週末のBloombergより
◆今週は「起こらなかったこと(政府閉鎖、インフレ、米中衝突)」がとても重要だった1週間。
◆インフレ落ち着き+軽い経済減速の組み合わせで、株・債券ともちょっと早めのサンタクロースラリー(株+2%強、10年金利▲22bp)。
◆但し、インフレ押し下げは最後の一押しが大変で、市場が期待しているような来年4回もの利下げはまだ確信しづらい。
◆日本の円安/マイルドなインフレ、企業ガバナンス改革、個人投資家支援策、中国からのシフトは、海外投資家から相応にポジティブな要因と目されている。但し、日中からの米国債減少圧力には注意が必要。
◆兵役招集はイスラエル経済を下押ししているが、R&Dや投資は何とかギリギリ回っている。安全保障に対するレジリエンスやいざという時の国民の結束は、ポピュリズムで分断されがちな西側諸国も見習うべき。
◆50年くらいかけて12兆ドル産業にまで成長したプライベートエクイティ(ブラックストーン、KKRなど)はもはやエスタブリッシュメントサイドにいる。金融だけでなく、中小企業に欠けている経営ノウハウまで提供して、付加価値と雇用を生み出すようになっている。
◆今後AI活用が進むにつれ、公開情報は全てコモディティ化(価値が低下)するため、プライベート領域の価値が一層高まる。
◆米中が対話を再開したこと自体は朗報。但し、今すぐにではなくても、中国が昔のソ連のように、国内経済の苦境から目を逸らすために外に対して軍事的強硬路線に打って出てくるリスクは過小評価すべきでない。
◆政府閉鎖は来年1月に先送りされただけ。今後必要になる軍事費負担増などを考えると、米財政の健全化は喫緊の課題であることを忘れてはならない。