少年の国 第27話 釜山の病院
翌朝、僕はハンメの手を引いて釜山行きのバスに乗るため町に向かった。途中で龍大の家に立ち寄り、彼に理由を説明して、ハンメと一緒にバス停のある幹線道路へ向かった。
バス停でどれだけ待ったことか。やはり戦争の影響か、なかなかバスは来ない。やっと来たバスは満員だった。ガイドと思われる女性が「満員だから乗れない」とあしらうように僕とハンメを追い払おうとしてきた。僕は必死で叫んだ。
「叔父が釜山の病院にいます! 負傷兵なんです。ハンメの息子が死ぬかもしれないんです。お願いですから