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詩日記

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2022年9月の記事一覧

心の荷物

心の荷物

年を重ねるごとに、荷物が増えていく。手に持って胸に掛けて背に負って歩いていく。重くなった身体とのバランスを取るために、心は軽くしていく。

忙しない日々

忙しない日々

寝て起きて仕事、寝て起きて仕事、時々休み、また寝て起きて仕事。忙しない日々の中、身体は疲弊し心は一杯一杯。頑張ってる感と前に進んでいる感と成長してる感で満たされていく。ふと、顔を上げて後ろを振り返ってみる。景色は変わっていない、誰もいない、自分はあの時のまま。

所有と贈与

所有と贈与

持つことは与えること

手に入れることは手放すこと

貰うことは贈ること

裏側

裏側

見たくない聴きたくない臭いたくない触りたくない感じたくないものが、そこにはある。表側にいれば、見えない聴こえない臭わない触れない感じないものが、そこにはある。表側と切り離された世界ではなく、表側と繋がっている世界が、そこにはある。見えないふり聴こえないふり臭わないふり触れないふり感じないふりばかりして、表側にいるつもりでも裏側にいる。

よく遊んでよく食べてよく寝て

よく遊んでよく食べてよく寝て

よく遊んで、よく食べて、よく寝れば、よく笑える

存分に走ればお腹が空いて、空腹を満たせば眠くなって、朝になれば外へ出る

遊ばない、食べない、寝なければ、よく怒る

遊ばなければお腹が空かない、食べなければ眠くない、寝なければ外へ出たくない

よく遊んで、よく食べて、よく寝れば、大丈夫、笑えるようになる

一輪の薔薇

一輪の薔薇

忙しない日々の中にいる
前だけ見て、転けないように足元に気をつけて、目的地まで一目散に走り抜ける

忙しない日々の中にいる
朝起きる、仕事に行く、飯食う、夜寝る、朝起きる、仕事に行く、飯食う、夜寝る、朝起きる

忙しない日々の中にいる
一日はあっという間で、昨日と今日は変わらない一日で、明日もきっと同じ一日になる

忙しない日々の中にいる
ふと外を見てみると、昨日まで咲いてなかった薔薇が一輪咲いて

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期待

期待

期待しないで、きっと応えられないから

期待しないよ、ずっと待っているよ

期待しないで、どうせ裏切ってしまうから

期待しないよ、でも信じているよ

期待しないで、たぶん悲しませるから

期待しないよ、たぶん大丈夫だよ

期待しないで、いつかやるから

期待しないよ、いつでもいいよ

期待しないで、あなたと居たいから

期待しないよ、あなたと居たいから

ガチャ

ガチャ

コインをカチャンと入れて、ガチャガチャポンッ。

はじめまして、お父さんお母さん。
中を開けてみると、綺麗な形だけど、温もりはありませんでした。
残念、ハズレ。

コインをカチャンと入れて、ガチャガチャポンっ。

はじめまして、先生に友だち。
中を開けてみると、全部同じで、違うところがありませんでした。

コインをカチャンと入れて、ガチャガチャポンッ。

はじめまして、上司に同僚。
中を開けてみる

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目の前にあるありがとう

目の前にあるありがとう

目に見えない人へのありがとうより、目の前にいる人へのありがとうからはじまる世界。

真面目

真面目

誠実だけど、不器用だったり。本気だけど、疲弊したり。褒められるけど、呆れられたり。信頼されるけど、嘘つかれたり。鋼鉄のようだけど、ガラスだったり。ひとつの正義は守るけど、もうひとつの正義を攻撃したり。真っ直ぐだけど、愚かだったり。自分を守るために研ぎ澄ました剣だけど、あやまって誰かの心を刺したり。

あなたのものとぼくのもの

あなたのものとぼくのもの

あなたが探しているものは
ぼくが求めていないもの

ぼくが探しているものは
あなたが捨てたもの

あなたが見ているものは
ぼくが諦めたもの

ぼくが見ているものは
あなたが見たくないもの

あなたが感じているものは
ぼくが感じられないもの

ぼくが感じているものは
あなたが見て見ぬふりをしたもの

人生の主役

人生の主役

君自身の目に映る君よりぼくの目に映る君、君自身の耳に聴こえる君よりぼくの耳に聴こえる君、君自身の心に感じる君よりぼくの心に感じる君、ぼくの目に映る君より君の目に映る君を見つめて、ぼくの耳に聴こえる君より君の耳に聴こえる君を聴いて、ぼくの心に感じる君より君の心に感じる君を信じて、ぼくの人生の主役は君ではない、他人の人生ではせめて脇役であれ、そして自分の人生の主役であれ。

部活

部活

努力する自分に酔いしれ報われるはずのなかった努力、短期的な快楽に溺れて諦めるしかなかった可能性、圧倒的な才能を持つ自分以外の誰かに嫉妬し閉ざした選択、中途半端に追いかけて都合よく叶わなかったことにした夢、後悔はないと自分に言い聞かせれば言い聞かすほど滲む後悔、一度離れればそれっきりの仲間、他人に聞かれても語るほどではない過去、そこに青く眩しい物語はなく灰色に霞む断片。

泣く子怒る爺

泣く子怒る爺

お爺さんが泣き止まない子どもの母親に怒っている。兎に角怒っている、起こり散らしている。周りの人は横目に見て見ぬふりをしながら素通りしていく。お爺さんは怒る人なんだと思われ、子どもは泣く子なんだと思われる。違う、その時偶々子どもが泣いて、そこにいたお爺さんが怒った、という事象のみがそこにはある。