時間を持つことが出来る。
効率が良いとなんだか人生が豊かになりそうだなあと思う。というより実際に豊かになるだろう。
ただその一方で今排除されつつある無駄だと思われること無意味だと思われることも人生を豊かにするんじゃなかろうかと勝手に思っている。
例えばせっかちな人にとってぼーっとしている時間は無駄だと思うだろう。タピオカが好きではない人にとってはわざわざ行列に並んで待つことは無駄だと思うだろう。僕が2ヶ月半仕事してやっていた農業も無駄だと思われることかもしれない。農業で得た技術や知識が今後の人生で役立つという保証はないし少なくとも今すぐに活かされることはない。「今すぐ」に活きるということで言えば、ベンチャー企業でインターンしたり海外留学したことで得た学びや経験の方が圧倒的に活かされると思う。そういった経験が人生を豊かにする、人生の役に立つということは当然分かる。
僕らは常に分かりやすさや効率の良さ、すぐ役に立つものを求めている。本だって映画だって仕事だって恋愛だって何だって分かりやすく効率良くすぐに役立つものが良いものだと信じて疑わない。
無駄だと思うことや無意味だと思うこと、人生の役に立たないことがなぜ人生を豊かにするのか。
それは僕らに「問い」をもたらしてくれるから。
なぜこうなのか、これはどういうことなのか、これはどう活かされるのかという「問い」を与えてくれる。無駄だからこそ無意味だからこそ僕らは問いを立て思考し色んな経験を積んでいく。今は無駄無意味だと思うこともいろんな経験を通して少しずつ紐解いていくことで「ああこういうことだったのか」と分かるようになる。無駄なこと無意味なことに時間を使うのは遠回りしていると思うかもしれないけれど、その遠回りした経験がきっと人生のどこかで力を貸してくれると信じている。敢えて遠回りをする必要はないけれど、遠回りをした分だけ人生に深みが出ると想う。曖昧過ぎる表現で全く確証もないけれど、僕が出会ってきた中で魅かれる人はみんな無駄だと思うことをやってみたり遠回りをしてきた人だった。
効率の良さを求める時代だからこそ僕は遠回りだとしても無駄・無意味と向き合っていきたい。
最後に
前編後編どちらも読んでくれた方もどちらかしか読んでない方も読んで頂き本当にありがとうございました。
このnoteが多くの人に届いてほしいなんてことは思っていません。今まで密に関わってくれた人や読むのを楽しみにしてくれている人に僕が経験したことを共有し何かメッセージが届けば良いなと思って書きました。
拙い文章ではありますが最後まで読んで頂きありがとうございました。
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