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第4章 サーバントが大切にする10の考え方

サーバントの考え方

考え方は行動のもとになる価値観です。何のためにするのか。何を基準にして判断するのか。「私は何者なのか」という人生哲学と呼んでもいいでしょう。大きな人生の目標、仕事への取り組み方、人間関係において大切にすべきことなど、具体的な指針のもとになるものです。

目に見える行動は、目に見えない考え方が表に現れたものです。家庭、仕事、仲間、地域コミュニティなどありとあらゆる場面において、です。「どう考えるか」は、「何を願うか」という志のもとになり、志から「何をするか」という具体的な行動が生まれます。

たとえば、「成功は飛躍ではない、積み重ねだ」と考える人は努力型の生き方を志し、コツコツと地道な作業を繰り返すことを選択するでしょう。「私の価値は人からの評価で決まる」と考える人は八方美人型の生き方を志し、相手に気に入ってもらえる行動を選択するでしょう。同じ状況でも、考え方ひとつで志が変わり、実際の行動が変わってきます。考え方とは、人の歩みの根底にあり、非常に重要なものです。

サーバントになるために

ですから、サーバントになるためには、まずサーバントの考え方を理解することが必要です。行動を真似すれば、サーバントらしくふるまうことはできます。しかし、サーバントになることはできません。コスプレをしてアニメのキャラクターを演じることはできても、そのキャラクターになることはできないのと同じです。内面、つまり生き方の根本がサーバント仕様になる必要があります。サーバントの考え方を自分のものとするとき、実際にもサーバントとして生きている自分を発見するでしょう。

紹介するのは「10の考え方」ですが、十通りの別々な考え方ではありません。十個の考え方がセットになったものです。一つひとつの考え方はお互いに関係し合っています。これは採用するけれどあれは採用しない、ということはできません。つまみ食いのようにいいとこ取りをしても、残念ながらチグハグになってしまいます。ひと続きの考え方のセットであればこそ、一貫した、ぶれない歩みになります。

「サーバントが現実世界をどう見ているか」「何を大切にしているか」「何を信じているか」を理解するとき、そうなのかと納得することもあるでしょう。サーバントは風変わりな人、特別な能力のある人、現実からかけ離れた人ではありません。ごく普通の人が、サーバントの考え方を実際に生きているだけのことです。サーバントのトータルな考え方を理解すれば、自分がサーバントとして生きる姿をイメージすることもできるはずです。

より深く理解するために

次の章から、各章ごとにひとつの考え方を取り上げます。「サーバントが大切にする10の考え方」は順不同です。興味をもったところから読み始めてください。

各章の前半では考え方について説明します。サーバントはどう考えるのか。なぜそう考えるのか。この考え方だと何が変わってくるのか。サーバントの価値観を深く理解することができるでしょう。

後半ではその考え方にまつわるストーリーを紹介します。聖書の人物のストーリーと、私が出会った方々の経験をもとにしたストーリーです。自分の身のまわりの状況を重ね合わせるように読むとよいでしょう。


一歩一歩、サーバントの旅を続けていきましょうね。準備はいいですか。

ほめられると調子に乗って、伸びるタイプです。サポートいただけたら、泣いて喜びます。もっともっとノートを書きます。