少年の国 第7話 アボジとハンメ
父の買った田圃はすでに収穫が終わっていたが、かなりの広さだった。
「海守、来年になったらお前もこの田圃を手伝うんだぞ」
父は何だか妙に張り切っていた。以前、水害で家の田圃を失い、それから十五年ぶりくらいで、自前の田圃を取り戻した、しかも自分の力でそれを成し遂げたのだから、感慨深いものがあったのだろう。
同時に高揚感もあったろうし、毎晩嬉しそうに酒を飲んでいた。日本にいれば、母が文句を言ったのかもしれないが、ここには誰も止める人もいない。ついつい、飲み過ぎては大きな