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保護者から見る新陽高校。PTA会長に聴きました! 【週刊新陽 #52】

週刊新陽、第52号となりました!

1年間は52週。4月第1週に始まった校長ブログも今年度最終回です。次年度もぜひ読み続けていただけたら嬉しいです。

これまで、学校の様子や生徒・卒業生・教員インタビューなどを記事にしてきましたが、ずっと書きたかった・・・というよりはずっと聴きたかったことがありました。

それが、保護者のお話です。

新型コロウイルス感染症対策で、新陽高校のPTA総会や学級委員会もオンライン開催が多かったため、この1年で保護者の方々に直接お会いできる機会は限られていました。

こんな大変な時期にPTA会長を務めてくださっている増元美希さんは、探究コース2年生(4月から3年生)のお母様。保護者も参加いただけるイベントには必ずと言っていいほど来てくださっています。

親子揃ったところで写真を撮らせていただきました。

今年度最後の週刊新陽は、初の保護者インタビューをお届けします!

新しい校則は「新陽らしい」


-- 先日、校則見直しについて保護者の皆さまにもアナウンスしました。新しい学校生活規則について、率直な感想をお聞かせください!

「新陽らしい!」と思いました。

身だしなみの規定が無くなったことについて、すこし心配に思うところが無いわけではありません。髪を染めるとかピアスって校則を破ってやるものというイメージがあったので、それが校則でOKとなるとどうなるのか・・・。

でも、ふと自分の高校時代を思い出すと、「だめ」と言われたからやっていたような気もするし、かといって3年間ずっと茶髪にしたりはしませんよね。アルバイト先や各家庭でNGなこともあるでしょうし、子ども自身が周りの目を気にしたり自分で考えるようになるのではないかと思います。

もっと言うと、周りの目も最初だけかもしれません。札幌南高や札幌西高あるいは定時制の高校などは、服装も髪型も自由だとみんなが分かっているから何も言われない。新陽が髪型や髪色について規定を設けていないと、早く世間に広まればいいですね。

--「新陽らしい」と思われたのはどこですか?

校則の見直しも、多様性や主体性を伸ばすこととつながっていると思います。そもそも社会に出たら校則はない。だから高校生のうちに、自分で考えて自分で決める力を育てたいという方針をルールにも反映したんだろうと理解しました。

特に新陽らしい取り組みだと思ったのは「校則カフェ」。評議員の生徒さんのアイデアと聞いた気がしますが、校則について生徒と先生が語るオンラインの会をやっていましたよね。うちの子も参加していたので、実は横から覗いていたんです(笑)。

先生と生徒という感じではなくフラットな雰囲気で対話していて、先生の中にもいろんな意見があるのが分かって面白かったです。

これからも定期的に見直しをしながら先生と生徒で一緒に作っていくという話を聞いて、いいな、と。ルールは先生から押し付けられるものではないし、子どもたちもただ従うのでもただ反発するのでもなく、自分のこととして考えていってほしい。

だから、新しい校則でのこれからの新陽が楽しそうだなって思います。そして、校則カフェはPTAでも是非やりたいですね!


学校に求めるもの


-- 自分で考えて判断する力は、今回の校則見直しでも大事にしたポイントです。一方で、ルールやマナーを教えるという部分もある。学校や大人の役割はどうあるべきとお考えですか?

ルールやマナーは、やはり教育の中で学ばせていくべきです。

例えば、スカートを膝から何センチと決めたとしても、身長によってバランスは違うし、入学時に合わせても成長して体型が変わることもありますよね。だから数値でルールを決めるより、「どれぐらいがバランス良いか」とか「かわいく見えるかな」という会話が生まれるほうがいい。

化粧にしても、高校生のうちは禁止されているのに、社会人になると化粧しないとマナー違反と言われることがある。分からないまま間違って使って危険なこともありますし、化粧やカラーコンタクトなど、むしろ正しい使い方などを指導しておくことの方が大事だと思います。

ただ、式典の時の制服の規定はしっかり作ってあげたほうがいいと個人的には思っていたので、今回、正装の規定があってよかったと思いました。入学式や卒業式って写真に残るじゃないですか。将来、自分の子どもに見せたとき恥ずかしくないようにしてあげたいなって。

-- これからの学校教育に期待することは何ですか?

時代と逆行するようですが・・・厳しい先生もいてくれたらいいのにと思うことはあります。

ここ20年で社会が変わったと思うんです。自分が生徒だった頃と比べて、こわい先生がいなくなりましたよね。高校に限らず、子どもから「あの先生は優しい」という話は聞くけど「あの先生こわい」とは聞かない。

私の時、生徒指導の先生はこわかったですよ(笑)。逆らうとか全然無理。でも叱られている理由も理屈が通っているから反論できないし、生徒たちも怖がってはいるけど嫌いじゃない先生でした。

今は、親も先生も近所の大人も誰も叱らないから子どもが怒られ慣れていないですよね。だから社会人になって初めて怒られて会社辞めちゃう、みたいなことが起こる。

子どもたちが将来正しいことを言える大人になるように、本当に間違ったことをした時しっかり叱ってくれる先生がいてくれるといいな、と思います。

新陽なら大丈夫そう


-- 親御さんとして、新陽を選んだ理由を教えてください。

うちの子は、成績が悪かったわけではないけど勉強が好きではなかったんです。座って話を聞く授業が苦手で、それが続くのが嫌だったのでしょうね、「なんで高校に行かなきゃいけないの」と聞かれたこともあります。

そんな感じなので、同級生では中学2年のうちに志望校が決まっている子もいたのに行きたい学校が見つからなくて・・・普通の高校ではなくて、もう少し自由な学校を探していました。

そんな頃、前校長の荒井優さんとビリギャルのモデルとなった小林さやかさんのトークイベントで新陽高校を知り、調べてみると探究コースがあることや定期テストが無いことなどから、うちの子に合うかもしれない、と。それでオープンスクールに行ってみたら楽しそうな雰囲気で、この学校なら大丈夫そうと決めました。

入学と同時にコロナが始まってオンライン授業も多く、思っていたのとは違う高校生活でかわいそうに思うことはあります。でも生徒がイベントを企画したり、外部の人を呼んでお話を聞けたりするのは他の学校ではできないことで、新陽で良かったな、と思っています。

多様な保護者がつながれば


-- お子さんも3年生になりますが、これから学校に関することでやりたいことなどはありますか。

やっぱり他の保護者の方といろいろお話してみたいです。クラスでの保護者懇談会もできていないですし、成果発表会にいらっしゃる保護者も限られていますし。

せっかく色々なお子さんがいて、目指していることも違うのに、情報交換できないのは残念ですよね。できれば、学年やコース関係なく保護者間でつながる機会があったらいいな、と思っています。

それから、PTAとしては「子供たちに何もしてあげられていない」という気持ちが強くて。学校祭のお手伝いもできなかったし、PTA企画ももっと主体的に関われたらよかったなと思います。

私たちが子どもたちのためにできることは、大人の力とコネと経験を子どもたちに提供すること(笑)。大人の力を最大限活かして、子どもたちに何か贈りたいですね。

例えばキャリアガイダンス(※)で、あんなに幅広く人を呼べるのは新陽だからだと思うんですが、保護者も多様なので、そのネットワークも使えばさらに子どもたちが触れられる世界が広がると思うんです。
(※)キャリアガイダンスとは、10名前後の様々な分野で活躍するゲストティーチャーにキャリアや生き方についてお話いただく新陽オリジナルの校内イベント。生徒は2名のゲストを選んで話を聞いたり体験したりすることができます。

新入生も入ってくるので多くの保護者の方にぜひPTAへ参加いただいて、先生方と協力していければと思っています。

公立では難しいけど私立だからできることや、新陽だからできることがあるはず。楽しいことしましょう!

昨年8月に実施した探究コースPTA企画@余市エコビレッジ

【編集後記】
読んでくださった皆様、1年間ありがとうございました!!
毎号3000〜4000文字、原稿用紙にすると10枚ほどの文章を毎週書きました。小学生の時、夏休みの最終日になっても読書感想文が仕上げられず泣いていた自分を思うと、ずいぶん成長したものです(笑)。実は毎号、公開前に数名の先生にチェックしてもらうのですが、プレ創刊号からずっと添削してくれている先生に「この1年でかなり文章のレベルが上がりましたね」とほめてもらえました。
同時に、やればやるほど書くことの奥は深く、「伝える」と「伝わる」の違いは大きく、まだまだ修行が必要ですが、なによりも読んでくださった方に新陽の良さや面白さが少しでも伝わるといいなと思ってがんばっていきますので、『週刊新陽〜校長室から』4月からもどうぞ引き続きお付き合いください!

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