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原動力は「サッカーが好きという気持ち」〜J1トップ昇格決定記念インタビュー 【週刊新陽 #129】

ちょうど1ヶ月前になりますが、9月4日、サッカー Jリーグ 「北海道コンサドーレ札幌U-18」に所属している本校3年生の出間思努(いずま しど)さんが、2024年よりトップチームに昇格することが発表されました!!

北海道コンサドーレ札幌U-18 出間思努選手 2024シーズン トップチーム昇格のお知らせ(北海道コンサドーレ札幌オフィシャルサイトより)

担任の先生からこのビッグニュースが共有されると、職員室は大盛り上がり。学校のホームページでも「おめでとう!夢を思い続け、努力を継続した結果だと思います。さらに高みを目指し挑戦し続けてください。これからも心から応援しています!」とコメントを載せました。

来季のプロ昇格に向けた想いを、さっそく出間さんに聞きました!

(写真は本人提供)

絶対プロになりたいと思ってた

-- プロ昇格決定、おめでとうございます!昇格はどのように知りましたか?

北海道コンサドーレ札幌(以下、コンサ)のユースで進路面談のようなものがあって、先日そのオンライン4者(監督とヘッドオブコーチ、選手、保護者)面談で、「思努は来季トップ昇格だ」と言われました。

トップの公式戦に出場させてもらいゴールも決めていたので、周りからは「トップ行くでしょ」と言われたりもしていたけど、自分では五分五分と思っていたので言われた瞬間は驚きと喜びで「マジ?!」という気持ちでした。でも冷静を装って「ありがとうございます」と大人の対応をしました(笑)。

絶対にプロになりたいと思っていたので、本当は飛び上がりたいくらい嬉しかったです!監督たちから「頑張ってくれた」と前期についてポジティブなフィードバックも貰えて、一緒にいた父も言葉に詰まっていた気がします。

-- サッカーはいつから?

たぶん父からボールを渡されて、気付いた時には蹴ってました。保育園の頃はルールも知らずにただ近い方のゴールを攻めてたので、よくオウンゴールしてました(笑)。

5歳からスクールに入り、小学3年生の時にコンサのアカデミーのセレクションを受けてU-12の選手に。中学生になってU-15、高校に入りU-18へと進みました。

ポジションはFWです。左サイドバックをやってみたこともありますが、やっぱり攻撃が好きなので前線がいいですね。ゴールを決めた後は最高に気持ちがいいです。

-- ずっと順調に進んできたように見えますが、やめたいとか嫌になったことはなかったのでしょうか?

サッカーを嫌いになったことはありません。やればやるほど好きになっていく、どんどんサッカーの楽しさが増えていく感じです。

ただ実は楽しくないと感じた時もありました。高校に入り、2年になる頃まで自分のプレーが思うようにできなかった時期があって。でもサッカーは好きなので続けていたら、だんだん調子が上がっていきました。

コーチからのアドバイスもあり、夜遅くに出歩かない、練習が終わったらすぐに帰って休むなど、生活を見直したことも良かったかもしれません。その頃から行動だけじゃなく意識も変わった気がします。

(写真は本人提供)

好きなことに全力で取り組める高校

-- 生活の中心にサッカーがあると思いますが、学校との両立はどうしていますか?

小学生の頃からなので特に意識したことはないです。僕にとっては両立するのが普通というか、学校とサッカー両方ある生活しか知らない、というのが正直なところです。

ただ高校生になって、U-18で他の学校に通っている仲間などから話を聞くと新陽高校に通っている自分は恵まれているなと感じます。例えば1年生の時はコロナで授業がオンラインになることも多かったので、練習との両立がしやすかったのは確かです。

また、試合や合宿などで必要とあれば公欠(※)を出してくれるなど、サッカーとの両立のために融通を利かせてもらっていると思います。こんなに公欠をバンバン出してくれる高校、他にないです!(※公欠:公認欠席の略。正当な理由があると校長が認めた場合、欠席として取り扱わず「出席しなくてもよい日数」として要録等に記載されます。)

-- 誰にでも何にでも公欠を出すわけではないんですけどね(笑)。本気で挑戦している生徒を応援したいので、学校としてできることをしているだけです。新陽に入学したきっかけは何ですか?

3つ歳上の姉が新陽生で、すごく楽しそうに見えていたので志望しました。それで新陽を単願で受験し入学したのですが、学校生活は楽しい。期待以上でした。

新陽は、どこよりも自由な高校だと思います。やりたいことを本気で応援してくれる先生たちがいるし、のびのびやらせてくれる。同時に、挨拶とかそういう「人」としての基本を大切にするところもあって、勉強の学力よりも人間力が伸びる学校だと思っています。

クラスメイトと一緒に盛り上がった体育祭

一歩踏み出すには、自分の気持ち

-- 出間くんがそこまでサッカーに打ち込む原動力、やり続ける秘訣はどこにあるのでしょうか?

一番は、自分が楽しいから、サッカーが好きだから、という単純な理由です。同時に、観てくれている人たちをどれだけ沸かせられるかもモチベーションに影響します。サポーターが盛り上がってくれると自分の気持ちが上がって、結果的に良いパフォーマンスができるんです。結局、自分が楽しむことと周りを楽しませること、どちらも大切だと思います。

やり続けるために大事なのは「やりたい気持ち」、僕の場合はそれしかないです。その気持ちがあればプレーするチャンスをたくさん貰えて、プレーする機会が増えれば結果も実りやすくなる。だから自主練もチームの練習も試合も、やれるだけやりたいと思っています。

-- 一方で、どうしてもそういう気持ちが続かない、あるいはまだその気持ちに気付けない人もいると思うのですが、そういう場合はどうしたら良いと思いますか?

実はつい最近そういう友達がいたんです。別の友達から聞いたので、なんとなく「遊びに行こう」と声をかけて、一緒に筋トレと温泉へ。特にそのことについて聞いたり話したりはしなかったのですが、帰った後「今日は誘ってくれてありがとう。元気出たで。」とメッセージをもらいました。

あえて意識したことは無いですが、自分の気持ち次第というか、自分の中からしか気持ちは生まれないし、絶対に生まれる、と思ってる部分はあると思います。

人って、一歩踏み出すのが怖いですよね。これをやりたいとかああしてみたい、みたいな興味は色々なことにあっても、一歩をどう踏み出せるかが難しい。その一歩を踏み出すのに大事なのはやっぱり気持ちなのかなって。

僕の場合は、メンタルが整わない時はとにかく動く。よく「やらない後悔より、やった後悔」と言いますが、じっと悩んでるくらいならとりあえず体を動かすようにしています。

(出間さんの出場試合を観戦した髙橋励起先生撮影)

-- 最後に、これからの目標を教えてください!

やっぱりプロとして得点に絡む、そして自分でゴールを決めてチームに貢献したいです。

それには早くトップチームに入ること。高3になってからはプロと試合に出させてもらうなど選手の方々とは面識があるのですが、早く練習に合流してチームの戦術に慣れたいですね。

そのためにもまずは、残りの高校生活をやりきってちゃんと卒業する。そして将来は、多くのサポーターから応援してもらえる選手になりたいと思っています。応援よろしくお願いします!

【編集後記】
インタビューの中で私が印象的だったのは「こんなに公欠をバンバン出してくれる高校ないですよ!」というコメント。新陽には、出間くん以外にも各種スポーツ、あるいはモデルや俳優などの芸能活動に打ち込んでいる生徒が多く、試合や遠征のため学校を休む必要があります。その際、担任やメンターの先生から公欠申請があるのですが、もちろん何でもOKなわけではなく、本気で挑戦する生徒を信じて本気で応援する先生たちからの申請なので、校長として許可します。その価値を、生徒が感じて活かしてくれていることが嬉しかったです。
「インタビューさせてくれる?」とお願いすると、「こういうの苦手なんです」と言いながらも一つ一つの質問に真摯に、笑顔で答えてくれた出間くん。結局30分以上に渡ったインタビューの間、一貫して「サッカーが好き。上手くなりたい。サッカーをやり続けたい。」という強い想いが伝わってきて、純粋に応援したくなる生徒であり選手だな、と感じました。出間くんのこれからの更なる活躍に期待大です。皆さま、ぜひとも出間思努選手の応援を宜しくお願いします!!

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