武田 信子 | Nobuko Takeda

子どもたちの養育環境をよりよくするために、大人としてできることを精一杯しています。 『…

武田 信子 | Nobuko Takeda

子どもたちの養育環境をよりよくするために、大人としてできることを精一杯しています。 『やりすぎ教育 商品化する子どもたち』(ポプラ新書)https://tinyurl.com/yarisugikyoiku 一般社団法人ジェイス代表理事 https://jace-pom.org/

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最近の記事

ホラー映画のように消費される毒親のストーリー

毒親のストーリーが、ホラー映画のように大量消費される。 当事者の複雑な心境が語られ、 第三者によって鑑賞され、好きなようにコメントされ、 新しい次のストーリーが出ると、そちらに話題が移り、 忘れ去られていく。 そうならないように、私たちで、 次のストーリーを食い止めるために 前のストーリーを読まなくてはならない。 なぜストーリーが繰り返されるのか。 この日本で、異常と思われる親の行為がなぜ起き、 そのままになっているのか。 私たち自身の何がそれを促しているのか。 日

    • 布一枚(カインゲンドン)でできちゃう親子共に気持ちいい~抱っことおんぶ!

      一昨日、浜松でインドネシアの抱っこ紐カインゲンドンの使い方講習会。 私は孫の抱っこ紐はこれ一択。 これ以外は使う気がしない。 おしゃれな布だから、持ち歩いていて、なんにでも使える。 講習会といっても、ネットの動画を観て、やってみるだけ。 (インドネシア語だから、説明は全くわからないけれど、見ればわかる!) あっという間に出来ちゃった。 赤ちゃんは楽しそう、気持ちよさそうでにこにこ。 あとで自分だけでもう一度やってみたら、秒で寝たと。 いつも使っている日本のスリングより

      • 教育のリフレクションのポイント(1)

        オランダのフレット・コルトハーヘン氏の『教師教育学』(学文社)を監訳した武田信子です。 コルトハーヘン氏のリフレクションについては、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。授業には、リフレクションが必要だということは、今では当然のように言われていますね。ここでは、生徒にさせるリフレクションではなく、授業者自身のリフレクションについて、説明します。 授業の振り返り(ミクロレベルのリフレクション)の視点は、一度身につけておくと、ふと、あれ?うまく行っていない、とおもった

        • 『エデュケーショナル・マルトリートメントの理解と対応』

          届きました!! 編集者が、心を込めた文章で、この本が自分にとっても大切な一冊、と書いてきてくださいました。編集者さんが帯だけ書いた私にまで、真摯な思いを書き綴って下さるなんて!! それだけ、「個人に響く」研究書なのだと思います。(帯を書くのは初めてなので、気に入っていただけてうれしかった!!)  教育虐待はもとより、不登校とかひきこもりとか、毒親とかに関心がある人、教育関係者(って日本人全員かな?)に是非。 私は、エデュケーショナル・マルトリートメントという言葉を世に出し

        ホラー映画のように消費される毒親のストーリー

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        • ビーバーの森
          3本

        記事

          誕生日に映画クルーが来たよ!

          VIVA!26日、62歳! この歳になっても 皆さんにとんでもなく迷惑をおかけしたり傷つけてしまったり。 変われない自分が手に余ってしまう私にとって、 誕生日はそれでも自分が生きていることを受け入れようと思える日。 多くの人たちに62年間支えられて今日を迎えることができました。 心より感謝申し上げます。 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。 ******* 家族の都合で24日に小さな前祝の会をすることになっていました。 あのさ、オーストラリアの映画撮影クルーが数人来

          誕生日に映画クルーが来たよ!

          子どもの権利条約第31条とその解説(1)

          今年6月には、国際遊びの日(6月11日)が設定されました。 校庭や園庭を冒険遊び場にする試みも始まっています。 遊びについて発信する方も増えて来ました。 ただ、私が気になるのは、まだ、遊ぶことは 「子どもの発達にとってよいことだから」と目的的に捉えて、 「遊びの中で学ばせよう」 (学びの方が上位概念、かつ上から目線の使役の助動詞を使う)というような捉え方や、 「脳を機能させるために遊びの時間を与えよう」というような、 捉え方が多いことです。 ここは、とても難しいところで

          子どもの権利条約第31条とその解説(1)

          プレイワークとプレイセラピーの邂逅

          2024年8月10日は、日本のプレイワークとプレイセラピーが公に出会った記念の日です。東京プレイセラピーセンターの公開講座で、セラピストの方たちとプレーリーダーの方たち合同のプレイワークの半日研修がありました。 短い時間ではありましたが、私もワークショップに参加し、ご挨拶させていただきました。 双方の分野が学び合うことはとても大事なことだと思います。 これからの時代、子どもたちの遊びの専門家であるプレイワーカーが、心理治療としてのプレイセラピーとその理論について知識として学

          プレイワークとプレイセラピーの邂逅

          毒親と教育虐待

          初めて、「教育をめぐる虐待」という言葉を外に出したとき、 親に責任を負わせるのではなく・・・と説明したら、 「なんでも社会のせいにするのはどうか」と言われました。 じゃあ、すべて母親のせいにするんですか? ただでさえ、子育てで社会から隔絶され、不安になって、 迷い、必死になって子育てして、鬼のようになってしまった親たちは、 本来、救われるべき人たちではないのですか? 「毒親」って言って、責めたって、何の解決にもならない。 「教育虐待」といって憎悪を煽ったり、不安に陥れた

          Yahooニュース やりすぎ教育が子どもを追い込む~「エデュケーショナル・マルトリートメント」を防ぐには~

          共感する人が増えることで、どこかで転換が起きるでしょう。 youtube 配信の動画の内容の一部を改変して、文字化しました。 それがyahoo ニュースで配信されています。 どうぞ視覚から、内容を頭に入れてくださいますように。 元の記事はこちらです。こちらがyahoo に転載されました。(原稿は同じものです。違いはヤフコメがついているかどうか。ヤフコメのネガティブなコメントから学べることが私にはたくさんあると、私は思っています) TBS NEWS DIG Powered

          Yahooニュース やりすぎ教育が子どもを追い込む~「エデュケーショナル・マルトリートメント」を防ぐには~

          こんな街中にバナナかよ・・・       豊中市型コミュニティソーシャルワーカー研修報告 

          大阪の街中に、バナナの赤い花が咲き、実がたわわになっている。 コスタリカだったかシンガポールだったかとにかく熱帯で見て以来のバナナの花。日本はもはや熱帯だ。 ということが言いたいわけではない。でもこれは正真正銘のバナナの木。 日本最北端のバナナの木が、ハウス栽培でもなく、住宅地の間の広くはない畑に2本、植わっている。 なんでまた?  一体誰が? そんな地域を作っている人たちによる研修を受けてきた。 大阪府豊中市。知る人ぞ知る社会福祉協議会、略して社協のメッカ。 勝部

          こんな街中にバナナかよ・・・       豊中市型コミュニティソーシャルワーカー研修報告 

          ハラスメントとマルトリートメント

          古巣の日本教育心理学会にご指名いただいて、2024年7月28日に、 第13回 日本教育心理学会ハラスメント防止委員会企画講演  「こころを傷つける指導とハラスメント―いのちを守るための理解と対応―」というオンライン講演の収録をしました。 2024年8月中旬より会員のみ対象で、オンライン配信があります。 (別途、福井大学を中心としたエデュケーショナルマルトリートメント研究プロジェクトの自主シンポジウムにも招かれており、9月15日(日)午後、教育心理学会大会@浜松で現地参加する

          ハラスメントとマルトリートメント

          教育虐待と中学受験

          【子どもの24時間、今昔】 人間の脳は24時間働いています。 かつては、24時間のうち、学校はほぼ8時間。睡眠が8時間で残りの8時間が家庭や地域で過ごす時間でした。 それが今は勉強(教わること習いごとや塾や学童含む)に関連する行動をしている時間数が増えて、家庭や地域で過ごす時間が大きく減少しているのです。しかもその少ない時間の中で、ネットと過ごす時間が3-4時間。 実は、学校の中で学んでいることは人生の学びのごく一部分です。 それなのに、もし、学校の学びを放課後や土日に

          教育虐待と中学受験

          愛着障害

          愛着障害は心理学の用語ですが、 今、日本で問題なのは、親子の心のつながりや親の愛情不足よりもむしろ、 愛情があるのに赤ちゃんの身体的ニーズに応じることができずに右往左往している親たちの 子育ての技術不足 と  それを助けるという名目で売れている子育てグッズによる弊害 です。 だから、具体的な支援が必要なのですが、 専門職でさえ、知識も技術もなかったり、間違った情報を拡散したりしているから大変なのです。 追記)親の愛情不足という表現をここで使ったことについて、使いた

          子どもの権利条約第31条「こどもが文化的かつ自由に過ごす権利」超訳

          子どもの権利条約第31条は、「子どもの遊ぶ権利」と呼ばれています。 でも、実は、遊ぶ(PLAY)ということばは、子どもの権利条約第31条の中で一回しか使われておらず、 むしろ、 rest :休むこと・寝ること・眠ること leisure :自由な時間を過ごすこと recreation :やらなければならないことをやって生じた心身の疲れを癒し、元気を回復するために休養をとったり娯楽を楽しんだりすること culture :先人が築き上げ、土地や人々に根付いた文化を享受すること th

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          社会的マルトリートメント概念の構築と社会的親のあり方の検討

          日本子ども家庭福祉学会第25回大会ランチセッションで、2023年度民間団体活動推進調査研究事業の代表として報告@早稲田国際会議場。 こちらの事業は、ジェイス理事の横須賀聡子、築地律、松田妙子と、東洋女学院大学教授の山本真実(6月以降は協力者)をメンバーとして実施しました。 なんと自宅から超忙しい松田妙子さんの運転送迎付き!! 重い報告書50冊を段ボール箱に入れて、自転車の後部に括りつけて行こうと思っていたら、ありがたきお申し出があって、甘えました~~。自転車から自動車にス

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          セルフスタディと教科教育

          2024年5月26日(日)全国大学国語教育学会総会@鹿児島大学のラウンドテーブル『個体史研究とセルフスタディ』が開催された。今後、セルフスタディが教科教育にも導入されていくだろう。国語教育におけるセルフスタディの最初期の記録として、残しておきたいと思う。 この「個体史研究は、海外の研究者からどう評価されるのか ―セルフスタディとの対話― 」という一連の研究は、北海道教育大学幸坂健太郎准教授をリーダーとする文部科学省科研費基盤研究グループによるものである。 26日のラウンドテ

          セルフスタディと教科教育