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人生で大切なことはみんな農業が教えてくれた 前編

突然だけれど、読んで下さっている人の中に農業を仕事としてやったことがある人はどのくらいいるだろうか。

僕は4月11日から6月27日までの約2ヶ月半沖縄県は伊江島という離島で農業をしていた。
僕のことを知る人はもしかしたら驚いているかもしれない。
それもそのはずで、僕は幼い頃から大学までサッカー一筋で勉強もサッカーもある程度両立させてきた「体育会系の真面目な奴」だったから。そんな奴が大学を卒業せず休学して離島で農業をしていたって言うのだから。

約2ヶ月半の伊江島農業生活を振り返って、心の底から行って良かったなと思う。そう思える要因は沢山あるのだけれど、その中でも実際に農業を仕事としてやってみて得たことや学んだことを書こうと思う。

なぜ離島で農業をしたのかなど詳しい話が聞きたい方はまた個別で連絡を下さい。

目次
1.戦い方は複数個持っておく
2.自分の努力ではどうしようもない事に左右されない
3.スタートはいつだって質より量
4.何をするかより誰とするか
5.無駄だと思うことが人生を豊かにする

1.戦い方は複数個持っておく

まず初めに、農業と言っても、具体的にどんなことをしていたのか少しだけ触れると、主に葉タバコの栽培と収穫だ。ちなみに↑の写真は葉タバコの畑の写真。他にもマンゴーなども栽培していたのだけど仕事の大半は葉タバコの仕事。
葉タバコは下の葉っぱから順にAP1という2人乗りの機械に乗りながら収穫をする。次に収穫した葉っぱを乾燥させる。5日ほど乾燥させた後、乾燥した葉っぱの中から出荷する葉っぱを選別し圧縮する。ここまでが僕が実際にやっていた仕事だ。他にも薬を撒いたりなどの仕事もあったが主にはこのような仕事のサイクルを繰り返す。仕事の内容はこのような感じで、ここから農業を通して感じたことや学んだことについて書いていく。

前述のとおり、葉タバコの収穫はAP1という機械に乗って一本のたばこの花につき3~4枚の葉っぱを収穫するのだが、その葉っぱの取り方は農家によって異なる。片手で1枚ずつ取る取り方があれば、両手で一気にとる取り方もある。僕が働いていた農家では決まった取り方はなく自分のやりやすい取り方で収穫していた。ところが、他の農家の人に話を聞くと全然違う取り方をしていることが分かった。翌日他の農家の取り方を実践してみるとかなり取りやすくスムーズに収穫することができた。下の葉っぱを収穫するときはその取り方がスムーズで良かったのだが、上の葉っぱを収穫するときは下の葉っぱより比較的取りやすいためスピーディーに取ることが求められる。そのため片手で取るより両手で一気に取る方が断然スピードは上がる。収穫時期の後半は上の葉っぱを取るので両手で一気に取る取り方で収穫していた。
このように状況に応じて取り方を使い分けることが出来ると疲労を少なくしてかつスピーディーに収穫を行うことができた。
で、戦い方を複数個持っておくことは葉タバコの収穫に限らず、普段の生活でも重要なことだなと思う。

例えば、人と会話する時伝え方や聞き方がひとつしかないのと複数個あるのとではどちらの方が相手の深い所を聞き出すことが出来るだろうか。言わずもがな後者だと思う。
ぐいぐい質問してもそれに乗っかって答えてくれる人もいれば、ゆっくり時間をかけて心を開いてくれる人もいる。相手の性格や関係性、雰囲気などでコミュニケーションの取り方というのは変えれることができた方が良い。声のトーンや話すスピードなどを上手く使い分けることが出来ると、色んな特性や背景を持った人と深い話が出来る可能性が高くなると思う。
また、スポーツにおける戦術においても同様のことが言える。
自分たちのスタイルや得意な戦い方というのは当然持ちながらも、相手の特性や強み弱みによって戦い方を変えられると勝率は上がる。

このように戦い方を複数個持っておくと出来なかったことが出来るようになったり、沢山のパワーが必要だったことも6割の力でやることが出来たり、人生が少し変わりそうだなと思いますね。ただ絶対ということはなくて、戦い方を複数個持ってるからといって必ず上手くコミュニケーションを取れたり必ず勝てるわけではなく、少しばかり良い生き方が出来るかもということだけのことなんだということは押さえておいていただきたいなと。

2.自分の努力ではどうしようもないことに左右されない

生きていれば理不尽なことや自分の努力ではどうしようもないことなど数え切れないほど経験すると思う。
何も悪いことをしていないのに人に嫌われたり無視されたり、長男だから我慢しなさいと躾られたり、練習に遅刻したから坊主にさせられたり、この世の中は理不尽なことで溢れている。僕らはそういった理不尽なことに耐え必死に生きている。ただ理不尽なことや自分の努力ではどうしようもないことと向き合い過ぎて心が疲れてしまうのはもったいない気がしている。

農業を仕事にしていると、天気というのは切っても切り離せないものである。天気によってその日の仕事が決まるし予定もどんどん変わる。明日は雨の予報だから休みの予定だったけれど、晴れるから仕事をすることになったり、逆も然りで仕事をする予定だったけど雨だから休みになったり。平年通りの天気であれば葉タバコは順調に成長するが、雨の日が多かったり台風が来たりすると、仕事の予定ややり方が変わっていく。最初のうちはいちいち心が動かれていたけれど、だんだんと「これは自分の努力ではどうしようもないな」と気づき左右されないようになった。自分の努力ではどうしようもないことを受け容れるというか上手く付き合うことが出来れば心が動かされて疲れることも少なくなるかなと思う。

もしかしたら長い時間をかけて理不尽なこと、自分の努力ではどうしようもないことと戦い続ければいつか変えられるかもしれない。でもそのことに自分の大事な時間を費やすのはちょっともったいない気がする。
やっぱり自分の人生だから好きなことややりたいこと幸せだと感じることに時間を使いたい。ありきたりなことだけれど、どうすることもできない未来に不安を抱くのではなく今ある環境今あるリソースで今を生きるしかないのだと思う。
とにかくここで伝えたいことは、理不尽なことや自分の努力ではどうしようもないことに悩みすぎず、その環境でどうすれば楽しめるかを考えてみようということ。どれだけ考えても楽しめる術がないのであれば、無理せず避難しても良い。やる仕事も住む場所も関わる人も全て選ぶ権利が僕らにはある。
どんな仕事をしてもどんな場所に住んでも自分の努力ではどうしようもないことはきっとあるから、まずは心が疲れないためにはどうしたら良いか、そして楽しむためにはどうしたら良いか少しでいいから試行錯誤して頑張ってみよう。
何度だって言うけどどうしても難しいなら逃げたっていい、それだけ考えたのなら充分だとも思うから。

一旦前編はここまでです。書いていくうちに書きたいことが溢れてきて乱文になってます。ただそれだけ良い経験だったんだなあと改めて思います。
後編はまた近日投稿します。ここまで読んでいただきありがとうございました。

#農業 #離島 #葉タバコ #人生で大切なことはみんな農業が教えてくれた

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