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詩日記

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延藤 直也
延藤 直也

延藤 直也

ひとりにしてください

ひとりにしてください

和を乱してすみません

ノリが悪くてすみません

空気が読めなくてすみません

みんなと同じでなくてすみません

みんなと仲良くできなくてすみません

みんなと笑って喜んで楽しめなくてすみません

どうか

ほっといてください

触れないでください

気にしないでください

関わらないでください

ひとりにしてください

それだけです

延藤 直也

延藤 直也

無駄

無駄

君にとっての趣味も、ぼくにとっては仕事で

お前にとってのガラクタも、おれにとっては宝物で

あなたにとっての無駄も、わたしにとっては幸せ

延藤 直也

延藤 直也

定食屋

定食屋

熱い茶

かぼちゃの煮物

ほうれん草のお浸し

大根の漬物

わかめのぬた

鶏の唐揚げ

鯖の塩焼き

しじみの味噌汁

白米

客席でテレビを見ながら接客する奥さん

厨房でテレビを見ながら料理する主人

他人の家の日常に入り込んだみたいな時間

延藤 直也

延藤 直也

明日やろう

明日やろう

明日やろう、と思った数だけひとは老けていく

今日やった、と言った数だけひとは若くなっていく

延藤 直也

延藤 直也

多様性

多様性

いろんなひとがいていいって言ってるけど、いろんなひとがいてほしくないって思ってる、いろんなひとたち。

延藤 直也

延藤 直也

今度やろう

今度やろう

老後、田舎で暮らそう

10年後、海外旅行しよう

3年後、転職しよう

来年、資格を取ろう

半年後、ジムに行こう

来月、カメラを買おう

来週、紅葉を見に行こう

明後日、映画を観よう

明日、やろう

今日、終わる

一生、終わってた

延藤 直也

延藤 直也

二日目のカレー

二日目のカレー

食べずに待つ

触らずに待つ

開けずに待つ

寝て起きたらおいしくなってる

待つ時間が調味料

延藤 直也

延藤 直也

元気があれば

元気があれば

もっと明るければ

もっと元気があれば

もっと活発であれば

もっと覇気があれば

もっと楽観であれば

もっと大声であれば

もっとよく笑えれば

もっとたのしく生きられるのに

濡れたアスファルトを見ながらそう思ってる

延藤 直也

延藤 直也

自分のためでいいかな

自分のためでいいかな

自分のために働いて

自分のために食べて

自分のために休んで

自分のために書いて

自分のために読んで

自分のために話して

自分のために聞いて

自分のために喜んで

自分のために怒って

自分のために悲しんで

自分のために楽しんで

自分のためで何が悪いの

延藤 直也

延藤 直也

わすれたぶん

わすれたぶん

たくさんまなんで
たくさんわすれて

たくさんかんがえて
たくさんわすれて

たくさんなやんで
たくさんわすれて

たくさんまちがえて
たくさんわすれて

たくさんおもって
たくさんわすれて

わすれたぶんだけ
自分になるから

延藤 直也

延藤 直也

青い

青い

熟れなくていい、いつまでも青いままで

すっぱくていい、いつまでも青いままで

固くていい、いつまでもいつまでも青いままで

延藤 直也

延藤 直也

黙れ

黙れ

すみません

声のトーンを落としてください

申し訳ございません

声のトーンを落としてください

すみません

声のトーンを落としてください

申し訳ございません

静かにお過ごしください

すみません

静かにお過ごしください

申し訳ございません

静かにお過ごしください

すみません

うるさいです

申し訳ございません

とてもうるさいです

すみません

静かにしろ

申し訳ございませ

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延藤 直也

延藤 直也

えいやっ

えいやっ

えいやっ

仕事を休む連絡をせずに昼まで寝て

スーツを着ずにTシャツジーパン着て

職場の最寄駅で降りずに海が見える駅で降りて

上司からの電話も出ずにコンビニで缶ビール買って

取引先からのメールも読まずに夕日が見えるまでぼーっとして

友だちからのLINEも返事をせずに風に吹かれて

電車に乗らずにタクシーに乗って

自炊もせずに汚れた中華料理屋でラーメンとビールを食って

誰からの連絡にも

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延藤 直也

延藤 直也

17時

17時

そろそろ帰ろうか

帰りたくない

ぼちぼち帰ろうか

帰りたくない

暗くなる前に帰ろうか

帰りたくない

さてさて帰ろうか

帰りたくない

暗くなったし帰ろうか

帰りたくない

もう少しだけいようか

ううん帰ろ