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詩日記

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日記的詩
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2023年3月の記事一覧

意志

意志

どうでもいいことで溢れた世界で、どうでもいいことを鼻で吸って、どうでもいいことを口で吐いて、どうでもいいことを目で見て、どうでもいいような顔をして、どうでもよくなった自分は、どうでもよくないと思い続ける心とたたかってる。

協力

協力

自分がやりたいことをやるために、もうひとりの自分がやりたくないけどやらなければならないことを、やる。ふたりの自分を自分が応援している。

消失

消失

おとなは笑い、こどもは泣く

おとなは喜び、こどもは泣く

おとなは昂り、こどもは泣く

おとなが生きるための世界でこどもは泣いている

おとなが生き延びるための世界でこどもは泣き続ける

おとなが生き存えるための世界でこどもは泣くのをやめた

おとなは泣いて、こどもは消えた

散々

散々

昨日も今日も明日も、過去も今も未来も、君も貴方もお前も、朝も夜も、春も秋も、あれもこれもどれも、みんな全部、桜みたいに散ってほしい、それかわたしひとり桜と一緒に散りたい。

曲調

曲調

短調で低音で無味で淡々としたリズムで俯いて歩くわたしは、長調で高音で多彩で抑揚のあるリズムで前向きに歩くきみみたいに歩いてみたかった。わたしはきみみたいに歩けなかったけど、きみと隣合って奏でる曲は最高に心地良くて、わたしは俯いた顔を少しだけ上げてわたしなりのリズムを刻む。

人口減少

人口減少

ひとり

またひとり

ひとが失われ

一体

また一体

ヒトが増えた

緑が失われ

ミドリが増えた

光が失われ

ヒカリが増えた

愛が失われ

AIが増えた

温度が失われ

ひとが失われた

春雨

春雨

あたたかいね

と、きみが言う

ポツリ

そうだね

と、ぼくが言う

ポツリ

桜がきれいだね

と、きみが言う

そうだね

と、ぼくがいう

ポツリ ポツリ

雨だね

と、きみがいう

そうだね

と、ぼくがいう

ポツリ ポツリ 

傘持ってる?

と、きみがいう

持ってないよ

と、ぼくがいう

ポツリ ポツリ ポツリ

じゃあ、また

と、きみがいう

じゃあ、また

と、ぼくが

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満腹

満腹

つらくても、かなしくても、なきたくても、くるしくても、つかれていても、ねむれないよるも、おなかはすくんだから、たらふくおなかいっぱいになって、ふとんにはいったら、きっとぐっすりだよ。

主役

主役

主役であることに迷い悩み考えながら頑張って紡いできた僕の物語に突如として現れ誰よりも輝き瞬く間に主役の座を奪い僕は僕の物語の脇役を演じる。

スポットライト

スポットライト

スポットライトの光を浴びて瞬きもしないでスポットライトより輝く君が眩しくてスポットライトの光を浴びたわたしはスポットライトの光が眩しくて目を閉じて誰にも気づかれないように影になって消えた。

ハイライト

ハイライト

いちばん温かくて、いちばん明るくて、いちばん美しい光は、いちばん寒くて、いちばん暗くて、いちばん寂しい時間に、現れる。

プライド

プライド

わたしだけの世界で、わたしがわたし以上で居続けるために誇っている壁のせいで、あなたといる世界と隔絶されあなたといる世界に拒絶されあなたといる世界と断絶した、わたしの世界は暗くてぬるい。

経験

経験

過去の経験が今続く道をつくって、過去の自分が選んだ道の先に今の自分がいて、過去のガラクタが今の宝物になって、今の自分は過去の自分たちと手を繋いで今を歩いていく。

虚偽

虚偽

見えないふりをしていたら

ほんとうに見えなくなった

聞こえないふりをしていたら

ほんとうに聞こえなくなった

感じないふりをしていたら

ほんとうに感じなくなった

ふりをしていたら

なにもなくなった