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離乳食:赤ちゃんに口移しや噛み与えをすると虫歯になるから止めた方がいい。は本当なのか?

Facebookに「半澤直樹」の動画が流れてくる。
見始めるとやめられないばかりか、つい、自分が謎ときモードに入る。

私のもっぱらの関心事は、赤ちゃんの成長発達の保障である。
そこに疑問がわくと、つい「半澤直樹」になる。

仲間と情報交換しながら、
バンカー(銀行員)ならぬケアギバー(お世話する人)はどうすべきか、
を追及してきた私の今回の疑問は、

30年前の自分の子育てのときから指摘されてきた
「赤ちゃんに口移しや噛み与えをすると虫歯になるから止めた方がいい」
は本当なのか? 
というものである。

今回、多くの人の助けを得て、この疑問に対する回答を見つけ出すことができた。離乳食の時期の赤ちゃんの食事に苦労しているケアギバーと、離乳食関連の仕事をしている専門家の方に読んで欲しい。。

*********************

「赤ちゃんに口移しや噛み与えをすると虫歯になるから止めた方がいい」
私はこれを保健所で保健師さんから聞いた。

え?という感じだった。本当に?

私の子育ては、子育ての大変さが言われ始めた頃と重なる。
つまり核家族化が進み、父親の帰宅は遅く、ワンオペの子育てが広がり、保育園に預けるのはかわいそうと言われ、専業主婦が四苦八苦していた頃である。大家族の中でわいわい言いながら、赤ちゃんにもついでに食べさせる、という感じではなく、家に残った母親が赤ちゃんと向かい合いながら、一所懸命赤ちゃんのためにつくった離乳食を、一匙一匙食べさせるという図が浮かび上がる時代である。

私は自分が幼少期からの虫歯で大変だった。だから、もし本当だったら、自分の子どもを苦しませることになると脅された気がした。どうしよう?!と思った。

かつて、専業主婦なんていない時代、子だくさんの時代、ミキサーもレンジもなかった時代、コンビニもレトルト食品もなかった時代に、ケアギバーたちはどうしていたのか。。

食材そのままでは歯のない赤ちゃんは咀嚼できないから、
親がかみ砕いて小さくし、赤ちゃんでも飲み込める柔らかさや大きさにしてくちゃくちゃすることで、味付けも薄くして消化を助ける唾液も加えて?あげていた。

親鳥が幼鳥に餌をやっていることをイメージしてみてほしい。
一度、口の中に入れたエサを、赤ちゃんにあげている。

だから、わざわざ離乳食を作る必要はなかった。
私もそうして育てられたし、そういうものだと思っていた。
それを否定された。

赤ちゃんの月齢、体調やご機嫌に合わせた離乳食を作るのは、慣れていないと大変だ。
たとえ気を配って作っても、赤ちゃんはちょっとしたことで、食べたり食べなかったりするから、わざわざ作って食べてもらえないと新米の親はイライラする。投げやりになる。

小人数分の料理をつくるのは、大人数分作るのよりむしろ大変なことがあるし、作り手が多くないところ、狭い台所で料理を作るのは大変だから、
大人の分と赤ちゃんの分を作り分けるなんて、できればしたくない。

そんな中で、当時、友人宅に行って驚いたのは、
友人が毎曜日ごとに棚を区切っていて、
そこに毎曜日、三食ごとに異なる瓶詰の離乳食を保存していたことである。昼食時に、友人がそこから一つ瓶を取り出して、赤ちゃんに与えた。
これなら口移しは必要ない。清潔なスプーンで与えればいい。
シングルマザーの彼女なりの子育てだった。

それでいいという人もいる。割り切れば楽だ。
30年後の今はこんな本も売れているらしい。手作り不要とうたっている。

でも、私は、自分が毎食、瓶詰やレトルト、市販のお弁当を食べる生活はしたくない。栄養学的にいいかもしれないし、味もいいかもしれないけれど、

赤ちゃんには、スプーンで自分だけ違うものを与えられるのではなく、家族が食べているいろいろなーものの中から、徐々に自分の目で食材の微妙な色を見分け、味や触感や温度を区別し、好きなものを選んで手づかみ食べする時期を体験させたいし、周囲の人が食べているものを自分も食べたいと思う気持ちを育てたいし、脳と手のつながりをコントロールする感覚も学ばせたい。
認知症の高齢者に素材のわかる食事を形のある状態で出すと、認知機能が高まるというのと同じように。
(そうして育っていない人もいると思うし、いろいろな育ち方があると思っているけれど、私はそうしたいということ)

保育園の調理師さんとかおばあちゃんとか、手の込んだ離乳食作りを自分以外でやってくれる人がいればいいなと思うけれど、そんな人はいない。
自分でまじめにやれば、離乳食づくりは大変なのだ。ずっと台所に立って、泣いている赤ちゃんを待たせているということも起こりうる。

そんな状態よりは、便利なものに頼ってゆったりしていた方がいいと思うから、人の育て方は単純に言えないというのは大前提。

そもそもいまどきは10代の頃からコンビニのおにぎりやスープ春雨やカップラーメンを食べ、お弁当を買っていた若者たちが、30そこそこで結婚するわけだから、急に我が子のためにと言われても、簡単に調理などできるわけがない。

しかも今の赤ちゃんたちは、咀嚼力が弱くて、固形物を飲み込めない赤ちゃんの割合が増えているという(これについては、早期からの縦抱きやバンボの使用などさまざまな問題も指摘され始めていて、折々にFBに書いてきた)。

だから管理栄養士さんたちが、懇切丁寧に、
「赤ちゃんがモリモリ食べる簡単かわいいレシピ」を書いて、
その通りにすればいいように指導するわけなのだけれど、
それだと、逆に「いい加減」にするのが難しいし、
読んでそのまま作っていると料理は身につかないし、
その上、作ったとしても、実際にモリモリ食べてくれるわけではない。

子育ての支援になってない!むっちゃ大変!

だから、もし離乳食づくりから食べさせるまでを、
ケアギバーが自分なりの工夫で簡単にできるなら、そうしたい。

その方法の一つが、以前の投稿。
昔は日本で採用されていた工夫を書いたのだけれど、
いつのまにか、綺麗に清潔にスマートに生活することが求められるようになって、それが変わって忘れられていったのではないかな。

さらに、子育てを、食事のケアを、楽にするのは、
口移しや噛み与えをしてしまうことだと思う。


さて、元に戻って。
当時の私は、2ヶ月からフルタイム勤務で赤ちゃんを保育ママに預けていてワンオペだったから、保育ママさんに言われるがまま、昼のお弁当用に、朝、おかゆを鍋で炊き(残りは冷凍して)、出汁を使うことで味付けを薄味にして、たんぱく質やビタミンなど栄養が取れるおかずを加えて、お弁当として届けていた。三食それは無理だった。

だから家では、大人用のありあわせの食事を赤ちゃんに食べさせていた。
その方法が、自分も小さい頃そうされていた、噛み与えという方法だった
(私に虫歯が多かったのにははっきりとした理由が別にありました。噛み与えのせいではありません。念のため)。

ところが、それがいけないという。

実際はもうほぼ記憶にないのだけれど、
たぶん私は「いけない」という罪悪感を抱きつつ、噛み与えを続けていた。
「いけない」はしっかり頭に入っていて、でも半分信じていなかったし、半分仕方ない、と思って、ちょこちょこあげていたんだと思う。

だから、今度、孫ができて、ベビーシッターをしていて、離乳食が始まったとき、
「口移し、噛み与えは虫歯になる」
と再び言われて思い出した。と同時に、当時より余裕のある今、
本当か?と疑い始めた
のである。

なぜなら、離乳食を始める頃、赤ちゃんには歯がないのに、どうして虫歯になるのか理解できないから。孫は歯が生えてくるのが遅かった。

それに、昔の人たちがみんなやっていたことが、今、いけないと言われているのはなぜか、知りたかったから

もし、嫌いな舅や姑がぐちゃぐちゃに噛んだ食べ物を自分の赤ちゃんに与えるのは見ていられない、薄汚い感じがするから止めてほしい、というなら、まだわかる。残念だが、わかる。
でも自分の子どもだったらどうか。いいのではないか。

こんなにみんなが離乳食づくりとそれを乳幼児に適量食べさせることで苦しんでいる。かつてそんなことはなかったはずだ。噛んで与えればいいなら、もっと楽になるのではないか。

それで、調べた。FBの投稿で聞いた。
 
 教えて下さい。
 特に小児歯科関係の方に教えていただきたいです。
 親から乳児への口移し(噛み与え)は、虫歯を作りますか?
  (中略)
 少なくとも歯が生えてくるまでは、
 噛み与えをしても大丈夫なのではないでしょうか。
 そして、大体その時期を超えたら、
 噛み与えしなくなるように思うのです。
 包丁で刻んだり、スプーンでつぶしたりしてあげても食べられるようにな  
 っているのではないでしょうか。
 何が本当なのでしょうか。
 歯科医師の界隈では結論が出ているのでしょうか。
 どなたかわかりやすく説明してくださいませんか?
 どんな研究に基づいて、乳児への離乳食の噛み与えによって、
 虫歯ができる、ということになっているのでしょうか。


ここに書くのはその結果である。コメント欄を見てほしい。多くの方がいろいろな情報を書き込んで下さって、非常に多くの情報が集まったので、是非、読んでいただきたい。本当にSNSってすごい。一つ一つのコメントが本当にありがたい。クリック!

教えて下さい。 特に小児歯科関係の方に教えていただきたいです。 親から乳児への口移し(噛み与え)は、虫歯を作りますか? 乳児期0歳 特に歯の生える前に口移しで食べ物を与えると虫歯になるという証拠がみつけられずにいます。 研究論文に当たれ...

Posted by Nobuko Takeda on Wednesday, May 18, 2022

皆さんに読みやすくなるように、最初は、このnote で論点を短くまとめようと思ったけれど、どれも捨てがたい情報で、まとめるには時間がかかってしまう(すでに2カ月半経っているのに)。

そこで、かいつまんだ結果としての結論を書くことにする。

  ~~~「噛み与え」「口移し」が
           直接、虫歯に繋がるとは言えない~~~

そして、私の問いに答えて、私などがまとめるよりもずっときちんとまとめて書き下ろしてくださったのが、
    医療法人社団 秀鳳会 いまい歯科理事長 今井雅一先生。

ほんとうにありがたい。
(6月始めに送ってくださったのに、2ヶ月も公開しなかったのは私の責任)

今井先生によれば、赤ちゃんの虫歯予防に大切なことは、

 1)(世話人が)正しい知識を持つ
 2)世話人自らの口腔内衛生環境を改善する
 3)世話人自らの虫歯 /歯周病を解決する
 4)闇雲な不要な物理接触は控える


とのこと。噛み与えや口移しの禁止は上記の4つに入っていない。
箸やスプーンの共有もふーふーして温度を下げるのもいけないと書いてない。

最初に読みやすいショートバージョンを挙げるので、要点だけ読みたい方はこちら。

部分引用
**************
「様々な影響因子が絡み合った結果として発生している現象に対して、そのうちの1つの影響因子だけを取り上げて、『これが原因だ!』と言ってしまうような話が、一般的によく見受けられますが、それは完全な間違いとは言え無いものの、それ1つで圧倒的に、決定される状況にないのであれば、これは必ずしも適切な表現ではないでしょう。」

「直接の世話人から伝達されるのは、口腔内常在微生物叢(そう)だけではなく、
   1)歯磨きがいまひとつな生活習慣
   2)甘いお菓子を多く食べる生活習慣
   3)間食が多い生活習慣
などの生活習慣(後天的要因)が伝達されるでしょう。また、
   4)歯の質
   5)耐酸性、
   6)唾液の量や緩衝能
などの遺伝的な傾向(先天的要因)は、もちろん直接の世話人からではなく、血縁の親から、不変の要因として既に伝達されています」

(さらに私からの問いに対しては)
Q 4、子供に虫歯菌を移さないように、食べ物をかみ砕いて与えたり、同じ箸、スプーンを使わなかったりする指導が歯科医師によって行われていると聞きます。
  →極論すぎて、社会生活が成り立たなくなってしまうでしょう。
   潔癖症な人格を作り上げ、人と握手をすることにも抵抗を感じ、まし  
   てや、他人の口とキスをすることは汚染的な行為だと思わせるような
   教育になりそうな気がします。人類が滅亡に向かいそうですね(笑)

Q 5、もしかしたら虫歯のリスクは減るかもしれませんが、外敵に対する耐性や、親子の情操形成に大きく問題が出る可能性があり、私としてはそっちの方はどう考えているのか伺ってみたいものだと思います。
  →本当にその通りだと思います。人生のリスクは虫歯だけではないので 
   (笑)
*****************

さらに丁寧に解説してある保存版はこちら。

では、どうして、
「噛み与え」「口移し」はいけないという言説が広がったのだろうか?

たとえば、ウェブサイトにはこんなふうに書いてあります。
(複数のウェブサイトから引用)
              A
1)子供と同じ箸やスプーンを共有しない。噛み与えをしない。
31ヶ月までのむし歯菌感染を予防できればその後のむし歯予防がとても楽になります。又、感染時期が遅いほどむし歯は軽症で済みます。

                  B
2)虫歯菌は、どのようにして感染するかの例です。
 1)愛情表現のためのキス
 2)熱い食べ物を息で冷ましてからあげる
 3)固い食べ物を口で噛んで柔らかくしてからあげる
 4)箸やスプーンなどを共有する
 などの行為によって子供に感染します。

             C
 子供への虫歯菌の感染を防ぐには、次のような方法があります。
   (中略)
2)生後1歳前の離乳期
 虫歯菌は唾液を介してうつるため、食べ物の口移しなどをしないようにします。また、スプーンなどの食器を大人とは共有しないようにします。
   また、両親は十分気をつけていても、たまに訪れた祖父母の家で口移しを目撃してしまった!と心配される方も多くいます。心配性の方は、普段から周りの方に「うちでは、口移しや共有は禁止ですから。」と徹底されてみてはどうでしょう。


いろいろな歯科医の文章を読んでみると、
どうやら、いけないと主張しておられるお医者さんたちは、

「歯が生えていない月齢の乳児への対応と、
      歯が生えた後や成人同士の常在菌の移行の区別をしていない」

ようなのである。

離乳食は、5-6か月からせいぜい1歳、1歳半までで、
離乳食を初めてしばらくしてから歯が生えてくる(6-9か月頃)。

一方、虫歯ができやすいのは、1歳半頃からと言われていて、
つまり、大人と同じような食事をし、生活習慣を引き継ぐ頃から。

だから、今井先生の書かれるように、
世話をする大人たちの食習慣や口腔内の清潔に対する感覚などにセンシティブになって、赤ちゃんにもちゃんとした食事を与えるようにしていれば、まずはいいということ。

大人が、甘すぎたり、味が濃すぎたり、柔らかすぎたりといったものを食べていて、それをそのまま噛み与えていれば、当然、虫歯のリスクは高まる。

でも、淡白な和食中心の食事をしていて、それを噛み与えていれば、
たとえ、噛み与えが虫歯の一つの影響要因になるとしても、直接的に虫歯には結びつかないはずである。
昔から日本で噛み与えをしてきたのは、そういう背景があったのではないか。

もちろん、今どきの飽食の時代に、離乳食早期から、甘いもの(たとえば、ポカリスエットやジュースや炭酸、お菓子類、砂糖の入った食べ物や甘い果物)を食べさせるのは論外である。

たとえば、毎日インスタントラーメンやジャンクフードを食事として食べる食習慣のある親だとしたら、乳児に噛み与えをしてはいけないのだけれど、それは、噛み与えがいけないのではなく、親の食習慣がいけないのである。実際に、スパゲティとマックのハンバーグしか食べられない肥満のアメリカ人やカナダ人や、毎日コンビニ弁当しか食べない日本人の家族や若者たちを知っている。そういう人たちに「そういうものを乳児に与えてはいけないと警鐘を鳴らすことは必要である。

そういうことをトータルに考えて、生活全体を見ること。
うつるのは、菌ではなくて、生活環境や慣習そのものであるということ。
それを歯が生え始めるより前に、ケアギバーが変えていくこと。

歯医者さんたちが、うつるよ、と言って、保健師さんたちや管理栄養士さんたちがそれを信じて、親たち、ケアギバーたちに伝えていった。ということのようだ。

レシピを書く管理栄養士さんの仕事の邪魔をしたいわけではなくて。
まずは赤ちゃんの発達とケアギバーのストレスを考えて、流布している情報を変えていきたい。

噛み与えや口移しを止めることで、
食事を食べさせることが大変になっているなら、
子育てが大変になっているなら、
ちゃんとした食事なら、噛み与えや口移しOKという情報を伝えていきたい。
専門家も含めて皆に伝わるといいなあ。

追記)研究とエビデンスについて
 なお、私の文章に研究のエビデンスがない、というご指摘があったので、追記をしておく。
1)本稿は学術論文ではなく、一般の方に読んでいただくこと、離乳食づくりをシンプルにし、子育てを楽にすることを目的としている文章であるため、厳密さよりも読みやすさを優先している。また、子の健全な発達は、歯のことだけではなく、生活全体のウェルビーイングの保障の観点から論じられる必要がある。たとえ、離乳食が完璧で綺麗な歯の子どもが育ったとしても、親が離乳食づくりでノイローゼ状態になっていて愛着形成が難しく、子どもも不安定になっていたとしたら、それは見直されるべきことであろう。
2)執筆にあたっては、私が歯科医ではないこともあって、いろいろな方の協力を得て、英語文献も含め「離乳食の与え方」と虫歯の関係について調べてもみたが、残念ながら0歳児に焦点を当てた研究は少なくとも私には見つけられなかった(もしあったら教えて欲しい)。
3)FB以外でも、複数の歯科医からご意見をうかがったり、ネット上での発信も調べたりしたが、その中で「感染るから噛み与えはよくない」と主張する方で、離乳食期についてのエビデンスを示している事例はなかった。ブログ等に根拠を書いている方もいらっしゃらなかった。
4)ただ、いろいろと調べてみてわかったのは、ミュータンス菌の母子間遷移があるというような研究はいくつかあるということ、それらが離乳食期の研究ではなく、それが原因で後に虫歯になったという研究でもないということである。
5)「0歳児の離乳食で噛み与えをしたら、1歳半以降に、それが原因と特定される(つまり他の要因の可能性が排除された)虫歯が見られた」という有意なエビデンスがあるかというと、おそらくそのような困難な研究で結果を出しているということはないだろう。エビデンスのない言説が広がっているときに、その逆を証明するエビデンスを求められるというのもいかがなものかと思うが、いつかそのような研究に挑戦する方が現れてくれることを願っている。
6)赤ちゃん歯科ネットワークという団体があり、半年前の2021年vol.7 No.1 号に「ミュータンス菌の母子感染説はホント?」という対談記事が出ていることを紹介して下さった方がいらして、読んでみた。口腔細菌学を専門とする徳島大学名誉教授の三宅陽一郎先生とこのネットワークの会長高木伸子先生、前会長の石田房江先生、歯科衛生士さんの服部沙穂里さんのディスカッションである。細菌学の観点からいろいろと説明がなされており、詳しくは本誌にゆずるが、結論は母子感染より歯磨きと食生活を、ということで、この文章と同じだった。心強い記事だった。論文ではないけれど、説得力のある説明である。誤解から生じたこの言説が早く修正され、一般にもっと知られることを願っている。
7)執筆を依頼した今井先生は、文献等を示すことの必要性を私にご指摘下さった上で、子どものトータルに健やかな発達と子育て期の親子のサポートをしたいという私の発信の意図を組んで、あえて大人がより配慮すべき点についてわかりやすい文章を書いて下さった。心から感謝している。

#子育て #離乳食 #赤ちゃん #噛み与え #口移し #管理栄養士 #小児歯科 #一般社団法人ジェイス #社会的マルトリートメント


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